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最高位邪神と転生眷属のわちゃわちゃはちゃめちゃ救世記  作者: 木に生る猫
再会の世界

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スキルツリーと経験値

 賢者とは、自分自身で魔王に対抗する存在ではなく、魔王に対抗する存在である勇者を更に強化する存在である。

 その力に付属する攻撃手段はあくまでも自衛としての手段でしかなく、賢者が必要となった世界では些細な火力しか出せない。

 また、何かと便利なのも、勇者に些事を任せることなく、戦闘だけに集中してもらうためのものである。


 ヴェルディーゼは悠莉にそんな説明をし、息を吐き出した。

 そして、横目でユリを見つつ、溜息混じりに言う。


「今回はあれで良かったけど。要するに、本来は賢者は戦うべきじゃないんだよ」

「力不足だから? でも……」

「この世界には、スキルにはレアリティがあるよね。スキル一覧みたいやつ、あるでしょ。出せる?」

「あ、うん。え、えっと……す、スキルオープン……」


 なんとなく恥ずかしい気持ちになりながら悠莉が呟くと、青い背景にたくさんの文字が書かれた画面が現れた。

 気になるのでユリがそっとそれを覗き込み、なるほどと頷く。


 一番左にあるのは、四角い枠で囲われた賢者という文字、そしてその下には星が六つ。

 星がレアリティなのだろう。

 そして、賢者と書かれた枠から真っ直ぐ右へと線が引かれていて、その先には賢者の詠唱という文字が書かれた枠がある。

 そこから更に分岐するように線が三つ引かれていて、結界、支援、攻撃、と書かれた枠があり、更に分岐している。

 それから、孤立している枠も存在していた。

 賢者と書かれたところ以外には、星は書かれていない。


「あー、あれですね。形ちょっと違うけど、樹形図みたいになってるんですね。ゲームでも、ちょっとずつスキルが解放されたりするやつではよくある感じの……なんて言うんだっけ……あっ、スキルツリー! そのまんま!!」

「あ、確かに……これ、まんまスキルツリーだよな。よくわかってなくて見ることなかったけど、そう考えると見やすいな」

「わ、私にはわからないよ……樹形図ならわかるけど……」

「そんなことより。表示の形式はどうでもよくてね、えーっと……そうだな。……賢者の詠唱って書かれてるところに触って、唱えてみてくれる?」

「え? 唱える? ……け、〝賢者の詠唱〟? ……わっ!?」


 悠莉が唱えた瞬間、賢者とだけ書かれた枠と孤立していた枠が消え、賢者の詠唱と繋がっているスキルだけが残る。

 全ての枠の下には星が書かれていた。


「……レアリティ? スキルのレアリティって、ここにもあるの?」

「表記が同じだからわかりづらいけど、これはいわゆるレベルみたいなもの。経験値に応じてスキルが強化されていく。例えばだけど……攻撃の分類のスキルを使うと、〝使ったスキル〟と〝攻撃〟の経験値が得られる。これは勇者と賢者だけにしかないシステムだよ。だからこそ、悠莉はあんまり戦ってほしくないんだ。支援を伸ばしてほしいから。悠莉が戦うことは、龍也の成長を奪うことにも繋がるしね」

「私が戦ったら、その分龍くんが経験値を得られなくなるから……」

「うん。わかりやすいようにスキルを使った時って言ったけど、トドメを刺すとか、色んなところで経験値は得られるから。必要に迫られた時以外は、悠莉は支援に回った方がいい。……さて、休憩終わり。座学はまたやるとして、龍也。まだ体力は持つね?」


 ヴェルディーゼが座学を一旦締め括り、笑顔で龍也に話しかけた。

 龍也は少し悩む素振りを見せると、申し訳なさそうに言う。


「もうちょっとだけ休憩してちゃダメか? ちょっと身体が重くて……」

「……いや、大丈夫だよ。まだ動けるでしょ」

「え? いやでも……」

「リューくん、諦めた方がいいですよ。感覚を掴んで完全にスパルタモードに入りました……私の時と同じ顔してるので……疲れたって言ってるのに、まだ行けるからって休ませてもくれなかったあの日々……は、はは」

「ユリ……怖がらせる必要なんてないのに……」

「愚痴兼新たな主様の被害者への助言ですが?」


 すんっとした顔でユリが言うと、ヴェルディーゼが目を逸らした。

 そして、笑顔で龍也を担ぎ、元の場所へと連れ戻した。

 若干拗ねてしまった気がするので、ユリが慌ててヴェルディーゼに駆け寄りその腕を掴む。


「あ、あの、リューくんに当たったりはしないでくださいね!? 当たるなら私に! ね!?」

「ふふ、もちろんそんなことしないよ。ただ、必要に応じてやったことをそこまで言われるのもなーって。愚痴はいいけど、被害者ねぇ」

「うっ、そっち……私の言葉選びが悪かったです! だから拗ねないでぇ!」

「拗ねてない。あんまり好き勝手言うと怒るよ。ほら、そんなことより準備して。今も、魔王は少しずつ世界を喰らってるんだからね」


 肩を竦めて言うヴェルディーゼにユリが一言謝ってからとぼとぼと元の場所に戻った。

 実際、急ぐべきではあるのを失念していたから。

 だから少しヴェルディーゼも焦っているのだろう、なんてことを思ってユリが切り株の傍で座り込む。


「さて。経験値の説明もしたことだし、スキル使いつつ少し実戦に近い形でやってみようか」


 そして、その直後に聞こえてきた言葉に耳を疑い、思わず勢いよく立ち上がってしまうのだった。

章の名前がしっくり来ていなかったので、変えました。

それと長くなりそうなので章を分けます。

後編が短くなりすぎたら、終わり次第統合するかも?

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