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開幕

 

「すまない、恋人がいる。」


「婚約破棄ということでよろしいでしょうか」


「すまない」


「仕方ありませんものね」


 と、神妙な面持ちで言葉にしつつも?

 光の速さで書類にサインを書き終えると


 足早に背筋をピーーンッと伸ばしてヒールを叩き鳴らし従者が扉を開けきるのを待たずして部屋を悠々と飛び出す


 わ た く し


 ワイスキングバーン・テネブラ


「本日をもちまして殿下との婚約が破棄成されましたわ~~~!!!!」










 勢いだけで扉をこじ開けた私にまず飛んできた物


 剣でしてよ


「貴様はよくものうのうと我がワイスキングバーン家の敷居をまたげたものだな」


「仕方ありませんわ、父上。こちら我が家ですもの!」


「清々しい顔をするな!!」


「今度はお兄様ですの!?清々しいだなんて人聞きの悪い!肩の荷が降りたと申してくださいませ!」


こちら私の父と兄公国第2権力者、騎士家系権力第1位ワイスキングバーン家当主と跡取りでありますの


私は確かに、婚約破棄を喜んでおりますが


なにも私から申し出たことではありません


そうあれはつい2日前……




私の婚約者である公国第一王子のキックス殿下が下半身をフリフリ見知らぬ女性とあらあらっな現場に遭遇してしまったのですわ!!


正直その現場を押え、こちらから破棄を申し出たくて堪りませんでしたが、あまりにも、あまりにもお2人が楽しそうになさるものですから2日ほど待って、正式にお話する手筈を済ませ


「殿下、正直に仰られては如何ですか」


と先程お聞きしましたの!

そしたらなんと婚約破棄!


私の人生がやっとスタート致しましたわ!


これから愛犬と共に剣を携え、旅に出ようかと思いましてよ!!


「許さぬ!この家を出ることを許さぬ!!」


「お父様……涙を見せるなんて騎士の恥ですわよ」


「ズズっ!泣いてなど、お前が家から飛び出て行かぬよう殿下との婚約を取り付けたというのに、敷居は王妃となってから跨いで欲しかった」


鼻からお水が垂れてますわよお父様


「おてんば娘を絵に描いたような娘だと言われ続け、どうにか落ち着けようと王妃教育を受けさせてきたというのに」


「お兄様、まずそこが間違いでしたわよね!私そういうことは逃げ出したくて堪らなくなりますもの」


「行かないでくれテネブラお願いじゃぁぁぁ」


あらあらまあまあ我が国最強の騎士の面影は何処へやらですわね

私昔から家を飛び出すのが趣味でしたので、家族は私をこの国に留めようと必死

ということは理解しておりましたが


だからと言って行動を制限されるのは私とっても不愉快ですの


ですので身分も捨て冒険者になる道を夢みて来た日々……


やっと報われますわ!!!


「さっ行きますわよ!ラピスリー!」


名前を呼ぶと飛んでくる羽の生えたこの大きなわんこ♡


私の愛しのキメラちゃんですわ

このこをパートナーとしてあらゆるダンジョンに挑み富と名声には興味はありませんが、ラピスリーの豪邸を建てると約束いたしてますの


ラピスリーは私の言語を理解はしますが、お返事はできませんの



キリリな瞳で私を乗せてくれるラピスリー

これからはこんなドレスも着なくていいのね


「では!行ってまいりますお父様!お母様!お兄様!」


お母様はまだ婚約破棄のショックで寝室でしたが善は急げ、出発ですわ〜〜〜!!!




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