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(完結保証)全年齢版【絶対俺だけ王様ゲーム】幼馴染み美少女達と男俺1人で始まった王様ゲームがナニかおかしい。ドンドンNGがなくなっていく彼女達とひたすら楽しい事する話(意味深)  作者: かくろう
特別編 夢を勝ち取る冬(全5回)

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79/134

幕間4/5 飛べ!早く、強く、誰よりも高く

 二戦目の相手は、関西のスピード重視チーム。

 序盤から速攻を仕掛けてきて、正直ついていくのがやっとだった。


「っく……速ぇ!」

 ドリブルで抜けることはできても、戻りが間に合わない。体力がまだ完全に戻ってないのを自覚する。足が鉛みたいに重い。


 そんな時、ベンチ席の声が飛ぶ。


「れー君、ファイトっ♡」杏奈の声は、観客席のざわめきの中でも耳に届く。

「れーじくん、深呼吸して! 吐いて、吸って~♡」ふわりの手が胸を押すジェスチャーをしている。

「レージ君、リズムを一定に! 焦らなければ抜けます!」鈴音は手を叩いてテンポを刻む。


 その三人の声で、不思議と視界がクリアになる。

 足は重いままだけど、頭は冷えてる。相手の速攻ルートが見える。――カット。速攻の芽を潰す。


 そこからは俺のターン。

 ドリブルで相手を翻弄し、スリーを沈め、味方に正確なパスを通す。チーム全体のリズムが立ち上がる。


 最終スコアは、10点差で勝利。

 まだ余裕はないが、「勝ち切れる」感覚が確かに戻ってきた。



 ◇◇◇



 三戦目は、東北の高さ重視チーム。俺より頭ひとつ以上あるセンターがゴロゴロ並んでいる。

 リバウンド勝負は分が悪い。でも――


「小さいのに王様!」

「天井に届かない大黒柱だ!」


 スタンドから聞こえてくるヤジ混じりの声。むしろ燃える。

「届かない天井なら、床から飛ぶだけだろ」ってな。


 ジャンプ。

 リング下で競り合う長身を飛び越え、リバウンドをもぎ取る。味方に即座にアウトレットパス。走り出す仲間の足がそろう。流れを作る。


 体力は限界ギリギリ。視界が揺れる瞬間もある。

 でも――


「れー君! ナイスリバウンドっ♡」

「れーじくん、もうちょっと! 水、後で絶対飲んでねぇ~♡」

「レージ君、あと5分耐えれば勝てます! 切り替えのスピードだけ意識を!」


 三人の声が網の目みたいに俺を支える。

 そしてチームメイトがしっかり噛み合ってくる。

 俺がドライブを囮にして外へ展開すれば、後輩がスリーを決める。俺が引き付ければ、同学年の仲間が中で合わせる。


 最終的には、相手の高さを走力で削り切った。

 点差は僅か5。苦しい試合だったが――勝った。


 ◇◇◇


 三戦全勝。

 これでベスト8入り、本戦トーナメントへ進出決定だ。


 会場アナウンスが響く。

「――高校、全国大会ベスト8進出!」


 観客席の声が爆発する。


「やっぱあいつ、引退してなかったのか!」

「ちくしょう、最後に全国でぶつかりたかったぜ!」

「お前がいないと、この舞台に残った意味がないだろ!」

「聞いたぜ、復帰したって! だから俺も引退撤回したんだよ!」


 敵校の選手や観客から、そんな声が飛ぶ。

 嫌味も悔しさも混ざってるけど――どの声も俺を認めてる。

 それがただ、嬉しかった。


 コートを下りる瞬間、杏奈・ふわり・鈴音の三人がチア姿で手を振ってくる。

「れー君っ、最高だったよっ♡」

「れーじくん、すっごく格好よかったぁ~♡」

「レージ君、誇らしいです!」


 胸の奥が熱くなる。

 ああ、やっと――本当に、戻ってこれたんだ。

 全国優勝を狙える位置に、立ってる。


 ◇◇◇


 相手は毎年ベスト4に残る常連校。全国区の知名度があるだけに、観客席の声援も桁違いだ。

「やべぇ、土峰だ!」「ほんとに零士復帰してるじゃん!」

 スタンドからは驚きと期待の入り混じった声が飛ぶ。


 試合開始直後、相手は零士に徹底マークを仕掛けてきた。ダブルチーム、トリプルチームまで当たり前。

 だが――今回は違う。


 夏から必死に練習を積んだ仲間たちが、零士が引きつけたディフェンスを見事に利用する。

「パス!」

 後輩がフリーで受け、鮮やかにスリーを沈める。

「ナイス!」

 声を掛け合い、流れを掴む。


 零士の中で、確信が芽生えていた。

(もう一人じゃない。俺が引きつければ、こいつらが決める)


 点差は最後まで開かず、まさに一進一退。

 だが最終Q残り10秒、零士はギリギリで抜け出し、スリーを放つ。

 ――ネットを揺らす音が響く。

 歓声が爆発し、準々決勝突破を決めた。


 観客席で杏奈・ふわり・鈴音が涙を浮かべながら跳びはねる。

「れー君、最高っ♡」

「れーじくん、鳥肌立ったぁ~♡」

「レージ君、記録します、“決勝級スリー”です!」




 相手は関東の強豪。高さと走力を兼ね備えたチーム。

 前半は互角だが、後半から体力差が露骨に出始める。


 視界が揺れる、足が重い。だが――ベンチからの声が届く。

「れー君! 私達がついてるよっ♡」杏奈が全力で手を振る。

「れーじくん、立て直そ~! 深呼吸~♡」ふわりの両腕が大きな円を描く。

「レージ君、残り8分! 全てを賭ければ勝てます!」鈴音の声が鋭く突き抜ける。


 仲間も必死だった。俺が倒れそうになるたび、スクリーンで守ってくれる。リバウンドに飛び込んでくれる。

 俺はただ、その想いに応えるだけだ。


 最後は意地のジャンプシュート。ブザーと同時に放ったボールがリングを貫いた瞬間、試合終了。

 土峰、決勝進出。


 コートに倒れ込んだ俺の肩を、仲間が、そして三人が支えてくれる。

(やっとここまで来た。あと一つ。あと一つ勝てば――全国の頂点だ)



 アナウンスが響く。

「決勝戦のカードは――」


 全国大会で名実ともに王者と呼ばれるチーム。

 挑む舞台は、もう夢でも幻でもない。


 スタンドで杏奈・ふわり・鈴音が横断幕を掲げている。

「れー君、最後まで走り抜けて!」

「れーじくん、全力で支えるからぁ~!」

「レージ君、勝ち取ってください、“全国優勝”を!」


 胸が震えた。

 俺は仲間と三人に支えられて、今ここに立っている。


 ――次は、全国優勝を懸けた最終決戦だ。






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