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2回目 その2

「じゃあ次はふわりちゃんの番ですよー。王様はこちらに来てくださいね~」

「え、お、おいちょっと」


 急激に体が浮遊感に襲われ、何かと持ったらふわりに持ち上げられていた。


 いわゆるお姫様抱っこという奴だ。


 突然の事で戸惑う俺にニッコリと微笑み掛けるふわり。まるで息の合うコンビプレイのように鈴音がタルトを差し出してくる。


「ふわわん、はいどーぞ」

「はーい。それじゃふわりちゃんが食べさせてあげるね~。はい、あーんして」


 まるで赤ちゃんに離乳食を与えるような格好で食わされそうになる。


「お、おおいふわり、流石にこれは恥ずかしいんだけど」

「いいじゃない。ほら、お口あーけて♪」


 ふわりもふわりで結構融通が利かないところがあるからな。


 こうなったらテコでも諦めないだろう。しょーがないので付き合うことにした。


「あ、あーん」


 甘いイチゴタルトの味わいを口の中で感じながら、頭上のふわりの満足気な顔に顔が熱くなる。


 これは想像以上に恥ずかしい……。


 あれだ。赤ちゃんプレイって奴だ。


「うふふ~。哺乳瓶とか持ってくればよかったかな」

「それはマジで勘弁してくれ」


 まだ自分の性癖もよく分からん童貞のうちに特殊な扉なんて開きたくないってばよ……。


 美少女ふわりの眩しい眉建ちを間近で感じてしまったら、妙なドキドキと共に性癖が完成してしまいそうで怖い。


「はい、もう一度あーんして♡」


「あ、あーん」


 疑似離乳食プレイがよほど気に入ったのか、上機嫌にタルトを運んでくる。


 その表情がめちゃくちゃ色っぽい。


 くっ、ダメだ。その扉は開いてはいけないっ!


 ばぶーっなんて言ってはいけないのだっ! 耐えろ俺っ、その領域は思春期童貞には早すぎるッ!


「フォークだと崩れちゃうね。手で食べさせてあげる。ほら、お口あーけて♪」


 ふわりのイチゴタルトは小さく切り分けるよりもデッカい塊を頬張った方が美味しい。


 上に乗った甘いソースに絡めたイチゴを、たっぷりのクリームチーズに絡めて食べるタルトはふわりの絶品お菓子の中でも群を抜いて俺の好物だ。


「ああ~んもうっ、れーじくんカワイイ♡ 食べちゃいたい」


 むしろこのまま食べられたいっ! いやいや違うぞバカもの。しっかりしろ土峰零士。


「ママって言ってみて」

「頼むから勘弁してくれ」


「ちぇー。じゃあ今度は私に食べさせて」

「お、おう。え、このまま?」


「うん、お願い」

「わ、分かった分かった」


 あれ……もしかして。


「ふわり、お前もストレス抱えてる?」


「えへへ、やっぱり分かってくれるんだぁ♡ 嬉しいなぁ」


「おわっぷっ⁉ 頬ずりするなって。むしろ気付くのが遅れてすまん」

「ううん、いいの。気付いてくれただけで嬉しいもん」


「ほら、ゆっくり食え。食い終わったらイヤな事吐き出せよ」


「あむっ、んむんむっ、うん、我ながら最高の出来だよ。あのね、昨日またスカウトの人がウチに来たの」


「スカウト、ああ。アイドル事務所の」

「そう。お母さんに渡りを付けてうちまでやってきてさ。何度も断ってるのにしつこくて」


 ふわりはこの長身と美貌、なによりバツグンのプロポーションを見込まれて何度もグラビアアイドルのスカウトを受けている。


 きっかけは母親が社長をしている会社のモデルのバイトをしたことだ。


 大分前のことだが小遣いほしさにジュニア下着のモデルをした時、そのあまりに美貌に目を付けた芸能界から何度もスカウトを受け始めたらしい。


 芸能界に毛ほども興味の無いふわりにとってそれは多大なストレスなのだ。


 というよりそのせいでふわりは極度の人見知りになってしまい、一時期そうとう人間関係に苦労している。


 この頃はかなり改善を見せていたのに、またぞろスカウトを受けてストレスが復活してしまったという事なのだろう。


「ほらふわり、お前のタルトは最高だぞ」

「うん、美味しいね。れーじ君のお手々で食べるともっと美味しい」


 恋人の甘いやり取りのように食べさせてもらって喜ぶふわり。

 ただし腕に抱えられているのは男の俺である。


 実にシュールな光景だ。



「ふわぁ、美味しかったぁ」


「はむはむ。鈴音もごちそうさまでした」


「ありゃ、鈴音は自分の分全部食っちまったのか」


「すみません、あんまり美味しくてつい」


「俺の分まで平らげやがって。後で食べようと思ってた分まで……」


 ホールの半分食っちまいやがった。



「まあまあ。また作ってくるからね」

「しゃーないな」



「それじゃ、次のターンいってみようっ!」


◇◇◇



「「「王様れーじ君♪」」」


 

「あ、今度は鈴音ですね~。皆さん、今回からルール追加しませんか?」


「いいよー。どんなの追加したい?」


「普通の王様ゲームと同じように、何番と何番が何々してくださーいみたいな、王様に何かする以外を出すのOKって奴で」


「なるほど。ゲームに幅が広がるね。どうかな、王様」

「ああ、いいと思うぞ」



「それじゃ決定ですね。えーと、それじゃあまず~。杏奈ちゃん、小道具の鞄、開けていいですか?」


「いいよー」


 杏奈の持ってきた大きめの鞄に手を突っ込み、なにやらゴソゴソと探り始める。


「じゃじゃーん、コイツを使いましょう」


「なんだそりゃ」


 なにやら取り出したと思ったが、それはいわゆる女の子がメイクで使う化粧ブラシだ。


「それじゃ今回は、王様と正室で、側室一番をこのブラシでこちょこちょしちゃいましょう」


「おお、なるほど。王様ゲームっぽいな」


「一番はどっちですか?」


「あ、私だ」


「ふへへへ、それじゃあ始めましょう。杏奈ちゃん、両手を上げて頭の後ろで組んでください。ホールドアップっ、みたいな感じ」


「えっと、こ、こうかな?」


「そうそうそんな感じです。それから膝立ちの方がセクシーでいいですね」


「うひぃ、ちょっと恥ずかしいね。なんかエッチだよぉ」


 杏奈の格好はアレだ。グラビアアイドルのセクシーポーズみたいだ。


 胸をグンッと張っているので大きな果実が「ゆさっ」と大きく揺れる。


「それじゃあハケを持って、まずは優しく撫でるように~」

「よし、こうだな」


「ひゃいんっ♡ はぅ、や、やぁ、くすぐったいよぉ」


「動かないでくださいねぇ。あ、ふわりちゃんタイマー動かしてください」


「はいはーい♪ 今から3分ねぇ」


「はうぅ、んっ、ひぅんっ、あひっ……んぁあっ、きゃははぁ、ぁ、らめぇ、くすぐったいよぉ」



 ゆっくりゆっくりと撫でるもんだから、かなり焦れているみたいだ。


 笑っているというより喘ぎ声を出しているみたいである。


 なんというか……エッチだ。


「はひぃ、はひぃ……もうらめぇ、くすぐったいよぉ」


 ジワリと汗が滲んで毛先がしとしとと湿り気を帯び始めたのが分かる。


「残り1分~」

「ま、まだ1分もあるの~?」


「それじゃラストスパートいってみましょう。ほられーじ君、セーラー服の袖から直接差し込んで脇の下をこちょこちょしてください」


「えっ、ちょ、ちょっとっ、リンちゃん、わたし脇弱いからっ」

「ぐへへへっ、正室の命令は絶対なのです。大人しくしてくださいね」


 季節は夏が終わったばかり。残暑が厳しい季節に来ているのは夏の制服である。


 半袖セーラー服は腕を上げると白い素肌がバッチリ覗けてしまう。


 お肌真っさらな脇の下が裾の中から覗き、しっとりと汗で濡れている。


「よ、よし……そお~と」


「ひゃいんっ♡ はひっ、くすぐったい……ぁひゅ、んぅう、きゃはははっ、さ、流石にそれはくすぐったすぎるぅ、あひぃい、んぁあ、あぁ、きゃは、きゃはははははっ、だめぇ、お腹痛くなってきたよぉ、もう堪忍してぇ、あひぃ、らめぇええ」



 ピピピピピッ


「はーい、3分経ちましたよー」


「はぁ~、はぁ~♡ はぁ~♡ く、苦しかったぁ♡」


 桃色の吐息を苦しげに吐き出す姿はひと言でいえば扇情的である。


 やっべぇ、エロいな杏奈の奴。初っ端からこんなドエロいシチュをぶっ込んでくるとは。


 鈴音の奴も中々やるじゃないか。


「それじゃあ次いってみましょー」


「ちょ、ちょっとまっれぇ……お腹苦しひくて……休憩させてぇ」


「あ、ごめんごめん。大丈夫ですか杏奈ちゃん」


「もうらめぇ……」


 桃色吐息の杏奈の復活までしばしの休憩となり、俺達の王様ゲームは静かな盛り上がりを見せていた。


 



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