表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

突然


……起こされる前に起きてしまった。

起きてもどうせすることがない俺はそのままベッドの中に居た。


ここは“アンブレラハウス”と言う名前のシェアハウスのような家。

ここには


俺以外に

姉の 白雪 緋色、白雪 緋色(しらゆきひいろ)

モデルの そらそら、

家出少女 夢中 桃、夢中 桃(ゆめなかももも)

知り合い1道成 千歌、道成 千歌(みちなりちか)

知り合い2戸檻 真宵、戸檻 真宵(とおりまよい)

居候 音羽 ねおん、音羽 ねおん(おとはねねおん)

現在不在 古川 柳、古川 柳(ふるかわやなぎ)

の合計7人が暮らしている。


ちなみに柳が居なくなってもう3年だ。

このハウスで柳のことを知っているのは俺と緋色とそらそらくらいしか居ない。


「みなさーん!朝ですよ〜!起きて下さーい!」

家事係である桃が下で叫ぶ。

毎朝この声で全員目覚めるのだ。

下に降りてダイニングの席につく。

色とりどりのサラダ、ちょうどいい焼き加減のパン、醤油がかかった目玉焼き………

いつも通りの朝ごはんだ。

「「「いただきます」」」

それから全員が箸を持ったら食事の始まりだ。


食べ終え、自分の食器は自分で洗う。

「創くん 髪結ぶよぉ〜」

「あぁ」

いつも自分で結びはしないし、切りもしなかった俺の髪は伸び放題。

男には見えないような長さ。

それを見た千歌は毎朝俺の髪を結んでくれる。

………と言っても横に編み込みを入れるくらいだが。


まあ、そんないつもの朝が来たのだからいつものように夜が来て1日が終わると思っていた。

だが今日だけは少し、違った。


夕方頃に事は起こった。

ちょうどそのときは緋色は部屋で仕事をしていて、そらそらは任務に行っていた。


柳が急に帰ってきたのだ。

だがそうだ。古川柳という男は何をする時も急なのだ。


そして柳がハウスから消えた理由もだ。

柳は別に誘拐されたわけでも生死不明なわけでもなかった。

定期的に連絡も取っていた俺は柳の3年間を理解しているつもりだ。


まあ連絡を取っていたからか

別に久しぶりに会う気もしないし、帰ってきたことへの嬉しさも 帰って来なかったことへの怒りもない。


だが、ここにいたのが緋色ならば話は変わっただろう。

緋色は兄弟子である柳に憧れていた。

あるいはそれ以上の感情があるのかもしれない。


リビングに突然現れた柳はさらに突然なことを言う。

「創くん、またメンバーが増えますよ!」

柳が何でもかんでも突然な人間と言うことは今に始まったことではなかったからか、俺は呆れてしまった。すごくニコニコしている柳は1人増えるだけでどれだけ俺に負担が掛かるのかわかっているのかいないのか………。


「創くーん、その人。だぁれ?」

「あ!創くん、お客さん来てたの!?今すぐお茶を………」

千歌と桃が来ることにより少し騒がしくなる。

「あー……コイツは俺の友達………にしては歳が遠すぎるな。あぁ、現役のオジサン古川柳だ」

2人の顔を交互に見ながら柳を指差す。

「えぇ!オジサンは酷くないですか!?まだ25歳ですよ!緋色と対して変わりませんよ!?」

「うっわ、10歳差で友達とか俺だったら無理………」

うげ、とした顔でこちらを見てくる千歌。

知ってた。お前はそう言う奴だよな。

「え、柳、さんって……!!」

目を見開き口を手で押さえる桃。

……流石に桃は覚えていたか。

「創くん!私緋色ちゃん呼んでくる!!」

ダッと上の階へ桃は走って行ってしまった。

正直、ハウス内で走るのはやめて欲しい。

そんなに急がなくても柳が帰ろうとした場合俺が力付くで引き止めるのに。


バタバタと、いやドタドタと上から音がする。音は段々とこちらに近づいてくる。

「柳さんっ!」

少し走っただけだろうに息が切れている。

額にはうっすらと汗が見える。

そして上からトントン、とまた誰かが降りてくる。

「緋色様、どうしたのですか?とても疲れているように見えますが、」

真宵がやって来て俺に「何故 緋色が疲れている」と言いたげな顔を向ける。

「緋色、久しぶりですね〜!」

「っ!!緋色様!この客とはどのような関係なのですか!」

柳は緋色に話しかけると同時に緋色の頭に手を置く。その行動に緋色の頬は少し紅くなる。

だがそれが真宵は気に入らなかったようだ。


「たっだいまぁ〜!あぁ〜!疲れ、た……」

今帰って来たらしいそらそらがリビングに入る。するとその片方しか見えない瞳には柳が真っ先に映った。

「え、ちょっ、待て待て待て。創、なんで柳さん帰って来てるの?幻覚?」

何故かは知らんが俺に聞くそらそら。

「知らん。とりあえず手ぇ洗って着替えて来い。」

「えー、創のケチぃー!………じゃあ私抜きで話勝手に進めないでね!」

「わかってる わかってる。」

そう言ってそらそらは洗面所へ走って行った。

……コイツも走るのか。ハウス内で走るのは安全ではないんだが……。


「桃、ねおんを連れて来い。柳のことを説明する。」

「わかった」

コクリ、と頷いて桃は地下の方へ歩いて行った。お、ちゃんと歩いてくれた。

そして洗面所からそらそらが来て上の階へ行った。


そして、全員が集まった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ