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4回目 その3

「ふわぁ~、そろそろ眠くなってきたね」


「明日もいっぱい遊べるし、そろそろ寝よっか」


 王様ゲームも一段落し、そればかりでは飽きが来るだろうということでトランプに興じていた俺達。


 時間は既に深夜に差し掛かろうかという所だった。


 テレビもネットも付けずに過ごしてきたので時間が経つのが早く感じたな。


「じゃあお布団用意してくるね。せっかくだからリビングで一緒に寝よー」


「え、いや、俺は別部屋の方がいいだろ。さすがに一緒はマズくないか?」


「え~、れー君私達に何かするつもりなの?」


「つもりが無くても間違いが起こるかもしれないじゃないか」


「それなら鍵が付いてる部屋でもないからどこでも一緒だよー。私は気にしないからねー」


「り、鈴音も気にしないです。せっかくのお泊まり会なんですから、皆一緒でいいじゃないですか」


「ねー。れー君が頑張ってガマンすれば問題ないじゃない」


 むしろそっちの方が深刻な問題なのだが……。


 こんな無防備な女の子3人が寝てる密室で理性を保つ自信なんて無い。


「分かった分かった。布団は離して敷いてくれ」


「はーい♪」


 と、返事の良いふわりだったが、いざ布団を敷いてみると。








「なんで俺が真ん中なの?」


 合計四人なので真ん中というのはないのだが、俺の布団の周りに三人が陣取って囲んでくるではないか。


 右側に杏奈、左側に鈴音、俺の頭上にふわりと。


「お前ら夜中まで俺をおもちゃにするつもりだな」


「え~、そんなことないよー。小っちゃい頃のお泊まり会の時からこの位置だったじゃない」


 確かにそうだった。俺達は幼稚園の頃からずっと仲良しだった為、互いの家を行き来してのお泊まり会をよく実施してた。


 その時にどういうポジションで寝るかでよく三人はケンカしていたな。


 最終的に俺が真ん中になって、三人が順番にそれを囲むという形に落ち着くまでに何度も議論を重ねていたものだ。


 

 しかし、こうまでされてはもう覚悟を決めるしかない。


「分かった分かった。いつものポジションな。今日は誰が上になるんだ?」


「今日はわたしーっ。ねえねえ、ただ寝るだけじゃもったいないよ。パジャマトークしよ」


「さんせーっ♪ 夜はながいぞー」


 皆ノリノリである。まだまだ眠れそうもないな。ちなみに誤解しないでもらいたいが、上になるというのは頭の上ってことだ。


 2人が左右で川の字になり、あまった1人は俺の頭の上でまるまって寝るってことだ。


◇◇◇


「ふわー。なんだかんだ楽しかったねー。明日もまた遊ぼうね。あ、せっかくだから午前中はお出かけしない?」


「いいよー。どこにいく?」

「買い物に行きたいですねー。あ、そうだ。どうせならお出かけしながら王様ゲームしませんか?」


「え~、どうやるの?」


 確かに杏奈の疑問ももっともだな。外でどうやってやるんだろうか。


「クジはスマホのアプリで代用して、正室になった人が王様と手を繋いだり腕を組んだりできるんです」


「「ッ⁉」」


「リンちゃんっ! あなた天才ッ!」

「最高のアイデアだよ~」

「えへへ~、もっと褒めてください」


「よかったねれー君、明日もハーレム続行だよー」


「そ、そうだな。嬉しい限りだ」


「なぁに~、お手々繋ぐの照れてるの?」


「そ、そんなことは……」



 ない、とも言い切れない。もっと凄いこといっぱいしてるのにな。


「えへへ、じゃあれーじ君のために、明日の予行演習をしましょう。今からクジを引いて、正室から順番に手を繋ぎましょ♪ あ、側室1人が反対側も繋ぐってのも有りにしませんか」


「それサンセー♪ 両手に花だね~」


 三人ともノリノリだ。俺に拒否権はないらしい。まあしないけどね。

 なんだかんだで俺もこの状況をかなり受け入れてしまっている。


 いや、期待してしまっていると言っていい。


「「「王様れーじ君♡♡♡」」」


「まずは~、私からだねぇ」



 ふわりの大きな手がギュッと包み込んでくる。しかしその繋ぎ方は遠慮がちで、恐る恐る……探るような手つきで指を絡めてきた。


 俺はそのままギュッと握り絞めて恋人繋ぎのようにしっかりと絡めた。


「ひゃっ……れ、れーじくん?」


「王様は奥さんを大切にするもんだろ?」


「きざ~♪」


「ぐっ、やっぱなしで」


「うそうそっ。大切にして♡」


「はい次にいくよーっ」


「あーん杏奈ちゃんのいけずー。もっと繋ぎたいよー」


「持ち時間1分でーす」


「短いーっ」


「次はわたしー。えいっ」


 杏奈の場合は遠慮なく、しかし勢い余るほどに強く握り絞められた。


「ん~~、やっぱりれー君のお手々ゴツゴツしてて良い感触だよー」


 逆に杏奈の手はプニプニしてて柔らかい。


「次は鈴音ですっ。えいっ」


「あんっ、リンちゃん早いよー」

「もう片方は空いてるじゃないですかっ。どうせならサイクル早くしましょ」


「じゃあ杏奈ちゃんのタイムが終わったらもっかいわたし~」


 繋ぐお手々の取り合いで盛り上がる女の子達。


 ただ手の感触を感じているだけなのに、ムクムクとせり上がってくるナニかを感じずにはいられない。



「本番は流石にお外だし、1人の持ち時間は10分にしよっか。側室は5分で交代でどう?」


「いいよー」

「鈴音もそれでオーケーです」


「そうだな。どうせならもう一つ追加ルールいいか?」


「なぁにれー君」


「正室交代するたびにほっぺにキス1回」


「「「ふへっ⁉」」」


「ダメか?」


 三人とも顔を真っ赤にして絶句。

 流石に調子に乗りすぎたか?


「いいっ! それいいっ!」


「大賛成~っ! ナイスアイデアすぎて濡れる」


 それはそれでいいのかふわり?


「最高じゃないですか……、は、恥ずかしいですけど、頑張ります」


 どうやら大好評らしい。もうここまできたらいろいろと要求してみようじゃないか。


「じゃあ予行演習で、お休みのキスとか……」


「「「え?」」」


 あれ? ダメだったか?


「えー、しょ、しょーがないなーれー君ったら。調子に乗ってスケベな事言い出しちゃって」


「キスってそんなにスケベなのか?」


「そ、それはそのぉ」


 あれだけノリノリでグイグイ来ていたくせに、いざ俺から攻勢に出ると大分大人しくなるな杏奈って。


 もしかして押しに弱いタイプかコイツ?



「俺は杏奈達とキスしたい」


「あうあうっ、だ、だってぇ」


「それならぁ~、王様の命令なら逆らえないんじゃない」

「そうですね。何しろ絶対俺だけ王様ゲームですから。王様れーじ君の命令には絶対服従するのが鈴音達の使命なのです」


 杏奈が日和ったとみるや鈴音はいきなり強気だな。これは後の反応が楽しみだ。



「そ、それなら、ほっぺにちょっと……」


 さっきはほっぺにチューでも凄く嬉しいくらいの反応だったのに、こっちから行こうとするとこの反応だ。


「よーし杏奈。王様の命令だ、チューするぞ。ファーストキスと同じベロチューだ」


「べ、べろちゅーっ⁉  そ、それはもっと心の準備が整ってからっ」


「えー、この間は」


「あ、あれは目隠ししてたしっ」


「じゃあ目隠しすればしてくれんの?」


「それじゃダメだよれーじくん。王様の命令は絶対なんだから、杏奈ちゃんはそれに従わなくちゃ」


「そうですよー。散々鈴音達を焚き付けておいて最後に自分が日和るとかなしでしょ杏奈ちゃん」


 やっぱり今回の事を計画したのは杏奈が言い出しっぺのようだな。


「そうだな。それじゃあ杏奈に命令だ。王様とキスするぞ。拒むことは許さん」


「わ、わかったよぉ……。やりますよっ! やっちゃいますよっ!」


「王様の命令。杏奈、王様にキスをしろ。今回は普通のキスで勘弁してやるよ」

「ふぇえ……んっ、んちゅぅ……ふにぃ、なんか、んちゅ……変な気分にぃ」


 俺が自分から言うとは思ってなかったのだろうか。

 杏奈の体を抱き寄せ、俺は今までに無い思い切ったキスを見舞った。


「んんんっ、んっ、んん~~~~~~」


 唇を目いっぱい塞いで密着するキス。多分、人生で初めて女の子に自分からキスを送った。


「はぁ、はぁ……んぁ……れ、れー君♡ れー君、もっとぉ♡」


 一度踏み込んでしまえばあとはこっちのもの。そういう言葉を体現するようにトロけた表情になった杏奈は、今度は積極的に唇を合わせてきた。


 やべぇなこれ。女の子とのキスってこんなに気持ち良いのか。


「れーじくん、次はわたしね」


「り、鈴音もしてくださいねっ!」


 そうしてお休みのキスは激しさを増し、眠るギリギリまでキス合戦を堪能した。


 キス以上の事をしたくならないように自分を律した俺を誰か褒めてほしい。



◇◇◇


「ふぅ、流石にもう限界だ……。そろそろ寝ようぜ。明日の体力回復させないと」


「そうだねぇ……ふにゃぁ♡」

「そろそろ寝ないと明日に支障が出ちゃうね♡」

「さすがに寝ましょう。おやすみなさーい」


 危なかった。

 ふわりのキスは口の中全体を覆い尽くすようなヌラヌラトロトロのディープキス。


 鈴音のキスは小さな舌が可愛らしくつつき合いを求めてきて、遠慮がちなのにしっかりとこちらを抱きしめてくる。


 そして杏奈。彼女は最初こそ日和っていたが、一度スイッチが入ると誰よりも情熱的に俺を求めてくれた。


 正直杏奈とのキスが1番理性がヤバかったのである。


 キャパオーバーを起こして杏奈が寝込まなかったら、そのまま……って事も有り得た。


 危険領域ギリギリだ……。


 ただ、これはこれで別の問題が発生している。



「すぅ……すぅ……すぅ……うへへ、れー君♡ そんなに、おっぱい、しゅきなのぉ、しゅけべぇ♡」

「くぅ……すぅ……ふみぃ、れーじくん」

「うーん、むにゅぁ……はふぅ、ら、らめれしゅよぉ、お外でなんてぇ」




(寝られるかぁああ、こんな状況でぇえええっ)



 女の子達はこの状況でもすっかりぐっすりと眠っている。


 だがそんなのんきな寝息を立てる平和な女の子達と違い、俺は寝られるどころの話じゃなかった。


 幼稚園の頃から変わっていない。3人の寝相の悪さは一級品である。


 杏奈は腕にしがみ付いておっぱい押し付けてくるし、鈴音は胴体に抱きついてくるし、ふわりは顔面をかき抱いておっぱい窒息死させようとしてくるし。


 現在の俺は青春マグマパワーの噴火を必死に抑えながらふわりのおっぱいの隙間から呼吸を確保している状況である。


(しかも三人とも、お風呂上がりからずっとノーブラかよっ)


 顔面に感じる少し硬くて弾力のある感触は間違いなくふわりのアレだ。


 最初はなかったのに、なんだかそのうちムクムクと浮き上がってきたのである。これってあれか? 陥没なんとかってやつか?


 鎮めるんだ。心を静めて、精神を鎮め、思春期大噴火が起こらないように色即是空色即是空ってなもんだ。


 いや、六根清浄の方がいいか……六根清浄、六根清浄!!


 しかし下半身は鎮まることなくギンギンになりっぱなし。

 六根は清浄でも俺の一根は不浄であった。


 結局全員が離れてくれる真夜中まで眠ることができず、興奮の一夜を過ごすことになってしまったのであった。


 ちなみに俺自身の名誉のために言っておくと、暴発はしなかった。


 エラいぞ俺……。



~ゲーム4回目 終了~

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