13 白い翼
テリルに初めて出会った時、スィンザは、飛び跳ねそうになるほど驚いた。
目の前にいる白い髪の少女は、昔自分がなりたかった姿そのものだったからだ。
この世界の人間は、そのほとんどが十歳前後で、ゲート・オブ・ソウル(魂の門)を初めて開く。
それまでは、何人でもないただの人間であり、魔法も使えない。
スィンザもゲート・オブ・ソウルを開く前は、黒髪で、髪の中に羽根も混じっていなかった。
ただし、生まれつき門を開ける者もいる。
だが、ほとんどの者は魔法の危険性や、魔法関連の簡単な法律を理解できるようになるまで、門を開いてはいけないという教育を受ける。
スィンザは、灰色の翼を得るまで、白い翼の小鳥の魂を得たいと、毎日神に祈っていた。
憧れの英雄と同じ、白い翼を。
そして憧れの英雄と同じ、小鳥の魂を得たいと願い続けていた。
もし、あの願いが叶っていたならば、スィンザは、あの白い髪の少女と同じ姿をしていたかもしれなかった。
テリルと出会ったのは、今から四日前のことだった。
黒い森から帰還したスィンザが、トライホーンの拠点の扉の前でうろうろしているテリルと出会った。
「あ、あのお姉さんは、チームトライホーンの方ですか?」
「……あっ……はい。一応、所属しています。どうされました?」
「わたし、ボーダーガーディアンになりたくて来た者なのですが、どうしたらいいんでしょうか? 街の案内所には、トライホーンがいいとオススメされたんですけれども!」
テリルは緊張した様子で要件を述べた。
(そういえば、ガーディアンになる人たちって、どうやってチームに入るんだろう?)
特殊な経緯でチームに所属することになったスィンザには、飛び込みの入隊希望者への対応がわからなかった。
「とりあえず中に……いやまって。認識票がないと中には入れないよね。どうしよう」
「あ、あのやっぱり飛び込みって良くないんですかね?」
「……いや、どうでしょう。熱意は伝わるとは思いますけど……」
「はい! 熱意と魔弾銃の腕には自信があります!」
「魔弾銃……」
(ああ。ここまで完璧だと嫉妬心も起こらないんだね。これが完全敗北。この子は、私が欲しかったものを全部持ってるんだ。神様ってやっぱり、いじわるなんだ……)
スィンザは、ゆっくりと目を閉じた。
(でも、この子が悪いわけじゃない。ただ私の願望が叶わなかっただけ)
自分の醜い感情に蓋をするように。
「……一人でここにいるのは危ないので、チームのリーダーが来るまで、一緒に待ちます。リーダーは地上最速(自称)なので、もうすぐ来ると思いますよ」
「え⁉ いいんですか? ありがとうございます! 本当は心細くて、寂しかったんです! わたし、テリルです。よろしくお願いします!」
テリルは、可愛らしい笑顔を見せると、深々と頭を下げた。
「私はスィンザです。こちらこそ、よろしくお願いします」
スィンザは、刀の鞘を両手で持つ鳥人剣士式の答礼をして頭を下げた。
その後二人は、拠点の壁を背にして並んで座った。
「お姉さんって何歳ですか?」
「私は今年で十六になりました」
「うぇええっ⁉ 同い年⁉」
「え⁉ テリルさんも十六歳?」
「大人びてる。二十二歳くらいだと思ってました」
「そ、そうですか? あ、でも老けて見えるから、もっと笑えって言われたことがあります」
「それって、ひどくないですか?」
スィンザは、ディアー・アントラーズに来てから、周囲に壁を作り続けている。
そんなスィンザがテリルとは、なぜか気楽に話をすることができた。
「……スィンザさん。そういえば、お揃いですね」
テリルは、自分の頭の白い羽根を摘まんで軽く振って見せた。
「そうですね。このピアス、私の一番のお気に入りなんですよ」
スィンザも自分の白い羽根のピアスを摘まんで、揺らして見せた。
この二人が友人同士になるのに、時間はかからなかった。
――もしもこの二人が何者でもなかったとしたら、この友情はどこまで続いたのだろうか。
勝手ではございますが、この作品の投稿を打ち切らせていただきます。
読んでくださっている方がおられましたら、誠に申し訳ございません。
ウェブ小説の難しさを痛感致しました。
小説投稿サイトの仕組みをようやく理解した結果、無名作者の2サイト同時投稿は、厳しいものがあると自覚し、他のサイトでやっていく決断をしました。
前作にて、評価を付けて下さった方がおられました。
その方の下さった評価に報いたいと、今作を書きましたが、それは飛んだ思い違いでした。
評価を下さった方に報いるのであれば、自ら動くべきだったのです。
それがウェブ小説を書く、無名作者のやるべき行動だったのだとようやく理解しました。
無能な作者です。誠に申し訳ございません。




