ようこそ、知らない世界
どうも、初めてこういう物語を書きます。ゆっくり、気軽に見てくださいね。
「暑い…」
私はそう呟いた。最近、地球温暖化とかなんとかってよく言われているが、本当にその通りなのではないかと思うくらい暑かった。
「テーピングと冷却スプレーを買ったし…早めに帰らないと先輩達に怒られる…けど…」
このままだと熱中症になってしまう、そう思った私は一人で近くの自動販売機で缶のスポーツ飲料を買い、横にあったベンチで少しだけ休憩を取ることにした。
目の前には遊具があり、子供達が遊んでいる姿が目に入った。
「こんな暑さでも、子供は元気ね…」
その光景を眺めながら、一息ついてると私の足元にボールが転がってきた。どうやら、サッカーをしている子がいるらしい。
「すみませーん、それこっちに投げてくださーい」
生憎、こちらからそちらには中々な距離があるらしい。流石にノーバウンドで返すのは難しいかなっと思いながら少年に向かって思いきり投げた時
サッカーボールが弾け飛び、爆発した。
「え…?」
サッカーをしていた少年達が驚いている。そりゃそうだ、私だって凄い驚いている。そのまま私が固まっていると、ボールを拾って欲しいと頼んだ少年が凄い勢いで駆け寄ってきた。
「あの、今のどうやったんですか!?」
「そ、それは…私だって聞きたいというか…とにかくごめんなさい!」
少しバツが悪くなった私は荷物を持ち、急いで公園を出た。
今のは一体何…!?私が力を入れすぎた?そんなはずはない、サッカーボールがそんなので破れたら試合になんてなるわけがない!
頭の中がグルグルと駆け巡っている内に…不意にズキンと後頭部が痛くなった。
「っ…!?一体なんなのよこれは…それにここは…どこ…?」
どうやら、道を間違えてしまったらしい。急いで戻らないと…
けれど、いくら道を戻っても…元の公園にたどり着くことはなかった。
「はあ…はあ…一体、どうなってるのよ…まさか、神隠しにあったとか…まさか、ね…」
呼吸が浅くなり、考えるのも億劫になる。元々、あまり長い距離を走るのは苦手だ…早く、早く…帰らないと…先輩に…
再び、後頭部に痛みが走り…私は、気を失った
「っ…いたた…ここは…?」
次に目が覚めると、私は見慣れない場所…というか、部屋の中にいた。
「やあ、お目覚めかい?」
怪しげな服を着た男が急に現れた。いや、今までそこにいたのに存在が気づかなかったと言うべきだろうか。
「…あなたは誰…?それと、何のつもりで私を誘拐したの…?」
「おっと、誘拐なんて人聞きの悪い。ただ僕は君を連れ戻しに来ただけだよ。」
連れ戻す…?一体どこに、私には学校がある、家にお父さんもいる。それなのにどこに…
「何を言ってるんだって言いたそうな顔をしているね。いいよ、教えてあげる。君は…君と母親はこの世界にいてはならない人なんだ。」
「え…?何を言ってるの…この世界にいてはならないとか…もしかして、私を始末しに来た殺し屋、とか…?」
「違う違う、僕は神様さ。君の母親は何かの間違いでこの世界に来た。そして、こっちの世界の人間と結ばれ、君を身籠った。それだけなら良かった。魔法を使わなければ一般人と同じだからね。けど、君の母親は君を救うために魔法を使ってしまった。だから、元の世界に帰ることになった。」
「ちょ、ちょっと待って!そんないっぺんに言われても頭が追いつかない…!つまり、魔法を使わなければこの世界にいてもいいってことよね…私は魔法なんて…あ…」
つまり、サッカーボールが破れたのは…魔法だったということだ。まさか、そんなことが…
「その様子だと、気付いたようだね。そうさ、君はその女性の子供。魔力が宿っていても何もおかしくはない。さあ、元の世界に帰ってもらうよ。
「元の世界ってどこへ…!?そ、それに…お父さんや学校の人はどうするの!?」
お父さんを独りになんて出来ない。そう思い、私は神様と名乗る男に尋ねた。
「君は死んだことになるよ。つまり、君の父親は一人ぼっちだ。これが、異世界の人と関わるってことなんだ。」
「そんなのって…!そんなのあんまりじゃない!お父さんはお母さんがいなくなっても頑張って私を育ててくれたのに!」
「うるさいな…君はもうすぐ向こうの世界に行く。こちらの世界のことは全て忘れるんだ。一応、向こうの世界で会話できるようにしてあるから、それじゃあ…戻ろうか。」
「待って!そんなの…そんなの…!」
言葉を発しようとしたその時、私の意識は、再び失った