第2話
何事もなく日曜日も終わり、地獄の月曜日がやってきた。地獄といっても何かあるというわけではない。ただただ退屈な授業を受けるだけのことだ。
俺は学校にいつもギリギリに登校する。なるべくリア充どもの空間にいたくないからな。それと朝は眠たい。
俺は自分の席に座る。するとチャイムが鳴り、それと同時に担任が入ってきた。
2年5組の担任は吉竹先生。数学担当のイケメン教師として学校で有名だ。いつも女子からかっこいいと騒がれている。つまり俺の敵だ!
「ほら早く座れ、チャイム鳴ってるぞ」
さっきまで騒いでいたリア充どもが一斉に席に座った。全員が座ったのを見て今日の連絡を話し始めた。
吉竹先生の話は基本5分ぐらいでおわる。しかしホームルームは15分間すると決まっている。では何をするのか……。
「ほら勉強しろよ」
俺のクラスは一応進学クラスだ。そのためかどの教師も勉強、勉強言ってくる。
吉竹先生に言われるがままに皆んな単語帳だったり参考書など開いて勉強し始める。かくいう俺も勉強を……していなかった。俺はこの時間いつも読書をしている。もちろんラノベだ。
最初の頃は勉強しろと言われたが俺はその指示を無視して毎日ラノベを読んでいると、諦められたのか吉竹先生は何も言わなくなった。
ラノベを読んでいると、ホームルーム終わりのチャイムが鳴る。
◇◆◇◆◇
今日も一日何事もなく終わった……なら嬉しかったのに。
俺は掃除を終わらせ、鞄を取りに教室に戻った。その時に事件は起こった。
掃除が終わって教室に戻るといつもなら誰も居ないのだが今日に限っては違った。窓の外を眺めている亜麻色の髪の小柄な女子がいた。
俺は気にすることなく鞄を取り教室を出ようとすると。
「ちょっと待ちなさいよ」
彼女に声をかけられた。俺はそれを無視して帰ろうとすると。
「待ちなさいって言ってるの、聞こえなかったの。その年でもう耳が遠いなんて可哀想だわ」
彼女は俺に毒舌を吐いてくる。しかし甘かったな。俺はこういうことで怒ったりしない。言われ慣れてるからな。
俺は彼女をさらに無視して帰ろうとすると、彼女に俺の襟を掴まれた。するとそのまま思いっきり襟を引っ張られ地面に叩きつけられた。
「痛っ!何すんだよ!」
「あなたが無視するからでしょ」
「そ、それはだな……あれだあれ、知らない人と話するなって母ちゃんに言われてんだよ」
「知らない人って私一応同じクラスなんだけど」
「へぇー、そうなのか。知らなかった」
「あなたクラスメイトに興味なさすぎじゃない」
彼女は呆れたように言う。
「リア充どもになんか興味ねぇーよ」
「ぼっちだからリア充が妬ましいのね」
「はぁ?何言ってんの?ぼっち最高じゃん。その素晴らしさが分からないなんて可哀想だな」
「そんなことはどうでもいいの」
「どうでもよくねぇーよ」
「話の骨を折らないでくれる」
「は、はい」
「それじゃ本題にはいるわよ」