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見てくれ『だけ』を魔女に惚れられて  作者: すしひといちなし
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少女たちのダッグバトル-4-決着

 バリン!


 アーニャの放ったダークボムによって、ルーンレイスを捕らえていた光の檻が破壊される――


『マリョクヲヨコセ~~!!』


 ルーンレイスは、動き出す――最も、魔力の高い人間に向かって――

 ならば……!!


「『魔力よ昂ぶれ!! マジカルハレーション』!!」


 コォォォォォォォ!!


 魔力を一時的に上昇させる魔法――それを使って、ルーンレイスの目標を俺に向かわせる!!


「ミレーニア、リビングメイルと交代させてくれ!!」


「エルト……」


 アーニャがこちらにかけようとして、その場に倒れこむ……無茶な魔法を使って、魔力の消耗が激しいのだろう――


「ほないくで!」


 微笑みを浮かべたミレーニアの姿がうっすらと消えていき、中身のないはずの鎧が動き出す――


『リビングメイル、起動や!!』


 ガチャガチャガチャガチャ!!


 最初は少しギクシャクした動きが、すぐになめらかな動きになる。


『エルト、わかってるやろうけど、制限時間は5分やで!』


『――!!』


 ミレーニアのそんな言葉が聞こえた瞬間、俺の見ている景色が一変する――!!


 そばには倒れふした女の子、アーニャ……少し先に、先ほどまでのミレーニアと同じ微笑みを浮かべた女の子――先ほどまで俺が使っていたニナの体――そしてそれに向かい合う形になっている姫君と聖女……


『マリョクヲ……マリョクヲ……!!』


 ルーンレイスが、ものすごい勢いでニナの体に迫っている――


『違う、お前の相手は!!』


 ズダン!!


 俺はリビングメイルを操り駆けだす!!


 ザッ!!


 途中で、ニナの体を抱き上げ向かう先は――!!


「何をする気だ!?」


「『風よ我を守れ! ウィンドシールド』!!」


 ビュウウウ!!


 聖女の風の魔法が俺を押す返そうとする――


「そんくらいの風でそのリビングメイルを止められるとは思わへんけどな」


 俺に抱き抱えられるたニナの体に入っているミレーニアがそう言う――


 ……ややこしい。


 ズザザザザザザ!!


 俺はニナの体を抱えたまま、ジェシカ姫と聖女の背後まで回り込む――当然それを追いかけてくるルーンレイス!!


「おいコラお前、何を!?」

「く……『虹の障壁よ! レインボーカーテン』!!」


 動揺するジェシカ姫とは違い、聖女は光の壁を作り、ルーンレイスを抑えようとする。


「ミレーニア!! 俺につかまれ!!」


 俺はそう叫び、ニナの体から手を離す!!


「何を!?」

「くっ! はなせ!!」


 ニナの体から手を離した俺はジェシカ姫と聖女を掴み、一気にジャンプ!!

 そして障壁を飛び越えてルーンレイスの真っ正面に降り立つ!!


『マリョクヲ……』


『ああ、この娘たちの魔力を、思う存分食ういいさ!!』


 そう叫んで俺は、ルーンレイスを前に二人を突きだした!!


「いやあああああ!!」

「うわあああああ!!」


 凄まじい叫び声をあげて倒れてしまう二人の女性――ほんの少し罪悪感があるが、これでよかったはずだ――!!


「ジェシカ姫!!」

 ホリアの悲痛な叫び声が聞こえる――

「姫様!!」

「首領!!」

 洗脳が解かれた兵士、まだ洗脳されている兵士も同じように叫び声を上げる――


『マリョクヲ……モットマリョクヲ……』


 ルーンレイスの動きは止まっていない。どうにかしないと……


『――!?』


 バサァ!!


「そこまでである、この勝負決着はついた」


 今まで上空で静観していたジャッジメントが俺たちの側に舞い降りるくる――


「立っているのはうちだけ――というよりニナの体だけ、アーニャと敵対していた二人は倒れてしまった。だからジャッジメントは勝敗はついたと判断したんやろ」


 ニナの体がそう言う――その瞬間、景色が切り替わる――リビングメイルの体から、ニナの体へ俺の意識が移動した、そういうことなのだろう――


『マリョク、マリョクヲ!!』

「――!!」

 すぐ近くに、ルーンレイスが迫ってくる。


 ガ!!


 ジャッジメントが俺に襲いかかろうとするルーンレイスを押さえ込んだ。


「……どうやっているんだ?」

「彼女は今、魂と魔法力だけで動いている――そして魔力を食うだけの存在だ。彼女が苦手としている光の魔法以外では彼女に吸収されてしまうだろう――」


 コオオオオオオ――


 よくよく見ると、ジャッジメントの体の周りを光の魔力が覆っているように見える。


「こうすれば、彼女に魔力を吸収されることなく彼女を押さえることができるのだ」


「……あんた何者だ? そんなことはほとんどの人間ができないし、そもそも翼が生えている時点で人間じゃないだろ!?」


 俺は半眼でジャッジメントに疑問をぶつける――


「吾輩はジャッジメント。勝負事を審査するものだ。それ以上でもそれ以下でもない――」


 ジャッジメントは大仰なしぐさで格好つけると笑っている――

 本当にこいつ何者だ? かなり胡散臭い――……




 そんな時だった、

「うう~~ん……」

「ああ、ううん……」


 うめき声をあげて、目を覚ますジェシカ姫と聖女――


「ジェシカ姫!!」


 ジャッジメントの言っていた障壁がなくなっていたのだろう――目を覚ましたジェシカ姫に駆け寄るホリア――


「ホリア……?」

「ジェシカ姫、正気に戻られたのですね!!」


 泣きながらジェシカ姫の体を抱きしめるホリア――


「わ、私は今まで何を……」


「どうやら、自分を取り戻せたらようね……」


「良かったです、魔女ハピレアの呪縛が解かれて……」


 ズゴ!!


 現実的な音がして、そちらの方を見ると聖女が地面をなぐりつけていた――


「許せない……魔女ハピレア、あの女……絶対に許せない……」


 なんかものすごく強い怒りのオーラが見える。


「よくも私をヌードダンサーなんかにして辱めてくれたわね!!」


 どうやら、洗脳されていた間の記憶も残っているようだ――


「絶対に…絶対に……許さない」


 地面を握りしめ、怒りに震える聖女……しばらくそっとしておいた方がよさそうだ……


「首領、どうしたんだ!?」


 洗脳されている兵士たちが洗脳解けた兵士たちを押しのけジェシカ姫とホリアの元へ近づく。


「ジャッジメント、ルーンレイスをまだ洗脳されている兵士にぶつけられる!?」


 俺はそう言ってジャッジメントを見る――と……

「て! 何をしている!?」


 ジェシカ姫や聖女の様子に気を取られていた隙にジャッジメントはルーンレイスを連れて、俺たちの馬車の方へ移動していた――



「この戦いの勝者は君達だ。ならば褒美を取らせるべきだろう」


 そういったジャッジメントは馬車の中から巨大な棺桶をひっぱりだす――


「何をする気だ!?」


「君たちは、望んでいたのではないのか? こうなることを」


 ジャッジメントは右手にルーンレイスを、そして左手に棺桶から出したレイナの肉体を持つ――


「……何やってる!! やめろ!!」


「これは勝利した君たちへの吾輩からの褒美だ――」


「それはいわゆる余計なお世話ってやつだ!!」

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