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混沌の代理戦争  作者: mhk
1章
1/17

1-1

新連載始めました

1-1

雨が降っている…ここは一体…

怒声が聞こえる…こっちは銃声かな…

逃げろ!あれ?体が動かない…腕も短いし、足も短いし…

やばい!足音が!誰か助けて!

テントの中に入ってきやがった!やめろ!銃口をこっちに向けるな!

-銃声-

あれ?なんで俺は死なないんだ?

この男は?あったかい…あぁ、きっとこの人が俺の父さんなんだな…



「お兄さん、起きてください。先生が凄い顔でこっちをみてます」

ん…?妹の声か?

あぁ、そういえば授業中だったか?

しょうがない、起きるか。

「ん…あぁ先生、おはようございます」

ふむ…この先生は…まあ名前はいいんだ。どうせ覚えられないし、覚える気もない。

お、妹がこっちをみている。うむ、いつ見てもかわいいな。お兄さん、妹のご尊顔だけでご飯3杯はいけるな。

「おはよう、加藤兄。俺の授業はどうだ?眠れるか?お前はいつも寝てるよな。注意するのは何度目だ?いい加減起こるぞ?」

「先生、まず1つよろしいですか?俺は加藤兄とかいう変な名前じゃないです。加藤恭一という名前があります。それから先生の授業はなかなかに寝やすいです。先生、子守歌歌ってますもん。これで通算6回目の注意です。初回からパーフェクトです」

「はぁ…もういい。授業を続けるぞ!」

さて、奴は去った。寝るか。

「お兄さん、また寝るんですか?未来は、寂しいです。お兄さんが寝てる間に誰かがまた、未来の大切なものを奪ってしまうんじゃないかと」

ふむ、さすが俺の妹、俺にべったりだな。時々、クラスの連中に白い眼で見られるがなに、気にすることはない。氷のように澄んだ銀髪、深海のように深い蒼色の瞳、スラリと伸びた手足、150㎝の体にふさわしい程度の慎ましやかながら確かにそこにある胸。どれをとっても完璧な美少女だからな。奴らが、嫉妬するのも無理はない。

「妹よ、心配することはない。お兄さんはどこにもいなくならない、ずっと未来と一緒にいる。だから、妹よ、お前も俺の前からいなくならないでくれたまえ?ところで、今、お兄さん「まえ」って何回言ったと思います?ふふふ…正解はですね、お兄さんもよくわかりません!ははは!」

「お兄さんは、面白いですね、ふふふ」

未来ちゃんに笑ってもらえてよかった、うん。さてまあ、授業はあと5分くらいで終わるか。それにもう昼時か。今日の昼は何かな?

「……それで、だ。2053年今から30年前だな。20年にわたる、第3次世界大戦が幕をあけることに……おっと、もうこんな時間か。よっし、今日の授業はここまで」


教師が教室を出てくと、教室内が喧騒に包まれる。昼休みだからであろう、他の休み時間よりもうるさいのは確かである。いくつかのグループに分かれて弁当のふたを開ける者、教室から出て学食へ向かう者、或いは、弁当を持って教室外に出る者。そうして、ある程度の時間がたつと、教室内にはいくつかの島が出来る。主に3つの島である。1つが男子のみで構成された島、俗にいうオタクの集まりである、1つが女子のみで構成された島、こちらは姦し、1つが男女ほぼ同数で構成されている島、リア充集団である。しかし、加藤兄妹はどこにも所属せず2人だけで島を作っている。


「お兄さん、今日のお弁当はアスパラガスのベーコン巻きです、食べてください、私頑張って作りましたので」

妹が、お弁当を取り出してくる。うむ、今日もいい匂いである、昨今のお弁当容器は熱が全然逃げなくていいですね、作り立てのような感じがする。あぁ、人類はこの容器がなかった時代どうやって生きてきたのか…?しかし、こんな妹との甘いひと時も奴の存在が邪魔をするのだ。ほら、今日も来たよ…。

「こんにちは、未来さん、僕たちとあっちで一緒にご飯食べませんか?毎日こんなやつと一緒だと、大変でしょ?」

そう、こいつですよ、このモテる男を体現したようなね?

「あの…えっと…その…ごめんなさい…」

ほら、未来ちゃん怖がってるじゃないか、ちょっと震えてるしさ。まあ、普段はこれで帰るし、

「そんなこと言わないで、さ?他の人たちも未来さんと話したいって、怖がらないでくださいよ。みんないい人たちですよ?」

む?今日は初日以来の粘りっぷりですね。一体何が彼をそこまでさせているのか?

「ごめんなさい…まだ、無理です…」

「今日は、ゆかりさんも一緒なんですよ。未来さんもゆかりさんがいれば大丈夫じゃないですか?」

ほほう、ゆかりちゃんを出してきましたか。確かにゆかりちゃんには何故か未来ちゃんも話せるですな、なんでだろうね。なにか共通点なんてあったかな?

「えっと…小鳥遊さんいるのは嬉しいけど…その…ご、ごめんなさい…」

うぅむ、これは、お兄さん助け舟出したほうがいいかな?

「妹よ、そろそろカウンセリングに行こうか。おい、リア充の柳生君、今日も断られましたな、全く…隣のクラスに幼馴染とかいう嫁候補とか、委員長ちゃんとかいながら未来に手を出すのはさすがにいかんと思いますぞ?小鳥遊さん、今日もお願いしていいですか?保健室に行くのに保健委員がいないといけないっていうのは些かおかしいとは思うんだけどね」

「そうか、残念だよ。明日は一緒にお昼を食べられると嬉しいよ」

ふう、ようやくリア充野郎がいなくなった。まあ、かまうこたぁない。あいつはモテるからな、そりゃあ、頭が良くて運動出来て?優男系ならモテますがな。ほら、今だって姦しい連中から「次郎君!明日は私を誘ってよ~」なんて声かけられてるよ。オタク連中にサムズアップして教室を出る。まあ、つまりそういうことだ、反柳生安定。

小鳥遊さんと、未来ちゃんを伴って、教室からでる。

そこで異変に気付く。


なんで昼間なのに星が出てるんだ?


次の瞬間には眩い閃光に包まれ、浮遊感が体を包んだ。


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