其之一
みなさん、おはこんにちは!こんばんは。
やっとかけましたよ~、「ドラゴンすくらんぶる!」
これから、ゆっくりと投稿していくのでよろしくです(^_-)-☆
それでは、どうぞ!
ある晴れた日の朝。
「おはよー、きい。」
「おはよ。」
挨拶をしてきた少女に、きいは短く答える。
(あー、腹減ったぁ)
サラサラとした黒髪をくしゃりとして、コンクリートを踏みしめる。
十二歳の時家族が事故で亡くなってしまい、私立の中高一貫校、皐月学園付属の睦月寮に入ったきいは、朝ごはんを近くのそば屋さんで食べようと向かっていた。
基本、食事は自由なので、外食でも食堂でも食べてもいいことになっている。
「おー、いらっしゃい!きいくん。」
いつもと同じそば屋のちょび髭おじさんが、元気な声できいを迎える。
「どーも。」
ぺこりと頭を下げて、いつもの指定席である窓側の席に着く。
店内には、朝ながらも、眼鏡のスーツ姿のおじさんと太ったおばさんと緑のフードを被った少女、他5・6名が座っていた。
実は、きいがここに立ち寄ったのは、朝ごはんのためだけではなく、別の用事もあった。
カランコロン♪
と、きいが座って少し経ったほど、扉の鐘が鳴る。
扉の奥から、きいより少し高めの背に真っ赤な髪の毛をした男の人が入ってきた。
誰かを探しているようなそぶりを見せた後、まっすぐときいのいるテーブルにやってくると、笑顔で座った。
「よう、きい。久しぶりだなぁ!」
くしゃくしゃと頭をなでる男性に、きいは上目遣いに睨みながら言った。
「佐久兄、やめろ。」
「まあまあ。」
佐久兄と呼ばれた男性は、そう言いながらにやにやと笑っておじさんを呼ぶ。
「おじさん、普通盛二つな!」
「はいよ!」
厨房から威勢のいい声が聞こえてくる。
佐久が、顔を前に戻したその時。
きいが冷え冷えとした表情で言った。
「それで、佐久兄は俺に何の用?」
「ああ。そうだったな。」
お冷を一杯飲んで、佐久は微笑んだ。
「きい、知ってるか?今朝の龍雅会の発表。」
「………………今朝はすぐ出てきたから知らないけど。」
「そうかぁ。なら、話しがいがある。」
「佐久兄の話しって、絶対長くなるよね。」
「まあいいじゃないか。龍精全員に知らせなきゃいけないらしいんだから。」
「はあ……。」
あきれ顔でため息をつくきい。
がっくし、と肩を落として、お冷を飲んだ。
話しを飛ばしすぎてしまった。
ここで、詳しく説明しよう。
日本には、陰陽師や呪術師他、様々な術者がいるが、全国各地にちらばる、「龍精」と呼ばれる者がいることを皆さんは知っているだろうか。
龍精とは、日本に古くから伝わる不思議な力を使う術者達のことで、多数の種類がある『龍』の力を、自らの体に宿し、宿した龍の力を使う。
そして、誰もが龍精になれるというわけではなく、才能を持つものや、その一族に生まれた者などが龍精となる。
次に。
龍精には、二つのタイプがある。
普通の龍の力を持つものと、特別な龍の力を持つ者とだ。
普通の龍の力を持つ者は、「龍精」だが、特別な竜の力を持つものは、「龍精」の前にその龍の力を表す漢字一文字が入る。この特別な龍は、六つの種類に分かれている。
まず、五行龍。木火土水風の力を自在に操る。
炎龍・水龍・風龍・華龍・草龍の五匹。
次に、色龍。世界を彩る色の力を操る。
赤龍・白龍・黒龍・黄龍・緑龍の五匹。
次に、四季龍。その名の通り、春夏秋冬の特性を操る。
春龍・夏龍・秋龍・冬龍の四匹。
次に、空天龍。空に広がる自然の力を操る。
飛龍・氷龍・虹龍の三匹。
最後に、対五龍。相反する力を操る。
天龍・地龍・光龍・闇龍・霊龍
の二十七種である。
普通の龍精は、主にそれぞれの住む地域を守護することだが、二十七族生の龍精の仕事は大きく分けて、二つある。
が、詳しくは後々説明することにしよう。
この二人も、龍精の中の一人。
信重きいは十六歳。
二十七族生の龍精、空天龍の一人、飛龍精。
とにかく辛い物が好きで、見境なく唐辛子や七味をかけまくる。キムチや激辛ラーメンも真顔で完食してしまうほど。それは、見慣れぬ人から見ればドン引くレベルである。
神霊佐久も、二十七族生の龍精、四季龍の一人、春龍精。二十歳。
きいのいとこで、過保護に見えるが性格は小悪魔。きいと真逆で超絶甘党である。
また、話し出したら止まらないおしゃべりだ。
「それで。なんなの?発表って。」
運ばれてきたおそばをすすりながら、きいは聞く。
「例の『捜索』の件で。」
その言葉に、ピクリときいが反応する。
「なにかあったのか?」
「実は……。」
【ドラすく登場人物紹介こーなー!】
信重きい
十六歳。AB型。身長 170,1cm。
空天龍、飛龍精。
武器 刀(二刀流常備) 主「空霊」副「天命」
クールだが、少々ツンデレで照れ屋。
わけあって、女子が苦手で離れている。
きい自身、女の子っぽい名前を気にしている。
辛いものが好きで、見境なく香辛料をかけまくり、知らない人が見るとドン引かれるレベル。
運動も勉強もでき、しかもかっこいいので、隠れファンクラブがあるとの噂も。