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504.トンネル前にて

 共にリアたちの状況を映像ウィンドウを見ていたエルーシアが話しかけてきた。


「リゼ様、ウェルトヘイムを攻略完了したら次はどうされますか? この調子ですと制圧も可能なのではないかと思いまして」

「他の街や村を開放しつつ、ブルガテド帝国の飛び地を目指すつもりよ。飛び地との国境線はローデンス辺境伯領側に地の利があるようで、飛び地からローデンス辺境伯領に向かうには急な斜面を登らないといけないらしいのよね。シルヴィア王女率いるブルガテド帝国軍がうまく斜面を登れるように支援をしようかと!」

「承知しました。お供します」

「あ、実はエルーシアにはウェルトヘイムに残って欲しいかな? 金属騎士を指揮して、アイシャのお父様と共にウェルトヘイムの完全制圧を完了してほしくって。状況を混乱させることは出来たし、指揮官も捕らえて、城や広場も奪還完了。それに転移石を持っている方もいなくて、トンネルさえ破壊すればケラヴノス帝国に状況が伝わる心配もないと思う。でも、ウェルトヘイムに関してはあとはもう少し頑張って街の皆様が安心できる状態に持っていく必要がある状況にあるはず。敵の投降を促して、拘束していく必要があるからお願いできるかな? レゼシアとシグも必要でしたら残していけるけれど、どうする?」


 エルーシアは自分のやるべきことを理解したのか「承知しました……!」と頷いてきた。きっと今回の経験がアレーナ王国解放戦で役立ってくれることだろう。なお、レゼシアたちはリゼに何かあったときのために連れて行ってほしいとのことである。アイシャの父親も役目を理解してくれたようだ。

 一応、金属騎士が敵と接敵してある程度の制圧が出来たら次の行動に移そうと考えている。


 するとルミアたちがトンネルに到着したらしく、状況を見守ることにするが、ケラヴノス帝国の騎士たちは二十人がトンネルに近くにベンチのようなものを設置して談笑していた。このトンネルはバレていないと思って完全に油断している。そこにルミア、ベルノルト、レギーナがそれぞれ散らばって包囲している形を取っており、タイミングを見計らって急襲し、あっという間に制圧を完了させるのだった。ルミアやベルノルトは躊躇なくスキルを発動させ、レギーナはリゼが渡した剣を有効活用したようだ。騎士たちは一応武器を持っていたものの、不意を突かれた形となり、完全に何も出来ずに倒された。その後、ルミアたちは騎士たちをある程度一箇所に集めるとトンネルの破壊活動に行動を移す。あらかじめ転移石を一組ほどルミアには渡しておいたのだが、トンネルをそこそこ進んだところで転移石を置いていつでも転移できるようにして魔法やスキルで前方の天井に攻撃を行っている。転移石を置いた理由は天井が崩れた際に逃げられるようにだ。するとルミアたちがいるところから少し進んだところで天井が崩れたのだが、ルミアたちのところは特に崩れることはなかった。運が良い結果である。ただし、粉塵はなかなかのものがある。彼女らは何度か同じように天井を崩していき、トンネルを破壊していく。リゼもここは支援することにした。ケラヴノス帝国寄りのトンネルに転移すると天井を破壊しながらゲートで百メートルごとに転移をして破壊していく。粉塵を結界で防ぎつつも、ふとあたりを見渡すがこのトンネルはかなり力を入れて作られていた。大きさ的には馬車も通れるサイズであるし、崩れないように定期的に支柱のようなものもあり、天井や側面は頑丈に作られている。地面だけは経費削減のためなのか土であった。


(このトンネル、かなり頑丈に作られているし、きっと三年かけて計画的に作ったのでしょうね……)


 そんなことを考えつつも、何度も攻撃を繰り返すことである程度は破壊することが出来たはずだ。

 それからルミアたちのところに転移をする。ルミアたちはリゼが急に現れることにあまり驚きはしないのだが、嬉しそうだ。


「あれ、来てくれたんだ!? いまベルノルトたちと騎士を拘束しようとしていたんだけど、どうやって連れて行こうかと悩んでいたところだからちょうど良かった!」

「ケラヴノス帝国側のトンネルをある程度壊してきました! この方々にはウェルトヘイムに収容施設を作りましたので入っておいていただきましょう。私が魔法で拘束していきます!」

「そういうことね! あ、馬を連れてくるね!?」

「ルミア様、それでは私が連れてまいりましょう。皆様はリゼ様とのご歓談をお楽しみくださいませ」


 レギーナが馬を連れてきてくれることになったため、ルミアやベルノルトと少しばかり話しながらアクアバインドで拘束していくことにする。

 ベルノルトがケラヴノス帝国の騎士たちの武器を一箇所に集めてくれながら話しかけてきた。


「リゼ、そちらはどういう状況だったのかな?」

「皆さんがトンネルに向かった後にウェルトヘイムに転移をしまして、順番に攻略をしていきました。結局、金属騎士や泥人形が役立ってくれましたね……」

「流石だね。泥人形は上級ダンジョンに登場するストーンガードドールが生成してくる厄介なものらしいよね。それを大量に出せるのだから強いよね。金属騎士はオリハルコンを素材にした上位種のような感じだったかな」

「そうですね。泥人形は上級魔法などを何度かヒットさせられると壊れてしまうのですが、金属騎士はオリハルコン製ということもあって、倒されたところはほとんど見たことがありません……!」


 冷静に考えるとベルノルトの話の通りで泥人形たちはかなり強いため、神器を手に入れて良かったと実感するリゼである。神器がなければモンスター専用の魔法は使うことができないのだ。

 ヴィズルも三至宝(トリニティ)の中で特殊な枠であるが、リゼが入手した原理の魔導書(ロゴスグリモワール)も神器の中でも特殊な部類に分類される。


(単純に強力な武器タイプの神器よりも特殊枠のほうが色々な局面に対応できるのでありがたいよね。ヴィズルや神器のおかげで何とかウェルトヘイムの城を取り戻せたし、感謝しないと)


 感謝の気持ちが湧いてきたため、ヴィズルや神器に心の中で感謝するのだった。


 リゼがアクアバインドで騎士を拘束している間にレギーナが森の外につないでおいた馬を連れてきたので共にウェルトヘイムの教会へと転移をした。二十人の騎士を収容施設にいれると城の入り口付近へと転移する。広場でまた戦闘が起きたようだが、金属騎士がどうにかしてくれたようだ。リゼは広場で戦い続けてくれている金属騎士やローデンス辺境伯の騎士たちに感謝しつつ、馬をどうしようかと考えるが、北方未開地に連れて行ってあげた。それからすぐに城の入り口に戻ってくると、大広間へと向かう。大広間までの道のりにはローデンス辺境伯領の騎士や使用人などが倒れていたりしたのだが、泥人形たちが抱き上げてどこかの部屋に寝かせておいてくれたようだ。埋葬が必要な者たちだ。

 ルミアがチラチラと戦いの跡を見つめつつも質問をしてくる。


「いたるところに泥人形とか金属騎士が立ってるけど、城は完全に開放したんだよね?」

「そうですね。ちょっとうまいことやった感じですね……! あ、そういえばなのですが、ルミアとベルノルト様はウェルトヘイムにてエルーシアのお手伝いをお願いします。エルーシアには金属騎士に指示をして完全制圧を目指していただこうかと考えてます」

「エルーシアを手伝えば良いんだよね? 了解!」

「分かった、エルーシアを支援するよ。ここまで来たら徹底的にローデンス辺境伯に協力するしかないな」


 ルミアとベルノルトは次にすべきことを理解してくれたようである。

 

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