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旅立ち

 

 まず第一にダンジョン攻略に向かうには冒険者登録が必要となりますの。私はすでに所持していますが、一応本格的に活動する旨を役所に届け出ませんとね



「ごきげんよう〜〜!!!」


「あっテネブラさん!やっとお家出られたんすか?」


 扉を開けて早々気さくに話しかけてくださるのは、この役所勤務歴2年シークさんですわ


 空のように晴れやかな御髪をすきま風に揺らしながら、カウンター作業に勤しむ所謂受付を担当なされてますの


「お答えいたしましょう。そう!私、自由の身となりましたの!!!」


 「わ〜おめでとうございます〜」と拍手を受けて、良い気分に浸っている場合では無くてよ


 まずは何事も申請!


「カルク山のダンジョンへ入りたいのですけど、受付はどちら?」

「あ、カルク山ならチークの担当です、あそこに居ますよ」


 私はシークさんとよく似たお顔の黄緑の頭部を見つけ出し


「ありがとうシークさん、チーーークさん!私ダンジョンへ入りたいのデスケドオォ!!」


 と話しかけさせていただき


「ちょ、うるさ」


 と若干の叱責を受け流しまして


 なんとシークさんとチークさんは双子さんなのですわ

 お顔がそっくり、でも髪色で判断できるようにと、魔法で染色なされてるそう

 私は魔法がからっきしなので、髪を染めるどころか物を浮かすことも出来ませんわ


 ですので、生まれ持ってのピンクブロンドヘアーでございます


「テネブラさん聞いてる?良い?ちゃんと君のわんこから離れないでよね、初めてなんだし慎重に。突然魔物に突っ込んで行かないように」


「うふふ、分かってますわよチークさん。私だって死にたいわけでは無いわちゃ〜んとしんちょ〜〜っに攻略致しますわ」


 それに、ここへ来るまでにも何度か殺伐とした視線を感じましたし

 慎重に越したことはないですわ


 ですが、私にはラピスリーが着いていますもの

 何も心配はいらないのですわ


 それに、私達の門出を邪魔する者は何人たりとも許しませんもの


「では、テネブラさん。改めて契約内容を案内致しますので、奥の部屋へ」


 チークさんとのお話が終わる頃にシークさんが契約のお話を建前に、秘密の出口へと案内してくださいます


「お手数お掛けしますわね」


「よくあることです。ラピスリーも待っていますよ」


 ここは役所と言えど、様々な冒険者が集まる場所。しかし登録冒険者についてのデータは網羅している職員の方がほとんどなので、私を追って役所に入られた未登録の怪しい人物についてもすぐにお気付きになられます


「では、ご武運を」


「ええ、行ってまいりますわ」


 ラピスリーが空から舞い降り私を乗せカルク山へ向けて飛び立つ


 さっ私の新しい門出ですわよ


「ラピスリー!楽しみましょうね!」


 ガァルルァァァ!


 勇ましいラピスリーの咆哮と共に私は広大な空へと駆け出しましたわ




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