其之四
かなり短いですが、次から新章に入ります。
そうして、きい達が久しぶりの休日を楽しんでいる?時、京都にあるどこかで話し合いが行われていた。
「それで、どうされるんですか?陵様。」
栗色のボブにキリリとした黄色の瞳をした少女が、陵と呼んだ茶色の膝下ロングに琥珀色をした瞳で長身の男性に問いかける。
「封じの姫がこの世によみがえってきたということは、奴も復活するでしょうね。」
緑色の髪に茶色の目をした男性が、なにか長い巻物から視線をあげて、二人に言う。
「どう?暦。感じる?」
ずっと目を閉じていた白色の膝ぐらいの長さをした髪の少女に、栗色ボブの少女が聞くと、その子がゆっくりと口を開く。
「うん。かんじるよ、かほ。ぜったいってわけじゃないけど、けはいはかんじる。」
ふっと目を開くと、暦と呼ばれたそのその少女が言った。
「りょおさま。あのこのかんぜんふっかつにはまだじかんがかかります。ゆっくりと、かくじつににたてていくといいとおもいます。」
その言葉を聞くと、陵がガタリと音をたてて椅子から立ち上がった。
「なにをするんだ?」
奥の壁にもたれかかっていた紫色のミディアムヘアに左右違う瞳を持った、背の高い男性が聞く。
すると、陵はゆっくりとその男性に微笑みかけて言った。
「やってみるんだよ、冷。あの占いを……また。」
すると、部屋の中にピリリとしたかすかな緊張が走る。
部屋の中心にある、半透明の大きなテーブルに向かう陵。
その行動について、テーブルの周りに、他の三人が囲むように立つ。
「赤羽、聖水を。」
「はい。」
赤羽と呼ばれた、巻物を見ていた男性が、水色のグラスを持ってくる。
それを受け取ると、陵は呪文を唱えながら水をテーブルの上にこぼしていく。
よく見ると、そのテーブルには何かの模様が書かれていた。
「空天 霊鈴 春花 秋楼
聖龍士の名において
時のはざまより 伝えし
凌駕 霊唱 光矢 光輝
青龍の意を継ぐ
時のはざまより 聞こえし
地緑 天雅 大日 光優
龍精の力をつむぎ、
ここに、永久の記憶を」
最後の一滴がぽたりと落ちると、模様がキラキラと輝きだして、一筋の光が天井を示す。
五人が上を見上げると、光が文字を描いていた。
「この子が、伝説の『封じの姫』……。」
佳穂がそうつぶやく。
天井には、崩した文字でこう書かれていた。
『巴樹』
と。
「そろそろだ……。この地に終焉の時を迎えようではないか……。」