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第6話 はじめての音楽室 ☆

 その日の放課後……。

 帰りのショートホームルームを終えると、新入生たちは廊下に貼ってある部活勧誘ポスターを見ている。

 そんな中でザークとレイム、ラーグの3人は音楽室の場所を訊きながら、向かっていた。


「そこは職員室だろう?」

「うん。その隣は職員玄関だね」

「あっ、階段があるよ」

「本当だ! 上ってみよう!」


 彼らは階段を上り、2階に着く。


「あれ?」

「化学室? 生物室?」

「理科関係の教室みたいだね」


 その階にあった部屋は化学室や生物室などといった理科の授業で使う教室といくつか小部屋があるだけである。


「どうしたの?」


 教室棟からつなぐ渡り廊下から女性の声が聞こえてきた。

 その声はザークにとっては聞き覚えがあり、「あ、あの時の……」とぼそっと呟いた。


「あれ? 入学式以来だね」


 彼女はザークに気がつく。

 その時、彼は彼女が覚えていてくれたと思うと心の中でどや顔をした。


「覚えてくれてたんですか?」

「うん。覚えてたよ。ところで、みんなは部活の見学?」


 彼女は3人に問いかける。


「ハイ!」

「あの……音楽室に行きたいのですが……」

「ちょっと、場所が分からなくて……」


 ラーグ、レイム、ザークの順に答えた。

 それを聞いた彼女は「音楽室? 私も行くけど……」と言う。


「本当ですか?」

「行きます!」

「せっかく、吹奏楽部の見学にきてくれるんだもん。サービスしないとね! あと、2階は理科関係の教室しかないからね。音楽室はこの上の3階にあるよ」

「「ありがとうございます」」


 彼らは3階まで上ると、黒い大きなドアが現れた。


「ここが音楽室だよ」

「ドアが大きいですね」

「一応、防音になってるはずだからねー。あれ? まだ準備中かな? ちょっと見てくるから待っててね」


 彼女は少しドアを開け、音楽室に入っていった。



 ♪



「こんにちはー。って、いくらなんでも少なくない?」


 彼女が音楽室に入ってくると、そこには3人の女子部員が準備をしていた。


「ロゼー。今日はみんな、くるの遅くなるって」

「ロゼさんだ!」

「こんにちは!」


 彼女らはロゼと呼ばれた女子生徒に挨拶をしたりする。


「ホイ、こんにちは。リヴァルとオペラ、アールだけ?」

「今のところは。あとからぞろぞろくるんじゃないんかな?」

「そうなんだ……。実は新入生の見学者がここにくるのに迷子になってたから連れてきたんだよね……」

「本当?」


 ロゼとリヴァルが話していると、少し離れたところで準備していたオペラとアールが近づいてきた。


 「何人ですか?」「男子ですか? 女子ですか?」と彼女らは彼女に質問する。


「男子が3人だよ」

「男子がいると助かりますよね!」

「私たちがティンパニを持つと大変ですからね」

「一応、入ってもらおう? せっかく、ロゼが連れてきてくれたんだしね」

「分かった」



 ♪



 その頃、彼らは3人で通っていた中学校のことなどといろいろな話をしていた。


 音楽室のドアが開くと、彼女がひょこっと顔を出した。


「よかったぁ。他のところに行っちゃったかと思ったよ。人数は今のところはかなり少ないけど、どうぞ」

「「ハイ、失礼します!」」


 彼らは高校に入学してはじめての音楽室に入っていったのであった。

書きおろしエピソード


2016/07/23 本投稿

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