第三話「そして、旅立ち」
女の消え去った路地裏に、以龍と少年が残される。
少年が以龍に向かって歩いてくる。
「助かったね、兄ちゃん。あのままだと、兄ちゃん、斬られてたよ?」
以龍とは初対面のはずなのに、少年は気さくに話しかけてくる。
だが、以龍は少年に気を許してはいなかった。
「お前は何者だ?」 以龍のこの問いは、とても子供に向けて言う言葉には思えない。
「何者って……、! ああ、名乗れってこと? おいらは――」
「そうじゃないっ。――お前、さっきの女とどういう関係だ?」
「はい?」 少年は明らかに『何のこと?』といった表情を浮かべている。
「……お前、『ラビッシュ』っていう名前だろ?」 以龍は女の呟いた名前を口にする。
「! なんで兄ちゃん、おいらの名前を知ってんの?」
「やはり、か……」
「だ、だからなんでおいらの名前を――」
「さっき、お前が乱入した時にあの女が呟いた」
「さっきの姉ちゃんがおいらの名前を呟いた?」
「ああ。悲しげな表情を浮かべながらな」
「ちょ、ちょっと待ってよ。おいら、本当に知らないんだよ」
「じゃあ、何故あの女はお前の名前を口にした?」
「……それは多分、ここがガルラだからだと思うよ」
「? どういうことだ?」
「ここじゃあ、おいらはちょっとした有名人だってこと。――兄ちゃんは知らないみたいだけどね」
「……本当に、無関係なのか?」
「さっきからそう言ってるよぉ」
「そうか……。いや、悪かったな」
以龍の謝罪の言葉に、少年が笑みを浮かべた。
「悪いと思ったんならさ、おいらのお願いを聞いてもらえるかな?」
……嫌な予感がした。だが、この申し出を無視することは出来なかった。何故なら――
「賢明な兄ちゃんならわかってると思うけど、一応、おいらは兄ちゃんの恩人になるんだよ? ……あの状態から自力でなんとかできたなんて、思っていないよね?」
何故なら、ラビッシュは命の恩人ということになってしまったからだ。
「とりあえず、話だけは聞こう」
「その前に自己紹介。おいらはラビッシュ――って、名前はもう知ってるよね? まぁ、『ラビ』って呼んでくれていいよ」
「ラビ、ねぇ……」
「で、兄ちゃんの名前は?」
「以龍 渚」
「なぎさぁ? なんか、女みたいな名前だなぁ」
「ほっとけ。……ったく、最初に俺が名前を聞いたときと全く同じ反応をしやがって」
ラビッシュが路地から少しだけ顔を出し、ガルラの東門をのぞきこむ。
ラビッシュの頼みを聞いて、東門付近まできたのはよかったが、ラビッシュが路地から出ようとしないのだ。
「町を、出たい?」 以龍はラビッシュの言った言葉を繰り返した。
ラビッシュが以龍に頼んだこととは、ラビッシュが町を出るのに協力してほしいということだった。
「町を出たいなら、勝手に出ればいいだろう? ここは、門を設けてはいるが、出入りは制限してないみたいだぞ?」
「それは兄ちゃんが大人だからだよ。――おいらみたいな子供じゃ無理。門を出たところで、兵士に保護されて町に連れ戻されちゃうよ」
「それで俺に保護者を偽れ、と」
「さっすが兄ちゃん。話が早いね」
路地を通り、以龍とラビッシュは東門の付近まで来たのだが――
「――で、お前はいったいなにがしたいんだ?」
路地から出ようとせず、門を眺めるだけのラビッシュに痺れを切らし、以龍がラビッシュに問う。
「今はまずいんだよぉ……」
「まずい?」 以龍も東門をのぞき込んでみる。
交代かなにかなのだろう。東門の門番の兵士と、もう一人が話し込んでいる。
そのもう一人の方に以龍は見覚えがあった。
「あれは確か、近衛の――」
そこにいたのは、先ほど城の前であったエリザだった。
「!? 兄ちゃん、エリ――彼女を知ってるの?」 名前を言いかけて言い直す。
「? ――俺は、さっき城の前で会ったばかりなんだが……、お前はなんで彼女を知ってるんだ?」
「え、えーとそれは、……ほら、さっき言ったでしょ? ここじゃ、おいらはちょっとした有名人だって言ったでしょ? ――おいら、彼女にちょいと目を付けられているんだよね。だから、姿を見られたら多分、捕まっちゃうんだよ」
「捕まるって、お前、いったいなにしたんだよ?」
「あ、安心して。悪いことなんてはしてないから。……ただ、ちょっといたずらが過ぎた程度ってだけだから」
「近衛まで聞き渡るいたずらって、いったいなにをしたんだよ……」
「と、とにかく、東門は諦めよう。ちょっと遠回りになるけど、南門から出て、東に大回ろうよ」
応接間の長いソファーを占拠するように、そこでリネクが横になっていた。
扉が軽く二回叩かれる。一瞬の間を置いて、扉が開かれる。
「お待たせしてすみません、リネクさん」
入ってきたのは、高貴な姿をした三十代前半くらいの歳に見える男だった。
「やっと来たか」 悪態をつきながら、リネクが起き上がる。
思えば妙な光景だ。年上の、身分の高い男が、年下に見えるリネクに敬語を使い、そのリネクが上からの立場でものを言う。
「久しいな、ラーン。……で、いつまでそんな堅っ苦しい態度でいるんだ?」
「それだけ私も歳をとったということです。歳をとることのない、リネクさんとは違いますよ」
ラーンと呼ばれた男は、扉を閉め、リネクのいるソファーの向かいに座る。
「……渚さんが一緒だとお聞きしましたが?」
「悪いな。今の以龍はまだ、あの『時』から帰ってきた以龍ではないんだ。――だから、まだあの時のことは知られたくない」
「狂竜風、ですか?」
「ああ。――特に、あれに以龍が関わっていたことは、絶対に知られたくないことだ」
「リネクさん、あなたは渚さんのせいで狂竜風が目覚めたと思っているのですか? あれは――」
「ラーンっ! ……狂竜風を目覚めさせたのは俺だ。以龍にはいっさいの責はない」
「それは違いますよ、リネクさん。狂竜風が目覚めてしまったことに、渚さんもリネクさんも責を負う必要はありません」
「ラーン……」
以龍とラビッシュは南門付近にやってくる。
ごく自然に通行人の兄弟を装い、南門に向かって歩いていく。
ラビッシュが南門の兵士の姿を確認して笑みをこぼす。
どうやら自分と面識のない兵士だと確信したのだろう。
もうすぐ、門に差し掛かる。――その時だった。
「あれ? 以龍様?」 背後から男の声。
振り返ると、そこには城の門番の兵士の姿があった。
「ん? あんたはたしか、城の門番をしてた兵士だったな?」
「あ、はい。その節は失礼をいたしました」
以龍は兵士と会話していて気づかなかった。
さっきまで笑みをこぼしていたラビッシュの表情がこわばっていくことに。
「ところで以龍様はこれからどちらへ? このあと、城に招待されていたのではありませんか?」
「あ、ああ。ちょっとな」
と、兵士が以龍の連れに気づく。
「そちらの方は?」
兵士とラビッシュの目があった。
その瞬間、兵士の顔が青ざめていく。
「ラ、ラビッシュお――」
兵士が言葉を言い終える前に、ラビッシュがなにかを投げつけた。
以龍の目に、その飛来する何かがうつりこむ。
それはカードのようなものだった。そして、そのカードには霧に包まれる街のイラストが描かれている。
カードが、兵士に命中する寸前で粉々に弾け飛ぶ。
すると、弾けたカードから濃い霧が発生し、爆発的に広がっていく。
あっという間に、南門の周辺は白い霧の世界に姿を変えた。
通行人や兵士たちが混乱し始める。
ざわめきつつある白い世界の中で、何者かが以龍の手を取り、その手を引いて走り出した。
「ラーン様、大変です」
扉も叩かずに兵士が慌てて応接室に入ってくる。
「客人の前ですよ、何事ですか?」
……客人っていっても、リネクはそんなことは気にしないでしょうね。
「申し訳ありません。しかし、緊急事態につき――」
「俺は気にしなくていい。で、なにをそんなに慌てている?」
「はっ。――何者かが南門付近で霧の魔法を発動させたようで、現在南門周辺で混乱が起こっています」
「霧の魔法、ですか? ――リネクさん、屋上の方に行きましょう。とりあえず、事態を確認しましょう」
「おいおい、随分とのんきだな? いいのか、指示とかは出さなくて」
「大丈夫です。――現場には誰が向かいました?」
「エリザ様、他数名が向かっております」
「では、現場の方はエリザに任せましょう。――ご苦労でした、職務に戻ってください」
「はい」 報告の兵士は持ち場へと戻っていった。
ラーンとリネクが城の屋上に続く階段を上り、ラーンが屋上の扉を開ける。
扉を閉め、屋上の端まで歩くと、問題の南門付近の光景が見渡せた。
それはまるで、南門付近に雲が落ちてきたような光景だった。
「こいつはひどいな」 リネクがその光景を見るなり言葉を漏らした。
だが、ラーンはその光景を目にしてため息を漏らした。
「おいおい。一国の主が自国のいざこざに、ため息はないだろ? そりゃ、面倒なのはわかるが――」
「あ、いえ。そういうつもりではなかったのですが……」
「? じゃあ、どういうつもりのため息だ?」
「リネクさん、あの霧の魔法はラビッシュの――」
ラーンの言葉を遮るように、屋上に続く階段の扉が音を立てて開いた。
「ラーン様、ここにおられましたか」 現れたのは、エリザだ。
「あれ? 嬢ちゃんはあの騒ぎの様子を見に行ったんじゃなかったのか?」
「その事で、至急にお伝えしたいことがあります」
「あれはラビッシュの仕業だと言いたいのでしょう?」 ラーンはエリザにすぐそう言い返した。
「なるほど。さっきのため息はそういうことか。嬢ちゃん、ラーンはもう事態を把握して――」
「いえ。伝えたいことはそれだけではないんです」
「それだけでは、ない? ――どういうことですか、エリザ?」
「そ、それが……。その場にいた者の話では、ラビッシュ様が以龍様を連れて南門から町を出たと」
「以龍を連れてでた!? なんでそこで以龍が出てくんだよ?」
「わ、私にもわかりませんよ」
すると、ラーンが真剣な表情で話を切りだした。
「リネクさん。あなたは渚さんが本来の時間に戻りたいと言っていた理由は覚えていますか?」
「なんだ突然? そんなことより、いまは以龍たちを追う方が先だろ?」
「……リネクさん。あなたに頼みたいことがあります」
街道を駆け抜け、城下町の門が見えなくなった場所で、以龍の手を引いた人物――ラビッシュがようやく足を止める。
「ここまでこればもう追いつけないでしょ? 兄ちゃん、脱出成功だよ?」
「……なんつうことをしてくれたんだ、お前は」
「だってぇ……」
「だってぇ、じゃない。これでもう俺一人では町に戻ることは出来なくなったわけだ」
「え? どういうこと、兄ちゃん?」
「俺に王子誘拐の嫌疑がかかったってことだ」
「! ……兄ちゃん、おいらのこと知ってたの?」
「知らなかったさ。あの霧の中で兵士が騒ぎだすまではな」
「あっちゃぁ……」 ラビッシュが頭を抱える。
「さぁ、戻るぞ。今ならまだ言い訳が出来る」
「やだよ。せっかく町を出たっていうのに、なんでまた戻らなくちゃならないのさ?」
「俺を巻き込んでおいて、よくそんなことが言えるな? ――言っとくが、こんなことになっては、恩人がどうとかの問題じゃあないぞ?」
「……おいらは絶対に戻らないからね」 そういうと、ラビッシュは突然に走り出した。
あっという間にラビッシュの姿が遠くなっていく。
「あ、おい、待て。お前がいないと話にならん」 慌ててラビッシュを追いかける。
「ここか」
さっきまでガルラの城にいたリネクが、なぜか朽ちかけた小さな祠の前に立っていた。
『頼みというのは、今からある場所に行って確かめてほしいことがあるのです』
『今すぐにか? また、お前にしては随分と急な頼みだな?』
『嫌な予感がするのです。……十数年程度でアレの封印が解けるとは思いませんが、もしあの時の渚さんが言っていた「許せない奴」というのがアレのことだとしたら――』
『ラーン、お前はいったいなにを封印したっていうんだ?』
『リネクさん。……もしあなたが死体を必要とすることがあるとすれば、どうやって調達しますか?』
『何だ、突然? ――まぁ、それだったら墓でも荒らした方が早いだろ?』
『普通はそう考えますよね?』
『おい。その言い方だと、普通じゃない答えがあるってことになるぞ?』
『アレはそうは考えませんよ。アレは私に向けて言いました。そこらじゅうに死体の元が歩いているって』
『……狂ってやがるな』
『そういう奴です。アレは――グローニは』
「ラーンの嫌な予感は的中してたってことか」
朽ちた祠の中には、割れた水晶がまつられていた。
「……これは封印が解けたというよりは、朽ちて封印水晶ごと祠が壊れたってとこだな。――封印が何十年もとうが、祠自体がそう長くはもたなかったらしいな」
一度はラビッシュの姿を見失った以龍だったが、街道の先に立ち尽くすラビッシュの背中が見えてきた。
「――やっと追いついた。おい、どういうつもりだ? お前がいなければ俺は町に戻ることが出来ないんだぞ?」
「……」 ラビッシュからの返答はない。
「おい、聞いてるのか!?」 以龍がラビッシュの肩をつかむ。
ラビッシュが振り返る。――と、ラビッシュの顔面に何かがへばりついていた。
「兄ふぁん。ふぉれふぉって(これとって)……」 へばりついた何かのせいで、ラビッシュの声が聞き取りにくい。
へばりついた何かの背中には小さな翼と短い尻尾が見える。大きさは人間の赤子程度。ラビッシュの頭部を覆うようにへばりついている。
「……なに、やってんだ、お前は?」
「ふぉんふぁのふぉいふぁらってふぁかんふぁいふぉ……」
「言ってる言葉が全く聞きとれん……」
以龍はラビッシュの顔にへばりついている生物に手を伸ばした。
生物を掴むと、翼や尻尾をパタつかせ生物が暴れ出す。
「いたいいたいいたい」 ラビッシュが痛みを訴える。
どうやら翼や尻尾を動かすだけではなく、ラビッシュ側では爪を立てているようだ。
実際に聞こえたわけではないが、「ポン」というような感覚と同時に、生物とラビッシュが離される。
以龍の腕に抱えられた生物は、さっきまでとは違い、まるで借りてきた猫のように急におとなしくなっていた。
その生物に以龍は見覚えがあった。
小さなドラゴンの子供――そう、ギルテで以龍が逃したあの幼竜だ。
「……ったく、なんなのさいったい? ――ん? 『フォルセティ』の幼竜?」
「フォル、セティ?」
「あれ、兄ちゃん? そいつってフォルセティじゃないの?」
「いやいや。急にこの世界の生物の名前を挙げられても、どう反応していいかわからねぇよ」
「!? ――もしかして兄ちゃんって……、時人?」
「ああ。そうらしい」
「ありゃりゃ、簡単に認めちゃうんだ」
「? どういう意味だ、それは?」
「――ま、おいらは良い時人もよく知ってるから、気にはしないんだけどね、――兄ちゃん、自分が時人っていうのはなるべく伏せておいた方がいいよ?」
「どうしてだ?」
「時人を良く思っていない人間は多いんだよ。――そもそも、時人には悪人が多いんだ」
「悪人が多い?」
「時人って、別の世界から突然やって来た人間でしょ? そういう人がこの世界で生きていくのに一番てっとり早い方法ってなんだかわかる?」
「……そういうことか」
「そういうこと。おかげで時人ってだけで睨まれることも少なくないんだよ。――おいらは物事を大別して考えるのはどうかと思うんだけどね」
「全ての人間がお前のように割り切って考えてはいないってことか」
以龍の腕に抱えられている幼竜が、突然に以龍の頬をなめる。
「キュウ?」
以龍の沈んだ気持ちを察して慰めてくれているのだろうか?
「……やっぱ、兄ちゃんは良い人だね。ドラゴンに好かれるなんて珍しいよ」
「ありがとな。……『セティ』」
「キュウン?」 自分が呼ばれたことを察したのだろう。幼竜が以龍と目を合わす。
「フォルセティだからセティって、なんか安直すぎない、兄ちゃん? ……! って、名前を付けたってことはもしかしてそいつ、連れていく気なの?」
セティが翼をパタつかせる。以龍はそれに合わせてセティを腕から解放する。
ふわふわと浮かびながら、セティが向かっていった先は――
「ちょ、だからなんでおいらの顔に張り付こうとするのさ?」
張り付かれないように必死に抵抗するラビッシュと、何度も張り付こうとするセティ。
しばらくの攻防の末、セティはようやくラビッシュの頭の上に落ち着いた。
「……でも、兄ちゃん、どうすんの? さすがにこいつは城の中まで連れていけないよ?」
「なんだ、お前? 結局城に戻るのか?」
「結局って……、だって仕方ないじゃん、おいらがいないと兄ちゃんは城に戻れないって――」
「そうか。いや、残念だな。どうせこの後――城で一晩過ごした後は、どこに向かうかは決まっていなかったから、このまま旅に出ても、少し予定が早まる程度って考えて始めていたんだが……、お前が城に帰りたいって言うなら、仕方ないよな?」
「! ちょ、ちょっと待った。――港だよ、港。おいら、港に行きたい」
「港?」
「そう、港。――言っとくけど、船を眺めにいくんじゃないからね?」
「そりゃ、そうだろうな。……早まっちまったかな? 俺の判断」
「いまさら言った言葉は飲み込めないからね、兄ちゃん。――じゃあ、行こうか。港は東だよ」
「キュウキュウ」
「……まぁ、いいか。こういうのも」
リネクがガルラ城に戻ってくる。
「ラーンを呼んでくれ。頼まれた調査の報告だ」
ラーンはすぐにやってきた。そしてリネクを応接間ではなく、自室へと通した。
「悪いが、残念な知らせだ。グローニとかいう奴の封印は解けていた。封印効力うんぬんの前に、まつってあった祠が崩れていた。その拍子で中にあった封印水晶が割れたんだろうな」
「……そうですか。リネクさん、ありがとうございます。……しかし、だとすると、このままではマズイことになりますね」
「? 封印が解けたのは多分、昨日今日の話じゃないぞ? それで今日までなんの行動も示さないって言うなら、そのグローニって奴、案外どっかでくたばっちまったんじゃねぇか?」
「アレはそんなに甘くありませんよ。いずれ必ずアレはここにやってきます。……今、私に出来ることは、その時の対策が後手に回らないようにすることです」
「……俺に出来ることがあれば、力を貸してやるぞ?」
「本当ですか、リネクさん? ……あなたほどの時人が力を貸してくれるのであれば、頼もしいことこの上ありませんよ」