Beat #1 「伝説の予兆」
中学生設定にするとこの先の展開やばすぎるなと思いながら先に進めていきます。
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本作品は、筆者の中学時代に作成された言わば「黒歴史小説」です。
ある程度の校正は入りますが、本小説のほとんどを中学時代の原文ままで進めさせていただきます。
当時の思い出の詰まった作品ですので、何卒生温かい目で見守っていただけますと幸いです。
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beat #1 「伝説の予兆」
蝉の鳴き声。
太陽の熱。
紛れもない、夏。
少年「暑い…」
決して半ズボンという制服が作られることのない学校という名の灼熱地獄。
少年「暑い…暑いぃ…」
とある高等学校、2学年のフロア。
2階にあるこのフロアは、窓が少なく風通しの最悪な環境下にあり、他階より熱気が強い。
少年「暑い…暑い…あぁつぅいぃ…」
少女「あーーーー!!もう!!このクソ暑い日に暑い暑いばっかり言わないでよ!!余計暑くなるでしょうが!!」
先ほどからナレーションを妨げて「暑い」を連呼していた少年の元に、近くで座っていた少女が怒鳴り込む。
少年「なんだよ…暑い時には暑い、寒い時には寒いって素直に言葉にするのが俺の美学だ。口を挟むな」
少女「何その美学…素直な事は素敵だけど、とにかく暑い暑い言うのはやめて」
少年「ちぇっ…ケチ」
少年の名は桜庭陸人。
少女の名前は鈴野宮藍羅と言う。
2人は生まれた頃から両親の家が近く、言わば幼馴染の関係だ。
特に部活に所属しているわけではない2人は、今日もすることなく、何となく放課後の時間を過ごしている。
「はぁ…ただでさえ暑いのに、そんな言い合いをしてたら尚更暑くなるよ…」
そう言って2人の元に寄ってきたのはクラスメイトの杉崎千種。
陸人「千種、聞いてくれよ〜…って、お前ワイシャツの表裏逆だぞ?」
千種「…あっ」
そしてそのままどこかへ消えてしまった。
陸人「なんなんだあいつは…」
藍羅「あぁ、そうそう。今日あんたに話しかけたのは他でもない。」
陸人「他でもあるのかよ」
藍羅「うむ、くるしゅうない」
陸人「誰なんだお前は」
藍羅「まぁ冗談はさておき、千種とさっき話してたんだけど、あんた夏フェス興味ない?」
陸人「夏フェスぅ?」
夏フェスといえば、言わば音楽の祭典。
プロのアーティストたちが数万人のファンたちを鼓動させる、熱狂的なお祭りのようなものじゃないか。
陸人「なんでまた夏フェス?」
藍羅「近くの商店街のくじで当てたのよ。チケット3人分」
陸人「そりゃまたすげぇな…で、俺と千種に声かけたってか」
藍羅「そゆこと♪」
千種「失礼…誰も僕のワイシャツは見なかった。いいね?」
ワイシャツをしっかりと着直してきた千種も会話に加わり、話は夏フェスへと向かう。
陸人「まぁすることもないし…いつなんだ?」
藍羅「今週の土日よ」
陸人「随分急だなっ!?」
千種「まぁ、そう言っても暇なんでしょ?先っちょだけでいいから行ってみようよ」
藍羅「…」
陸人「…まぁ、暇だしいってみっか」
かくして、音楽についてまだ何も考えていない少年少女3人は、本当にお試し感覚で夏フェスを経験してみることとなった。
しかしまだ3人は知らなかった。
この夏の経験が、これからの彼らの学校生活を大きく変えることになるとは。
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【登場人物】
桜庭陸人…おちゃらけてるが、真面目な時は誰よりも真面目。スケベ。
鈴野宮藍羅…真面目で頭がいい。気さくで、誰とでも仲良くなれる。むっつりスケベ。
杉崎千種…3人の中で1番頭がいい。しかしどこか抜けている。スケベ。
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