喜びそうな物〜初めての〜
こんにちは!クロです!
早速ですが、どうぞ!
第16話
喜びそうな物〜初めての〜
遊園地内、とある売店……
「うーんどれが良いかなぁ〜」
確か二人では、遊びに行ったのも初めてなんだよなぁ
そして、僕はもう小学六年だっていうのに妹にプレゼントの一つすら買ってあげてなかったのだ
それに加えて、ほむらにはいつもお世話になっている……
ほむらは小学三年だとは思えないほど家事が上手で、両親が居ない時には率先して自分からやるのだ
「それにしても……プレゼント選びはこんなにも悩むものなのか……」
誰にも聞こえない声で呟く……
今、ほむらは店の前で待ってもらっているが、あまり待たせても悪いので早く決めないとと……という焦りから、余計難しく考えてしまうのは僕の悪い癖だな……と苦笑する
事の発端はあの時……
「ねぇー! お兄ちゃん」
「どうしたの?」
「お兄ちゃんさ……私にプレゼントくれた事……無いよね」
ほむらは凄く暗い顔で、僕に呟いく……
その顔は言って良いのか悪いのか……という葛藤を表している……確かに渡した事は無い
でも、誕生日プレゼントは用意をしていたのだが……本当にこれで良いのかという悩みから渡せていなかった
そして、僕の部屋の押し入れに今までの分が溜まっているからそれを渡せば良いと思う人も居るだろうが、個人的に嫌なので今度こそ買って渡そうと思い、今に至る
「うーん本当に何にしようか……」
迷いに迷って心の路頭をさまよっていた時、僕に尋ねてきた人がいる「お客様、何かお困りでしょうか」
と声を掛けてきてくれた人は、軽く微笑んでいて優しそうな二十代ぐらいの女性店員だった
「あぁ……すいません。実は妹にプレゼントをあげたいのですが、悩みに悩んでしまって……」
流石に慣れているのか、それとも過去を思い出したのか……直ぐに提案をしてくる
「なるほど! 良いお兄ちゃんですね! 失礼ですが、妹さんのお年は幾つでしょうか?」
隠す事も無いので直ぐに答える
「九歳です!」
そう言った瞬間に、店員の微笑みが更に増した
「そうですか! 今が最も可愛い時期ですね」
『こちらへどうぞ』と言いながら誘導していく……そして僕はどんな品が出て来るんだろうなぁ〜とドキドキしながら付いて行った
そして『ここです』と言われてふと周りを見渡した時、周りがキラキラしている様に見えたのだ
それと辺り一面に、可愛いぬいぐるみが棚の上でひょこんと顔を出している
「うわぁ〜! 可愛い!」
そして店員は、僕の顔を覗き込みながら『ふふ。良かったね! さぁーどれにする?』と言いながら僕の両肩に手を乗せてきた
その手が……服の上からでも分かるくらいに温かみを感じて落ち着ける……
そしてぬいぐるみの種類は子犬や子猫は勿論の事、小熊や何とリス迄幅広い種類の動物達がこちらを見ていた
「ありがとうございます! 僕……妹へのプレゼントはこれにします!」
一目見た瞬間に惹かれたぬいぐるみは……リスのぬいぐるみだった
なんと! このリス(ぬいぐるみ)の口の前にはどんぐり(アクセサリー)を両手に持っていた
そして店員は……
「お! お目が高い! それと……聞くの忘れてたんだけど……プレゼントって誕生日のですか?」
もう一回顔を覗き込みながら聞いてきたので、『違いますよ! これは妹への……初めてあげるプレゼント……今までの感謝です』と話したら女性店員は満面の笑みになる
「本当に良く出来たお兄ちゃんだね! それと私もリスちゃんのぬいぐるみが良いと思う! だから自信を持って笑顔で渡してね」
まるで、今までプレゼントを買っていたのに渡す事が出来なかったのを見透かすかの様に……
不思議に感じながら会計を済ますと
「頑張って! 応援してるから」
と笑顔で手を振ってくれたのだった……
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ふと空を見上げると……それは満天の青空でも無く、ましてや星々の輝きが綺麗な夜の空でも無い
それは……大きな夕照が辺りを赤く染め上げる光景だったのだ……
ここまで読んでくださり、お疲れ様です!
さて、今回はプレゼント選び回になっております!
ほむらのあの一言……実は狙ってたんじゃ(殴り
それと、最近は暖かくなって来ましたが気温の変化にはお気を付けてください……
以上、第16話
喜びそうな物〜初めての〜
ありがとうございました!
次回もよろしくお願いします!