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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

英雄or魔王

作者: とーろう

ふと思いついて衝動のままに書いたので初投稿です。

「ナニニナリマスカ?」

 

「...なんだ?これ」

 

 俺、新城太河は気がつくと知らない荒野にいた。そこで謎の生物?機械?に話しかけられていた。

 

「ナニニナリマスカ?」

 

 再度、それから言葉が発せられる。...なにになるっていっても...ん?なんか目の前にディスプレイ?がある。俺はそれを見てみた。

 そこには

 

・英雄

・魔王

 

 と2つの項目が並んでいた。


「この中から選べって言うのか?」

 

 俺はそう言う。しかし、その生物からは

 

「ナニニナリマスカー?」

 

 としか帰ってこなかった。ううん、これ押したら即決定なのか?というかこれしか無いのか?色々聞きたいぞこれ。

 

「まあ、やっぱこういうのはテンプレ的に英雄でしょ!よし!決めた!」

 

 そして俺は、英雄の項目を選んだのだった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 ここは戦場。善人も悪人も王も奴隷も何も関係なく命を落とす場所。そこでまた今日も戦が行なわれていた。

 

「進めェ!怯むな!魔族共に我らの威光を示すのだ!」

 

 豪華な鎧装束で自軍の兵を鼓舞するはタイガ・アーラーキ。生まれながらにして魔法特性、剣術特性を併せ持った天才である。弱冠20歳にして帝国騎士団団長に就任、数々の偉業を成し遂げてきた。そのため、帝国や周辺国からは「英雄」と呼ばれていた。

 そして今。人類の領域へ侵入してきた魔族との大戦の指揮をとっていた。この戦争ではタイガ率いる人間軍が魔族の軍団と戦っている間、別働隊で動いている勇者、賢者、聖女、戦士の一行が魔王を討伐する、という作戦が立てられており、タイガ達は連日、魔族との激戦を繰り広げていた。

 タイガが戦線より帰投し自軍のテントへ入る。そして、1人考えた。

 

(俺がこの世界へ来て30年余りか...思えばずっと戦ってばかりだったな。戦って、戦って、そして気がつけば英雄か...こんなはずじゃ無かったんだけどな。)

 

 そう。タイガ・アーラーキは新城太河のこの世界での姿だった。

 初めのうちは周りから天才だ、英雄だともてはやされても悪い気はしなかった。それどころかいい思いもした。しかし、時間が立つにつれいつしかそれはタイガにとって重荷となっていた。

 自分と並び立つものはおらず、常に前線には1人、まさしく孤独であった。

 

「もう疲れたな...この戦争が終わったら引退も視野に入れるか...」

 

 そうポツリと呟いた時、伝令がタイガの元へ届いた。

 どうやら別働隊で動いていた勇者一行がついに魔王との戦いを始めた、という事だった。 

 

「よし!私も出る!勇者達が魔王を討伐するまでの間、なんとしてでも魔族共を食い止めるのだ!」

 

 そう言い、タイガも戦線へ出ていった。

 

 

 しばらくした後、戦場が落ち着いてきたと思えば驚くべき情報が伝えられた。なんと勇者達が魔王の手により全滅寸前だ、というではないか。

 すぐにタイガは救助隊を編成し、勇者達の救援へ出向いた。

 

 魔族の居住地である洞窟へ着いたタイガ達一行。やはり魔物が大量に跋扈しており、長時間の行動ははばかられた。

 

 やっとのことで勇者達を見つけた救援隊であったが、それは凄惨たる光景だった。おそらくは賢者だったのであろう遺体。かろうじて着ている衣服からそう判別できた。戦士は四肢が千切れかけてはいるが、まだ息はあった。そして、聖女と勇者がかろうじて立っており、フードを目深に被った魔王と対峙していた。

 

「...!タイガさん!」

 

「勇者!救援へ来たぞ!救援隊!勇者達を連れ早々にここを離脱しろ!遺体もだ!私が殿を務める!!!早く行けェ!」

 

「す、すみません!どうか、ご無事で!」

 

 勇者達が退却を始めると同時にタイガは魔王へと切りかかる。

 しかし魔王は片手でその剣を受け、タイガへと話しかけた。

 

「なんとも勇敢な戦士。その身一つで私と張り合えるとでも思っているのか。甘い。甘いぞ。私はそんなに甘くは無いぞ。」

 

 突如、魔王から放たれる魔法でタイガは吹き飛ばされる。

 とっさに受け身をとるがすぐに魔王が迫ってきていた。そして魔王の鋭い剣が飛んでくる。

 

「ッ!ウゥラァァ!!!」

 

 タイガは声を張り上げ、それを剣で受ける。火花が散り、両者が拮抗する。

 

「ハハハハ!!楽しいなぁ!私の剣を受けることが出来るとは!やはり強いなぁ、『新城太河』?」

 

 タイガはその名に驚き、その隙を突かれ吹き飛ばされる。

 

「驚いているようだな?なぜこの名を知っているか。」

 

「何故だ!何故その名を知っている!答えろ!」

 

 タイガは聞く。

 

「知りたければ私を倒してみせるのだな。そうすれば答えが分かるだろう。さて、お前にはまだ切り札があるだろう。それを使わずして私に勝てるとでも思っているのか?全力で来るがいい。」

 

 タイガはさらに驚く。タイガの切り札―――竜人化。それは自分の身を竜の体に近づけ、身体能力を高める、というものだった。

 しかし、それはタイガ以外には知りえない情報であった。

 

(何故こいつは俺の能力を知っている?なんだ、魔法か、魔眼か...クソッ!考えてもキリがない)

 

「...ああ、やってやろうじゃないか。『竜人化』!」

 

 タイガがそう言うと、体が竜の体へと作り替えられていく。細胞の変化による激痛。常人でなければ気が狂ってしまうであろう。しかしタイガは並外れた精神力でそれを押し退け。竜人へとなった。

 

「グッ...やはりこの体になるのには慣れないな...」

 

「素晴らしい力だ、タイガよ。その力さえあれば私を超えることもできよう!さあ、私を殺してみせよ!」 

 魔王はそう言う。タイガはその言葉に疑問を感じる。

 

(なんだ?コイツは殺されたがっている?まあいい、そのお望み通り殺してやる!)

 

 タイガは地を蹴り、魔王へと接近する。魔王とタイガの剣が交わる。それと同時に地を揺らすほどの轟音が鳴り響き、洞窟内で落盤が発生する。それでも尚、魔王とタイガの魔法と剣、拳と蹴りの応酬は続く。

 

 どれほど時間が経っただろうか。最後に立っていたのはタイガであった。魔王は地面へうつ伏せになり倒れていた。

 

「ハァ...ハァ...勝った...のか?やった、勝ったぞ!」

 

 タイガはそう言うと、これからの事を考えながら、魔王へ歩み寄っていった。これでやっと終われる。この戦争が終わり、引退生活が待っている。もう孤独はたくさんだ、英雄はたくさんだ。嫁を作り、幸せな家庭を築くんだ。

 

 

 やがて、魔王の倒れている場所まで着いた。タイガは生唾を飲み、はやる気持ちを抑え、魔王のフードを外した。

 

 

 そこには「タイガ」がいた。

 年齢ははるかに上であったが、それはまさにタイガだった。

 

「...は?なんで、俺?俺が、魔王?」

 

 タイガが混乱していると、魔王が目を開き、タイガへと言った。

 

 

「ああ、そうだ。私はお前だ。」

 

「な、なんで!俺が魔王になってるんだ!」

 

 タイガは声を張り上げ、魔王へ詰め寄る。

 しかし、魔王は笑うばかりで答えようとしない。

 

「さあ、どうする。私は魔王だぞ。このままであれば私はまた回復し、人共を滅ぼしに行くぞ。それでいいのか、『私』よ。さあ、早くトドメを刺せ。さあ。さあ!!」

 

 魔王がそう言う。タイガは混乱する頭を切り替え、魔王へと剣を突き立てる。

 

「ハハ...やっと...休める...そして......次は――」

 

 魔王はそう言い、絶命した。

 

 

 タイガは傷付いた体を引きずりながら、魔族の洞窟より出る。洞窟内は魔王が倒されたからか、魔物の姿が全く見えなかった。

 やっとのことで自軍へと戻ったタイガであったが、自分の体の状態をすっかり忘れていた。

 

「な、なんだ!この魔物!おい!こっちに魔物がいるぞ!」

 

「...え?俺、タイガ...魔物じゃないぞ?」

 

「おのれ!魔物ごときが英雄であるタイガ様の名を口にするな!タイガ様がお前の様な歪な体であるはずがないだろう!」

 

 そう言われ、やっと自分の体の状態を思い出した。

 竜人化―――それはタイガしか知り得ない切り札中の切り札。それを周囲へ伝えなかったことが今になって仇となった。

 

 タイガは味方から魔法、剣、大砲を雨のように浴びせられた。

 とっさに竜人化を解く。

 

「ま、待ってくれ!俺だ!本物のタイガだ!タイガ・アーラーキだ!」

 

「コイツ!名前ばかりでなく姿まで!怯むな!この魔物を殺せ!」

 

 しかし、それでもなお攻撃は止まらなかった。

 タイガはたまらず逃げ出し、元の洞窟へ戻ってきた。そして、魔王の亡骸を見て、こう言った。

 

 

「...これが、お前が魔王になった理由か。ふふ...ははは...あーっはっはっはっはっはっ!!分かったよ、そうでもしなければ、休めない、という事だな!分かった。ならば―――」

 

 大河はそう言うと、自分の首をはねた。

 

 

 

 見知らぬ荒野。いや、今は前に一度見た荒野。そこには

 

「ナニニナリマスカ?」

 

・英雄

・魔王

読んでいただきありがとうございます。

戦闘描写や会話を書くのってやっぱり難しいですね。


最後は投げっぱなしジャーマンみたいになっちゃいましたけどみなさんでそれぞれ妄想を膨らませてください。

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