キーした あけた
涙は沸騰して
蒸発したこれらは不安定な気流を生み出す
見上げていると、甘く声をかけられた
「大丈夫?」
「大丈夫」
ぽっかり空いた斜め下に返事した
しっかりと足跡をつけたつもりだった
自分がどこから来て、どこへ向かおうとしているのかが分かるように
しかし、思いのほか遠くまで来たみたいだから
一番初めの足跡は、すっかり見えなくなった
土煙と埃っぽい匂いが鼻をくすぐり
くしゃみした
冷えた願いに
温かい息を吹きかけたら
錆びた鍵も
綺麗になるのだろうか
私の町には風見鶏があった
風が強くとも雄々しく向かっていく
私はそれに見送られて
踏みつけられて舞ったあの砂と
思い出共に、北に流れる