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 童話

イルカにのったまほうつかい

作者: 星村 哲生

 むかしむかしあるところにルーナという小さな女の子がいました.ルーナはお父さんうみぞいのいえにふたりでくらしています。

 

 ある日のこと、ルーナがすなはまであそんでいると いっぴきのこねこを見つけました。


 そのこねこはきじとらもようでうしろ足につり糸がくいこむ大けがをしていて とてもいたそうにみゃー、みゃーとないていました。


 ルーナはつり糸をやさしくはずしてやり こねこをいえにつれてかえって、足にくすりをぬってほうたいをまいてあげてから、おさかなとぎゅうにゅうをあげるとこねこはおいしそうにたべました。

やがてこねこはもうふにくるまれてすやすやとねむりました。


 そのひのばん しごとからかえってきたお父さんにルーナはこねこをかってもいい? とたずねるとお父さんはこころよくゆるしてくれました。

ルーナはうれしくなりそのばんこねこといっしょにねむりました。


 あくる日のあさ、ルーナが目をさますとこねこのすがたはなくかわりに一本のつえとぎんいろのかみかざりとおきてがみがありました。


 てがみには【きのうはたすけてくれてありがとう。わたしはねこのせいれいテントスだ。

 きのうはこねこのすがたになってあそんでいたらつりいとがからまってうごけなくなってしまった。

 おれいにまほうのつえとかみかざりと、耳のながいこぎつねと空とぶイルカをプレゼントしよう。

 かみかざりをつけるとつえですなをどんなかたちのガラスにもできるまほうがつかえるようになる。

 そのつえでこまっているひとやどうぶつをたすけてあげてほしい】とかかれてありました。


ルーナがかみかざりをつけててがみとつえをもっておもてにでると、なみうちぎわにいままで見たことがない耳のながいちいさなこぎつねとひれのながいイルカがいました。

 ルーナがおうちからお魚をもってくるとにひきともおいしそうにたべました。


 おさかなをたべおえるとイルカはなみうちぎわからふわりとうかびあがり、こぎつねはイルカのせなかにとびのりました。

イルカはルーナの目をじっと見つめてきたあとおびれをルーナの方にむけてきました。

 ルーナはおそるおそるイルカにまたがるとイルカは「ケルルルルルル」とうれしそうになき、うみの上をとてもはやくとびました。


 ようすを見にきたお父さんはルーナが空とぶイルカにのっているのを見てとてもおどろきましたが、ルーナがもっているてがみをよむと『くらくなるまえにかえってくるように』とこころよくおくりだしてくれました。


 ルーナは空とぶイルカにのってたくさんのこまっているひとたちをたすけてあげました。


 山のむこうにいきたいおじいさんにしっかりしたかいだんとてすりをつくりました。


 がけのむこうにいきたいおばあさんににじょうぶなはしをつくりました。


 いずみの水をのみたがっているこどもにきれいなコップをつくりました。


 しとめたシカをやいて今すぐたべたがっているりょうしさんに大きなおさらをつくりました。


 なべがこわれたばかりのおばさんに大きななべをつくりました。


 なべをもらったおばさんはおおよろこびしてとれたてのやさいとおにくでシチューをつくってくれました。

 

 ルーナはおばさんとそのこどもたちといっしょにシチューをたべました。

 シチューはとてもあたたかくおいしいものでルーナはおなかがいっぱいになりましたが、おばさんとこどもたちがとてもなかよくしているのを見てなぜだかとてもさみしくなりました。


 おばさんたちとわかれてからルーナはいえのちかくのすなはまにもどってまほうでガラスでできたおかあさんをつくりました。


 ルーナのおかあさんは『ルーナがちいさいときにとおくへいってしまった』とおとうさんにきかされてそだったルーナはおかあさんのかおをよくおぼえていません。


 ガラスでできたおかあさんはとてもきれいでやさしそうにほほえんでいました。

 

 ルーナはうれしくなりガラスでできたおかあさんにだきつきました。

 おかあさんはとてもすべすべしたゆびでしたがとてもつめたく、ルーナをだきしめてはくれません。


 さっきよりもっとかなしいきもちになったルーナはこぎつねをつれてイルカにとびのり、なきながらうみの上をとびました。


うみの上をとびつづけたイルカはやがて小さなしまにたどりつきました。


 なきつかれてしまにおりたルーナのかたにのったこぎつねはルーナにほおずりします。


 空とぶイルカもしんぱいそうにルーナを見ています。



 

 そのときです。たくさんのカモメがいっせいにルーナたちがいるしまにとんできました。


 カモメたちはルーナがきたほうこう、ルーナのおうちがあるところからとんできたのです。


 あたりは夕やけ空でうみも空もオレンジいろにそまっています。

 ルーナはそのときお父さんのいいつけをおもいだしました。


 ルーナとこぎつねが空とぶイルカにのってうみの上をとんでかえると、カモメたちもいっしょについてきます。


 夕やけの空とうみのあいだをカモメにかこまれてとんでいるうちにルーナはさっきまでのかなしいきもちもわすれてすっかりたのしくなりました。


 やがて日がくれるころ、ルーナはおうちにかえりました。

 かえりをまっていたお父さんにだきついて、ばんごはんをたべながらきょうあったことをお父さんにはなすとお父さんはとてもうれしそうにルーナのはなしをきいてくれました。


 そのひのばん、ルーナはかみかざりとつえをもってこぎつねといっしょにねむりました。


 ルーナのねがおを見たお父さんははまべにでると、ガラスでできたおかあさんにルーナのことをたくさんはなしました。


 ガラスでできたおかあさんはなにもこたえてくれませんでしたがそのかおはつきの光にてらされてとてもうれしそうにお父さんを見つめていました。





 “I miss you.But I never iet go your’s memory”


 


 


 

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