第4話 学園内殺人事件
投稿遅れてすみません!なかなかいいアイデアが浮かばなくて気づけば日が空いていました…。
さてさて今回は玲の新しい友達の奏寺 誠くんが登場します。本編で髪型については触れなかったのでここで。彼の髪型は短髪です。こんだけ!?って思うと思いますがこんだけです(笑)
では、漆黒無光の具現端末 第4話、どぞ!
ーーそれは突然のことだった。
学園を出てからすぐのことだった。聖は突然、急用があるとか言って先に帰ってしまったのだ。
待ったをかけようと片手を伸ばしたが、その頃にはもうとっくに聖の姿は見えなくなっていた。
いつもと様子が違う聖に違和感を感じた玲。
「風邪…なわけないよな。さっきまで元気だったし。聖のやつ、一体どうしたんだろう」と心配と共に裏では何かあるのではないかという疑念が浮かぶ玲。
「いやいやいやいや、そんなこと考えちゃだめだ。聖を疑うなんて…」
そう言って首を何度も横に振った。その発言を振り払うように。
ーー家に帰ってくるまでが本当にあっという間だった。これもやはり聖とのやりとりが無く、1人で帰ってきたからなのだろうか。どこか寂しさを感じる。
異端者と戦ったからか、心労しているのか、或いはその両方なのか、玲は食事をすることなくベッドに入って眠ってしまった。
ーーまただ。
また、夢に出た4翼の竜だ。しかも、今回は前回と比べてよりはっきりと見える。ただ竜だけがはっきり見える、という訳ではなかった。両親の顔もより詳しくみえる。
より鮮明になった為か、炎に包まれた街の中で玲の両親は玲に対して何かを告げようとして、その前に殺されたように思えた。口の動きから推測するにごめんなさい、だろうか。
それ以降の内容は前回見たものと同じ展開だった。なんにせよとても目覚めの悪い朝を迎えた玲。
なんとなくだが太陽の日差しがきつく、まるで睨まれているようだった。
ーー学園に着いた。
着いたには着いたがいつもと違うのはただ一つ。
聖と一緒ではないということ。家が同じ階にあるので学園には一緒に行くことになっていたのだ。
しかし今回は玲1人で登校した。
重い足取りでB組のドアをくぐると聖がいた。
どっと安心感が溢れ出る。
「ふぅ」と安堵の表情と息が出る玲。
玲は安心で胸を撫で下ろし、スッと息を吸って聖のもとへ歩み寄る。
「聖、心配したぞー。てっきり風邪でも引いたかと思ってさ」
「いやですね〜、風邪だなんて。言ったじゃないですか急用だって。もう、榊さーー玲ってば」
晴空が嵐によって黒くなるが如く、聖の顔は笑顔から一転して暗い顔になった。とはいえ一瞬だけだった。
「??、聖?」玲は聖の表情が曇るなんて、と不思議に思って呼びかけた。だが、聖はそれどころではないようなーーそう、まるで命の狙う者から逃げきった時のような、もっというなら緊張が解けたときに出るため息のように「危なかった」と小さく独り言をもらす聖。
聖は玲の方を見ると玲にはうまい具合に聞き取れなかったらしく、首を傾げられたが、それはそれで一難去ったような感じがした。
玲は玲で聖も急用とやらで疲れているのかもしれないと思ったようで、今日のところはあまり話しかけないように心がけた。
その甲斐あってか、玲に聖と学園長以外の知り合いができた。名を奏寺 誠という。
奏寺は黒髪に茶色の瞳で、体型は太っても痩せてもいない標準型。顔も決して悪い方ではなく、むしろイケメンの部類だろう。
「俺、奏寺 誠。よろしくな!」
「よろしく、奏寺。俺は榊 玲」
「……え?、、榊…玲ってあの!?それに腰の2丁拳銃…」
「ああ…そうだよ。入学早々に漆黒無光の二つ名を貰った。…ね」
声のトーンが徐々に下がって “二つ名を” のところからは聞き取りづらい声量になった。
それを見て誠は「なんか嫌そうだな、お前」と言った。
「いいや、嫌じゃないんだ。むしろ大切にしたい名前だからな。ただ呼ばれ慣れてなくて照れてるだけだから気にしないでくれ」と玲は言った。
「そ、そうか?なら良いんだけどよ。あっ、そういえば榊。お前昨日のことについてどう思うよ?」
「ん?聖がどうかしたのか?」唐突な質問に玲は的はずれな事を聞き返してしまった。
半分呆れた顔になったがそのまま続ける誠。
「……。お前さ、ひょっとして昨日のニュース見てねぇのか?ほら、あれだよ。“学園内殺人事件”」
「んだよ、その物騒な名前の事件は」
「知らねーのか?学園内で文字通り殺人が起きたんだよ」
玲にとってーーというより基本的に人にとって殺人事件なんて嫌な気分にしかならないのだが、特に玲の場合は犯人が人ではなく、敵である竜型の異端者によって肉親を引き裂かれたのだから胸糞悪い話だった。
それっきりこの話題については、なるべく触れないようにと心がけた玲。それには誠も賛成だった。
ーーそれからは普通に授業を受けた。が、玲には全くわからない、別次元の話にしか思えない内容だった。
しかし他のみんなを見ると余裕とまではいかないものの、それなりについていっているみたいだった。
顕現力は空気中だけでなく、具現者の体内にも含まれている。そしてその含有量が多いほど長く、そして強力な攻撃を繰り出して戦える。
体内の顕現力は鍛え方次第では増えるのだという。そんな授業を内容だったが玲にはさっぱりでホール型教室の窓側だったこともあり、窓の外を眺めていた。
ーーペチッ
玲の額に白い棒が飛んできた。チョークだ。
「痛ってぇ」玲は額を撫でながら言った。
「授業に集中しろ!」と叱られてしまった。
教師から斜め上に5、6メートルは離れているのにもかかわらず、額に的確に命中させるとはかなりの脅威だ。
ちなみに言っておくとエクリプスの文明はEデバイスやら都市を浮かすほどの文明力はあるものの、そればっかりにポイントを振ったため、未だに黒板とチョークの学校が殆どなのだ。
授業が終わり、誠から声をかけられた。
「授業、わかった?なんかチョーク投げられたみたいだったけど」と誠は言う。
「もう分からん。ちんぷんかんぷんだよ。あんなの宇宙語だろ」と玲は言った。
「ははははははっ。宇宙語って…。やっぱお前面白いわ、榊」
「ハハハ…」
正直宇宙語の何がそんなに面白いのか玲には理解不能だったが一応笑っておいた。
そんな調子で昼休みに突入した。玲は1人で売店に昼食を買いに行こうとすると、誠が一緒に行こうと言った。なんでも、今日は弁当買うのを忘れたとかなんとか言っていた。
ーー売店に到着した。
売店は複数の店員がおり、売買を効率化していた。
「うひゃー、人多いなー」と誠。
「確かに。ここまで混雑するとは思ってなかったな」と玲も同意見だ。
そして並んで雑談をしていると、ようやく自分達の番がやってきた。
「焼きそばパンとカレーパン。それとカフェオレ」
玲は淡々と注文する。
「450円です」
財布から500円をだして50円の釣り銭を貰ってパンと飲み物を受け取って、誠の注文が終わるのを待つ玲。
「んじゃ俺は、カレーパンとメロンパン、それからサンドウィッチとドーナツ、焼きそばパンにあんぱん。
最後にいちごオレ下さい!」
「おま、頼みすぎだろ!どんだけ食うんだよ!?」
だいたい昼にパン6つ食うやつなんてそうそういない希少種だろう、と玲は思った。ごもっともな意見だ。
「せ、1100円になります」顔が苦笑いの店員。
誠は1100円丁度を支払って玲のもとに駆け寄った。
「悪りぃな、待たせちまった」けろっとした表情でそういった。
「それ、食いきれるのか?」とパンの山に指をさした。
「ん?これか?こんなのヨユーだって」とスマイルで返された。
教室に戻り、昼食を取りながら玲はある事について誠に聞いた。
ーー学園内殺人事件だ。
あまり聞きたいとは思わないが、学園内という事もあり、明日は我が身と念には念を入れて玲は聞く事にした。
「なぁ奏寺。学園内殺人事件ってどのクラスで起きたんだ?あと、犯人は?」と問いかける。
「確か1学年のえーっとD組だったな。ちなみに被害者は女子。犯人は不明。噂だと夜に黒いローブを纏った怪しい奴が学園の屋上を走ってたとかいう話だぜ」
「そうか。嫌な話だな」
「まったくだ」誠は頷く。
そう言ったとき、チャイムが鳴り、午後の授業が始まった。
授業内容は午前中の内容と大して変わらないもので、相変わらずちんぷんかんぷんな玲だった。
そして相変わらずチョークを投げられた玲だった。
授業が全て終わり、誠とも別れて帰った。当然聖ともだ。
ーー翌日。
何だか校内がやたらと騒がしかった。その騒がしさはB組、つまり玲の教室に近づく程に騒がしくなっていった。
人ごみと教室のドアをくぐるとそこには信じられない光景ーー変わり果てた聖の姿があった。
読んでいただきありがとうございます!
今回はまあアレですよ、ちょっとね、イヤな感じですけど安心してください。
実は聖ちゃんには秘密があるんです。それは後々わかってきますので今後にご期待ください。
文章力は…あまり期待しないで頂けると幸いです(笑
まだまだ下手くそな文章と思うので。
あと、投稿がこれから不定期更新になると思うので予めご了承下さい。
では今回はこの辺で。今回も読んで頂きありがとうございました!