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3回目 その5

「ああ、良い気持ちだ……鈴音の膝でリラックス」

「なんで体の薄い鈴音なんですか? 杏奈ちゃんやふわりちゃんの方がプニプニしてて気持ち良さそうなのに」


「そこはあえてのチョイスなのさ。気持ち良いぞ鈴音」


「う~っ。体の薄い自分が恨めしい」


 次の正室は鈴音だった。内容は王様、正室側室の誰か1人とだけ書いてあり、指示内容は膝枕だった。


 というわけで相手は鈴音を選び、こうして彼女のちょっと固めの膝枕をお願いしているところである。


「なんてったってその顔が見たかったんだ」

「うー、うーっ」


「それに太もも温かいからな」

「ぎゃーっ、スカートに顔を突っ込まないでくださいよっ!」


 恥ずかしそうに睨み付ける表情が可愛くて仕方ないんだ。

 スカートに顔を突っ込んでも、避難はされても拒否はされないのがその証拠だ。


「じゃあこのまま次のゲームいこーよ」

「膝枕は継続でいいよー」


「よーし、じゃあやるか」


「「「王様れーじ君♪」」」


「次はわたしーっ! そろそろおやつの時間だし、3回目のゲームはこれで最後にしよっか。夜にまた4回目しようね」


「おう、じゃあカードを引いて……そっちはどう?」


「えっと、正室と側室1番だね」


「指示書の方は……。足つぼマッサージか」


「じゃあちょうどいい感じに寝転がってるし、2人で王様を足つぼマッサージしてあげる」


「お、いいなそれ。頼むよ」


「じゃあ蒸しタオルとアロマオイル持ってくるねー」


「そんなに本格的にやってくれるのか?」


「時間はたっぷりあるからねー。あ、鈴音ちゃん、足が痺れたら交代するからね」


「お願いしますー」



「じゃあ私もちょっと取ってくるね」


 トトトトッと軽い足取りで走って行く杏奈。

 タオルとアロマ以外に何を取りに行くというんだろうか。


 2人が部屋を出て行き、鈴音と二人きりの空間になると、モジモジと膝を動かして俺の肩に手を添え始めた。


「ん、どうした鈴音?」


 上を見上げると頬を赤く染めた大きな瞳が映り込む。


「鈴音の瞳、綺麗だな」


「そ、そういう事平気な顔して言わないでください。恥ずかしいなぁ」


 でも、なんか喜んでいるのが見える。分かる。


 だからこんな事を言ってみた。


「なあ鈴音」

「どうしました?」


「キスして♪」

「んなっ⁉ しょ、正気ですかっ」


「この間はしてくれたじゃん」


「あ、あれは王様ゲームの中で」


「じゃあ王様の命令ってことで」


「今は鈴音は正室じゃないですよ」


「そっか、残念だなぁ。じゃあ後で杏奈かふわりにお願いするか」


「う、うう……ほ、ほっぺになら」


 恐る恐る近づいてきた唇が頬に触れ、長く長く吸い付いてくる。


 今日の鈴音はツインテールにしているので髪の房が顔に掛かってくすぐったかった。


「ん…ちゅ、ちゅぷ…ふはっ。はいっ、これでお終いですっ」


「明日は唇にしてくれよな」


「き、気が向いたらっ」


 イヤとは言われなかった。やっぱり変わったな。


◇◇◇


「お待たせ~、アロマオイルでスベスベしながらやるとすっごく気持ち良いんだよー」


「じゃあまずは足をぬれタオルでフキフキするね~」


 2人が始めたのは結構本格的なアロママッサージである。


「あ~、足がぬくぬくするー。気持ち良い~」

「でしょ~? まずは足の血行をよくするんだよー」


「杏奈はマッサージ習ってるの?」


「ん~ん。ネットで見ただけ。れー君がいない時にふわりちゃんと一緒に練習したんだよね」


「マジか。あ~これは気持ち良い」


 杏奈はふわりと一緒に足回りを洗いながら足つぼマッサージを初めてくれた。


 力加減は絶妙で血行が良くなっていくのが分かる。

 

「よいっしょ~、よいしょー。痛くない?」

「ああ、凄く気持ち良いよ」


 確か足つぼマッサージは悪くなってる所はめちゃくちゃ痛いんだったか。


 今のところそういうのは感じない。めちゃくちゃ気持ち良い。


「これはハマるなぁ」


「れー君もマッサージ上手いよね。前の肩もみもめちゃくちゃ気持ち良かったし。またやってね」


「おお、いいぞ。ゲームとか関係なく言ってくれればいつでもやるからな」


「ありがとー。後でお願いするね」

「ああ、任せろ」


 それから足つぼマッサージを受けつつ他愛のない話が続き、鈴音とふわりが膝枕を交代することになった。



「はーい。じゃあ王様はうつ伏せになってくださーい」


「え、う、うつ伏せ、それじゃあふわりの」


「うん、太ももに顔を入れて、お腹に手を回してね」


 うお、おおおおっ……、こ、これはっ。


 鈴音のとは趣の違うふわっふわの太ももとプニプニのお腹の感触っ!


 心なしか体温が高い気がするふわりのお腹に絡みつく事になり、心臓がはき散れんばかりに高鳴ってくる。


「ふ、ふわり……大丈夫か?」

「ん~? なにが~? 全然いいよー。私も背中マッサージしてあげるねー。肩甲骨流すだけでも気持ち良いんだよね-」


 ふわりの大きな手で背骨から肩甲骨にかけての流れを優しくさすってもらうと血流がよくなって気持ち良い。


「じゃあ鈴音達も足つぼマッサージしますね」


 そうしてふわりのお腹と太ももを感じながら、目いっぱい体全体をマッサージしてもらった。


◇◇◇


「そろそろ夕飯の準備に入ろッか。カレーは作ってあるから、あとは御飯を炊くだけだよー。その間にお風呂入っちゃお」


「そうだねー」


 女の子達はお風呂に入るようだ。俺は後で軽くシャワーでも浴びるか。


「はい、じゃあれー君はこれに着替えてね」

「え?」


 杏奈から渡されたのはハーフパンツだった。しかしその手触りとデザインを見て、すぐにそれが水着だと気が付く。


「なにこれ、水着? え? なんで?」


「なんでって。女の子の家のお風呂入るんだよ。素っ裸になる気なの?」


「い、いや、人の家だからって水着着るって発想が意外なんだが」


「ツベコベ言わないで早く着ちゃって」


「あ、れーじくん、湯船にお湯張ってあるからゆっくり入ってていいよー」


「あ、ああ。分かった」


 なんか釈然としないがこうなった杏奈は譲らないので素直に聞いておくことにした。




 半ば強引にバスルームへと押し込まれたので、サクッと着替えてさっさとシャワーだけ浴びる事にする。


「お風呂で水着とかどういうつもりなんだ杏奈の奴……」


 シャワーのコックをひねってお湯を出し、温度調整をしながら石けんを探した。


「ボディソープは……これか。うわ、高そうなボトルだな。あんまり大量に使うの申し訳ないぜ。それにしても……」



 ふわり宅のお風呂は非常に広い。ちょっとしたプールみたいに丸いバスタブにはたっぷりのお湯が張ってある。


「おっ、ジェットバスが付いてるじゃんか。気持ち良さそうだな。ちょっとだけ使わせてもらおっかな」


 体を洗いながらそんな事を思案していると、ドアの向こうから音がしている事に気が付いた。



「え?」


「じゃじゃーん、お待たせれー君。一緒に入ろ♡」


「お、おいっ。お前らマジかっ。痛ってぇえっ、シャンプー目に入ったっ」


 バスタオル一枚姿の3人がいきなり突入してきてひっくり返りそうになる。


 シャンプーが目に入って悶絶していると、ふわりが温かいシャワーを浴びせてくれる。


「大丈夫~? 背中流してあげるね♪」


「お、おいおいふわり。いくらなんでもそれは」


「いいからいいから♡ はい、お背中流しますよー。皆でゴシゴシしちゃうよー」


「はーい♪」


「い、いきますよー」


 こ、これはなんという光景か。鈴音と杏奈がスポンジを持って腕を擦り始めた。


 背中と腕にかけて心地良い刺激と共に泡に包まれていく。


 高級そうなボディソープを惜しげも無く使い、女の子の柔らかい手つきがスポンジ越しにも伝わってくる。


「じゃあそろそろ湯船に浸かろっか」


「え、お、おいちょっとっ」


 シャワーで泡を流し、サクッと外に出ようかとおもった時、あろうことかバスタオルの重ね目に指をかけ始める3人。


 俺は慌てて立ち上がって外に出ようとするが、その前にファサッとバスタオルが落ちる。


「うわわわっ! お、おい正気かっ⁉ いくら幼馴染みだからって物事には順序ってものがっ……って、あれ?」


「じゃじゃーん。水着でしたー。何を期待してたの?」


「い、いや~、それは、誤解だ……」


 杏奈、ふわり、鈴音はそれぞれにストライプ柄の入ったビキニを着用しており、眩しい肌を惜しげも無く見せつけてきた。


 3回目の締めくくりは、とんでもないサプライズが用意されていたのであった。



~ゲーム3回目 終了~

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