ライトノベル男主人公概論~8つのタイプに分類できる!?~
私はライトノベルはほとんど読みませんが、深夜アニメは割と見ている方だと思います。
そこで得た知識から、ラノベの主人公にはどのような性格付けをするべきなのかを考えてみました。
なおどうしても私の主観も入りますので、どうか一意見として読み流して頂ければ幸いです。
また古い作品を対象としているので今のトレンドとはズレがあると思います。
ライトノベルの男主人公の性格は以下のように分類できると思います。
①無色透明で淡泊な性格のモブ男子型
最大多数派でしょう。メリットは癖が無いため、読者の感情移入の妨げにならないことですね。デメリットはよくあるタイプの主人公であるためありがちな展開に陥りやすく、主人公自身に何か突飛な言動を起こさせると「こんな奴だったっけ?」と違和感を覚える事でしょうか。
「とある魔術の禁書目録」「魔法科高校の劣等生」「僕は友達が少ない」「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の主人公などがこれに該当するでしょう。それぞれさらに細かく分類出来るとは思います。
ラノベを書く場合はこのタイプの主人公にするのが無難でしょう。
②陽キャでポジティブなさわやか好青年型
メリットは主人公に好感が持てること、デメリットは大多数の男性にとって非常に書きにくいことです。
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」のベル君が代表でしょう。「賢者の孫」のシンもそうなのかもしれませんが、ベル君とは何か違う気もします。
主人公は作者の分身と言われますが、ベル君のようなさわやか好男子がラノベを執筆するケースは極めて稀だと思われ、自分の対極に位置する人物を書くのは困難です。ダンまちの売上を見れば当たるとデカいのでしょうけど、私には無理です。女性だと書けるのかもしれません。
③陰キャでネガティブなぼっち型
メリットは非常に書きやすいことです。主人公を作者の分身として書く場合、このタイプが一番筆が進み、日記のようにいくらでも書ける気がします。デメリットは、読者が近親憎悪・自己嫌悪を感じてしまい、読むのが苦痛に感じて意外と共感が得られない事でしょうか。
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の比企谷八幡がこのタイプの主人公の覇者として君臨しています。ただ『ライトノベルのシリーズ累計発行部数一覧』を見ると、このタイプの主人公で爆発的に売れたのは俺ガイルだけだと言えるでしょう。作者の渡航先生もTwtterで(異色な作品が多い)ガガガ文庫でなければ通らなかった企画だとおっしゃっています。
このタイプの主人公を魅力的に書くのは簡単なようで実は難しいのだと思います。八幡は序盤で面白い発言を連発するので上手くいったのでしょうか。
④頭脳明晰な天才型
メリットは主人公がかっこよくてそこにしびれる憧れるゥ?デメリットは主人公が本当に天才だと思える頭脳戦を書くのが難しい事でしょうか。
「ノーゲーム・ノーライフ」「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」の主人公が該当します。大元は「銀河英雄伝説」のヤン・ウェンリーでしょうか。
⑤すぐキレるイキリ野郎型
メリットは無し……ではなんなので、ごく一部の読者に共感される?デメリットはたくさん。
古くは「ロードス島戦記」、最近では「百錬の覇王と聖約の戦乙女」の主人公。漫画では「進撃の巨人」のエレンですね。漫画では多いと思うのですがラノベでは少なそうです。こういう主人公がいないことがラノベの存在意義なのかもしれません。果たして小説家になろうでこのタイプの主人公で成功した例はあるのでしょうか?ラノベでめったにないタイプなので逆張りの狙い目かもしれませんが。
ただ①型がまれにイキるケースはよくあるので、作品に刺激を与えるスパイスとして時に主人公をキレさせるのはありなのでしょう。
⑥チャラ男型
メリットはヒロインとの絡みを面白おかしく描ける、デメリットはほとんどの読者の共感を得られない……でしょうね。
「境界線上のホライゾン」「変態王子と笑わない猫。」「生徒会の一存」「はぐれ勇者の鬼畜美学」「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」の主人公が該当するでしょう。「Re:ゼロから始める異世界生活」のナツキスバルはこれとイキリ野郎型のブレンドにも感じます。
漫画の「うる星やつら」などの大昔のエロコメに多かったタイプで古い印象もありますが、ラノベでも意外と成功例も多く感じます。読者層にとって憧れの男性像であるからでしょうか?
⑦温厚で冷静沈着で大人、皆から愛されるおっさん型
今一番アツい主人公でしょうか?メリットは高齢化してきたラノベ読者層にリーダー論的に支持されること、デメリットは主人公に若々しさが無くて勢いは感じないことでしょうか。
「はたらく魔王さま!」「オーバーロード」「転生したらスライムだった件」「GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」「異世界魔王と召還少女の奴隷魔術」の主人公が該当するでしょう。
「幼女戦記」は冷酷なおっさんなのでこれらと違う稀有なタイプですが、途中からこのタイプになって行っているようにも見えます。
三国志の劉備、水滸伝の宋江をイメージして書くといいのかもしれません。
⑧変な性癖を持っている主人公
超少数派。メリットはオンリーワンな作品になれる、デメリットはネタが続かなくなる、でしょうか。
「えむえむっ!」のマゾ主人公、「俺、ツインテールになります。」のツインテ好き主人公がこれに該当します。
それぞれ性格は①なんですけどね。これも狙い目かもしれません。
結論としては、①か⑦にしておけば無難、②は狙い目かもしれない、でしょうか。ただここに分類されるようでは既に古い型の主人公とも言えてしまうので、ここに無いタイプを考えるとか、ダメとされた性格を敢えて選ぶのもアリなのかもしれません。