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998.無差別攻撃

 検問所にいると遠くの方から爆発音なども聞こえてきている。ネドラ地区側での爆発音だ。


(この手法は、ゼフティア大帝国の旧王都での出来事に似ているような……? 確か、無差別に攻撃を繰り広げるのよね)


 咄嗟に考えるが、今は何とかすることだ。サラシアを見るとすぐに頷いてきた。


「検問所は一時的に封鎖を。他の検問所にも合図をお願いします」

「サラシア皇女殿下、承知しました!」


 サラシアが素早く指示をすると検問所の扉を閉める。これはネドラと決めていたことだ。何かしらの異常事態が巻き起こった場合はお互いに気づいた方から検問所を封鎖し、被害の広がりを食い止めるということになっている。


「サラシア様、私はネドラ様に連絡をしますね」

「ありがとうございます。私は屋敷を対策本部とし、状況の把握に努めます。怪我をした方々を運び込んでいただく場として屋敷の前に仮設のテントを設営もします」

「分かりました。怪我人がいましたら任せてください!」


 といっても二人とも向かう先は同じだ。共に向かい、サラシアは状況の改善に向けた活動を、リゼはネドラに連絡を取りつつ、レノアに念話する。


『レノア、そちらはいかがですか?』

『少し状況が混乱しています。ネドラたちには影響は出ていませんが、街で無数の者たちが暴れており、目的も不明。何かしらのターゲットがあるわけでもなく走りまわりながら人々を襲っているそうです』

『分かりました。こちらでも同じようなことが起きています。ゼフティア大帝国での出来事に似ていますね……。何が起きているのかですね……』

『こちらはブルガテド帝国の方々と共にネドラの周りは固めていますので安心してください。ただ、根が深い問題かもしれません。今後、市民はこの攻撃に怯えることになるでしょう』


 確かに根が深そうだ。明確にターゲットがなく暴れられるといつどこで誰が襲われるかわからないし、騎士ではなく一般市民もターゲットにしていることから住民たちの外出も可能な限り控えてもらうなどの措置が必要になってくるかもしれない。そうなると街全体が暗い雰囲気になるだろうし、最悪だ。


 二時間後、何とかサラシア地区で暴れていた四人を追い詰めることに成功はしたが、すぐに自害したようであった。爆発物は魔法石に光属性魔法を注いでおき、投げて爆発させていたようだ。その魔法石を用いて自害したみたいである。なお、旧市街地の方には誰もいかなかったことも分かった。


(うーん、ネドラ地区だけではなく、隣接しているサラシア地区にも攻撃するのは混乱させてサラシア様による支援を阻止するためだったりするのかな……?)


 そんな予想を立てて見るが真相はどうなのだろうか。なお、その一時間後にリゼはとある情報を得ることに成功する。


 その日の夜、リゼたちはエルマー地区の地下施設に集合していた。

 この状況に対して議論するためである。ネドラもやってきていて彼女が口を開く。


「現状、私の地区で現在も無差別な攻撃が繰り広げられている。今も止むことなく続いており、魔法での建物や人々への攻撃が主な所業だ。特定のターゲットはなく、とにかく無差別に攻撃しているのが特徴で、捕える前に魔法石で自害、運よく捕らえても毒物を口に含んでいるのかそれを噛んで死ぬ。よって、真相は不明だ。こうなると市民の外出制限、出歩いている者へのステータスウィンドウの共有要求などをしていかなければならないが、おおよそ皇帝側の手の者たちではあると考えている」


 ネドラが状況を説明し、首を振った。この状況にはくたびれているようだ。正々堂々と正面から攻撃の応酬をするのではなく、今回のようにちまちまとした一般市民を巻き込んだ攻撃は想定していなかったのかもしれない。

 するとエルマーが手を挙げる。彼は今回の状況をネドラから事前に聞いて考えをまとめていたようだ。


「これは光の神ルーフ様を信仰する過激派による動きのように思えるがね。状況が拮抗しているため、教会が新たな作戦を打ち立てて来ているのだろう。しかし、暴れて自害するということで、ある意味で駒がどんどん死んでいるということになる。そのうち、駒の数が不足しがちになり落ち着いてくるはずだ。魔法石も無限にあるわけではない。現状は仕方がないので受け入れて、教会自治区攻略に向けて攻勢を強める方が良いと思うがね。こちらの消耗や戦意の喪失を狙っているのだろうが、そう簡単に折れる程度の気持ちでネドラ地区の者たちがネドラについているとは思えない。むしろ、暴れたものがいたら集団で積極的に鎮圧にあたるなど、そういった方向に向かわせた方が良いだろう。一般市民たちも少なくとも初級魔法は使えるだろう。そこは周知した方が良いはずだ」


 確かにエルマーの言う通りであるとリゼは感じた。暴れている者たちは捕まる前に自害をしているようだが、どんどんと数が減っていっているはずだ。いつかは暴れる要員が足りなくなって落ち着いてくるかもしれない。それと、走り回りながら暴れるため、狙いが正確ではなかったりするはずだ。現状、大きすぎる被害は出ていない。


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