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525.男の情報

 するとエルーシアは深く頷いてきた。リッジファンタジアⅡは戦記物であり、ひたすら戦場を駆け巡ることになる作品であるが、終盤がアレーナ王国編だ。そこでは過酷な戦闘が待っている。そんな作品の主人公であるエルーシアにはルミアやリッジファンタジアの主人公であるレイラよりも困難が待ち受けているため、今からそこを意識して頑張ってもらうしかなかったのだ。

  

 そうこうしているとまた城の外が騒がしくなってくる。何事かと神器に確認するが『この城の主、ローデンス辺境伯が外縁部の城門に到着しました。ゆっくりと進んでいるため、ここまで二十分程度かかります』と教えてくれた。メッセージウィンドウを見るとアイシャからウェルトヘイムに向かっているという連絡が来ていたがちょうど宝物庫にいる頃に来ていたようで気付けなかったリゼだ。ローデンス辺境伯に対してどのように説明して何をどうすればよいのか分からないが、シルヴィアが急ぎリゼのところにやってくるとまずは彼女が話をするそうである。この場の指揮系統はシルヴィア及び彼女の近衛騎士や騎士とリゼやその仲間たちという二つがあるのだが、ローデンス辺境伯と会話するにはブルガテド帝国としての公的な見解などもあるだろうし、彼女に任せておいた方が得策だろう。

 シルヴィアは近衛騎士を引き連れて足早に大広間を後にした。


 するとレギーナがやってくる。恭しくお辞儀をすると耳元で囁いてきた。


「リゼ様、北方未開地の子どもたちはフォンゼル様がずっと面倒を見ている状況となってしまっておりますが、いかがいたしましょうか? 私が取り急ぎ戻る必要などはございますか?」

「あ…………まずいかもですね……一応、最初の村を出る前に少し遅くなるかもしれませんということはメッセージしておいたのですが……流石に遅くなりすぎですよね……。ちょっとだけお待ち下さいね」


 リゼはすぐさまフォンゼルに連絡を取るのだが、するとほぼ時間差なく『こちらは寝かしつけを完了しております。勝手ながらケラヴノス帝国の件に対して行動されているかと推察し、今日はレギーナやリゼ様は帰ってこないと伝えております』と返事がきた。全て完璧に予測してくれていたようだ。

 フォンゼルの返信に『子どもたち、沢山いますので大変でしたよね……助かりました』と送ると『問題ありません。私はかつて、同じようなところで過ごしておりましたので慣れているのです』と返事が来た。


(あれ、フォンゼルさんって貴族ではなかったの、かな……?)


 そういえばではあるのだが、フォンゼルには稽古をつけてもらったりと戦いに関する話はしてきたが、彼の出自に関する話は聞いていなかったということをふと思うリゼだ。

 レギーナには彼が子どもたちを寝かしつけてくれていたということを伝える。よって、レギーナにはこの場に残ってもらうことにした。


「あ、そういえばレギーナ、この男性を見たことはありますか?」


 リゼは金属騎士に押さえつけられている洞窟で捕らえた大柄な男性のところに向かって質問した。機関の人間かもしれないため、聞いてみた形だ。男の横には短剣や仮面も置いてある。一応、洞窟であったことも話して聞かせた。補足情報としてだ。まず洞窟にいた男と少女、それから洞窟で現れた二人組の計四人についてである。


「リゼ様、この男のことは分からないのですが、風貌から察するにアレリード出身のようですね。なお、短剣自体は機関の汎用的な物です。非常に切れ味がよく強固であるにも関わらず軽いのです。毒を塗るということも稀に行われます。塗っても落ちにくい材質をしておりますね。それと、この仮面は幹部がつけるものです。仮面を任務時につけるか否かは任意だと習っております。つきましては、リゼ様が対峙された者たちは機関の幹部級の者たちであったものと推察されます。その仮面をつけた幹部らしき人物と対等にこの男が会話していたということは幹部クラスなのではないかと。私はあくまでも末端でしたが、幹部の中にはこの男が何者か知っている者もいるかもしれません。そうなると他にも幹部を捕らえる必要がありますね」

「ありがとうございます。やはり機関絡みでしたか……。この人物はブルガテド帝国に連れて行って皇帝陛下に引き渡します」

「承知いたしました。幹部級が四人も同じ場所にいるというのは異例だと思いますので、それだけ今回の侵攻に意味があったということかなと。普段は幹部は前線に出てこないはずですし、複数人で固まって動くということなど、ありえないです。それにリゼ様が攻撃をしても防いできたというその少女、恐らくは幹部の中でも上の存在かと思います。私が考える限り、リゼ様と対等に戦うことなど不可能だと考えておりますので、機関の中でも重要な人物なのではないでしょうか」


 レギーナは彼女が蓄えている知識の範囲内で全て話してくれた。この大柄な男は皇帝と共に色々と聞かなければならないし、もう一度執事長と会話をして例の少女や仮面をつけた幹部に心当たりがあるのかを確認するべきだとも考えるリゼである。この男のことも見せた方が良いかもしれない。

 後ろで聞いていたエルーシアは「きな臭いですね……」と小声で呟いていた。するとコーネリアスがやってくる。


「ういっす。ローデンス辺境伯様がいらっしゃる感じか?」

「そうみたいですね。シルヴィア皇女殿下が少しばかり話をされるそうなので、時間がかかるかもしれないです」

「了解。この後の予定は?」

「まずはローデンス辺境伯様とお話することになるのではないかと思います。その後、私は皇帝陛下と会話させていただこうかと。その後は、寝たいですね……」


 コーネリアスは「確かに、流石に疲れたしな」と話してきた。アリソンとロイナは壁にもたれかかって眠っているようだ。

 それから二十分後、広場が騒がしくなってくる。どうやらローデンス辺境伯たちが到着したようだ。シルヴィアも他にもアイシャの両親は出迎えに向かっている。洞窟で捕らえた男に再度フォーススリープを詠唱してからリゼは五組のメンバーが集まっているところに戻り椅子に座った。ルターとリアムもウトウトとしているため、ルミアやエルーシアと少しばかり話をするリゼだ。


「そういえばさ、一つ思ったんだけど」

「どうしました、ルミア?」

「今回のことでリゼが強いということは知れ渡るだろうし、そうなると敵対組織的なところからの襲撃とかも計画されるかもしれないよね。でも、レギーナさんという戦えるメイドが増えたことで襲撃への備えとしては戦力があがったから良かったね。騎士よりもメイドの方が身近な存在だし、狙われてもいざという時に対応出来るもんね」

「あー、確かに……そうですね……騎士の方は私室には急用がなければ入りませんが、メイドは入りますしね。あまり考えたことがなかった着眼点でした」


 国によってはメイドではなく侍女と呼んだりもすることがあるようであるが、専属のメイドは貴族にとって身近な存在である。部屋に出入りすることも多いため、そんなメイドが戦闘をこなせるというのは有事の際に役立つとルミアは考えているようだ。それはリゼも同意であった。特に洞窟での少女や仮面の男はきっと上に報告するだろうし、何かしら起きるかもしれない。


(そういえば誘拐計画とかもあったっけ……夜の剣の四剣の……ドーリス・クロスさんに狙われていたのよね。今後もそういうことがあるかもしれない……。まあ、アイシャやレギーナ以外にリアもいるし、ヴィズルも攻撃できるから私の身の回りは何とかなるとして、問題はランドル商会かな。あそこは一番防備が手薄だし……一応、ルターのお父様が運営しているランマース傭兵団の方々が何かあったら戦ってくれるらしいけれど)


 リゼとしては帝都の邸宅や領地の屋敷は騎士などを沢山配置しているので大丈夫だと考えているが、ランドル商会などは対策が必要だと考えるのだった。

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