涙の訳
初投稿なので、かなり辛かったですね。自分なりには、頑張りましたが、もっと長く書きたかったですね。こんな恋をしてみたいと思ってくれると幸いです。
風が目の前を通り過ぎる。僕は、反射的に目を閉じる、そして、再び開くと10歳位の少女が立っていた。 びっくりして思わず息を飲んだ。
「誰?」
少女が小さな唇で呟く。驚きのあまり何も言えないでいると、再び
「誰?」
と聞かれた。 「青山 武って言うんだけど、お嬢ちゃんは?」
「フーン、私は木下 由紀、宜しくね」
いたって普通の挨拶をする。少女は、じろじろとこっちを見て、にっこり笑い、お辞儀をして向こうへ行ってしまった。 それから、いつもの見馴れた風景が、新鮮に感じられるようになった。
それからというもの、一日中、少女のことを考えてしまっている。
ぼーっとしながら、歩いていると、少女に会った場所に再び来てしまった。
『何しているんだろ、俺』そう思い、帰ろうとしていると、
「青山 武さんですか?」と後ろから話かけられ、驚きながら振り向くと、60歳位の紳士のような老人が立っていた。
「あっ、はい」
気の抜けた返事をした
「突然で申し訳ありませんが、由紀お嬢様にもう一度、会って頂けないでしょうか?」
状況が全く把握できていなかったが、会いたいという気持ちが大きかったので、会いに行くと即答した。連れていかれてみると、豪邸としか言えない家があった。唖然としていると案内役のような人に奥へと急かされる。大きな部屋に出た。そこには、家具が殆どなく、有るのはベットだけだった。ベットに近寄ってみると、誰かが眠っていた。誰だか分からなかったというより、分かろうとしなかった、分かりたくなかったのだ、少女がこの前に、会った時とは別人のようにガリガリに痩せ細ってしまっている現状を見て・・・
何故だか涙が止まらなかった。
そして、今気づいた。
私は、彼女に恋をしていたのだと・・・




