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見てくれ『だけ』を魔女に惚れられて  作者: すしひといちなし
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勝手なライバル宣言

「二年前の事、忘れたとは言わせませんわ」

 そう言って俺を指差すウルマ――そう言われても、俺には全く心当たりがない。


「……なぁ、ニナから何かを聞いていないか?」

 俺の問いに、首をフルフルと振るアーニャ。


「さあこちら来なさい!! 前回は私が勝負方法を決めたので、今回はあなたが決めていいですわ!」


 そう言いつつ、俺の腕をつかみ引っ張っていこうとするウルマ。

「ちょっと待ってくれ!! 俺には大事な用事があるんだ!!」

 俺はどうにかウルマの手を振り解く――!


「まぁ! 私との勝負以上に大事な用事なんて何があるというのですか!?」

 あきれたようにいい俺を睨み付けるウルマ。

「それに俺はニナじゃない!!」

「はぁ!?」


 ガシィ!!


 怒ったように俺の顔をつかむウルマ。


「何を言っているのです!? この顔この目、前に会った二年前より多少は成長しているみたいですけど……」


 そう言って俺の胸元を見るウルマ……


「いえ、多少どころかかなり成長してますわね。そろそろブラをつける事を考えたらいかがですか――?」

「あ、それは私も同感」

「何を見てそう言う!?」

 ウルマとアーニャの言葉に、普段は考えないようにしている場所を否応なく意識させられてしまう――

「あ、あのニナちゃん、そういったものを選ぶなら、私が付き合います」

 ホリアまで、場違いなことを言い出している。


「女三人集まって、姦しい、か……」

 したり顔でうなずくシュレア王子。




「俺たちは、魔女ハピレアに洗脳された人たちを救うために、ルーンレイスを見つけなきゃいけないんだ!!」

「ルーンレイス?」

 ウルマが頭の上に疑問符を浮かべて言う。

「なんですの? それは……?」


「ドレッグやシャルロットたちを襲ったという怪物だ。 一週筆箱を送る音を間ほど前の事件で王都は大騒ぎだったが……知らなかったのか?」


「……」

 シュレア王子の言葉に黙り込むウルマ――

「……カルロス、セバスチャン……!!」


「はっ! ここにございます」

「おう!! 呼んだかお嬢!」


 筋骨隆々、とげとげしい鎧を着た戦士風の老人と、パリッとしたタキシードを優雅に着こなした執事風の老人が現れる――


「ロックフォード家に仕えし執事、カルロスにございます」

「引退騎士のセバスチャンだ。今はお嬢のボディーガードをやっている」


「カルロスさんに、セバスチャンさん……」

 ホリアが二人の老紳士を見比べる。


「ええっと、タキシードを着こなしている執事さんの方がカルロスさんで、鎧を装備した大きな人の方がセバスチャンさん……なんか、名前は逆の方がしっくりくるような……」


「セバスチャンさんというのは、かつては、弓術で国内一の言われた騎士だ。その弓に狙われて、生き残れたものはいないというほどの腕前――弓で魔法に勝てる男として有名な人だった……王宮騎士を除隊後、騎士爵にはならず、どこかの貴族に雇われたと聞いていたけど、それがロックフォード公爵家だった訳か……」


 もう隠居間近の老齢だと聞いていたけど、見る限りそう衰えているようには見えない。

 一応俺、エルトも王宮騎士の一人ではあるが、経験を積むためには戦士派遣協会の任務に出向いていたことと、さすがに騎士セバスチャンとは年代が違うため面識はなかった。


「わしは政治には向かん。そんな事をするくらいなら、誰かを守るために戦った方がいいからの! だから騎士爵になる気など全くなかったのじゃ!」


 ガッハッハッハッハ!! と豪快に笑うセバスチャンさん。




「それで、カルロス――その、ルーンレイスというもの……それに、魔女ハピレアというものは何なのかわかりますか?」

 ウルマが執事のカルロスに顔を向けて言う。


「魔女ハピレアというのは、人々の心を変えてしまうことができるという魔女でございます。魔法騎士の叙勲を受けたアルムト家の次男・エルト殿が仲間と共に討伐に向かっていたという話を聞いていましたが……」


「失敗していまその様と言う訳だ」


 カルロスの言葉をシュレア王子が引き継ぐが、ウルマには分からなかったらしい――それどころか、シュレア王子に親しげに声をかけられた俺をにらんですらいる……


「そして、ルーンレイスというのは一週間ほど前に魔法学院に現れ、第四王子のドレッグ王子を始め、多数の被害者を出したと言われている怪物です――」


 世間一般ではそのような認識なのだろう……だが、俺達は知っている――それが、気まぐれな異世界魔王の被害者だと言う事を……



「つまり、それが私とあなたの勝負と言う訳なのですね」

 ウルマはしたり顔で頷いた!!

「そのどちらかを討伐するのが、私とニナの勝負!!」


「どうしてそうなる!?」

「うわっ、すごくニナの事を恨んでいたのね――」

 俺とアーニャが思わず突っ込んでしまう。


「カルロス、セバスチャン! そうと決まれば戦士派遣協会に行って、必要な人員を確保します」


「了解いたしました」

「騎士の後輩連中にも戦士派遣協会に登録してる奴がいるからな。久々に教育してやるか!!」


 そう言ってこちらの話を聞かずにウルマは執事カルロスと護衛騎士のセバスチャンを連れて出ていった……


「シュレア王子……あなたの婚約者って一体……」

「まああれでも可愛いところがあるんだ。というか年齢的にはかなり可愛いよ。君とその友人と並べばアイドルユニットでも作れそうだな」


 笑ってそう言うシュレア王子。


「とりあえずあいつほとんど問題はないと思うぞ。ウルマはともかく、カルロスやセバスチャンは常識人だウルマが暴走したとしても、止めてくれるだろう」


「それよりも、先程の話だ」

 そのまで成り行きを見ていたクイエト王子が口を挟む――

「イタンモンメの姫、ジェシカ殿ことだが……」


「そ、そうです!! 魔女ハピレアの洗脳は、ルーンレイスによって解くことができるという話なんで、うまく行きさえすれば……!」


「魔女ハピレアの話は俺も聞いている――が、どこに現れるかなど想像もつかない。だが、ジェシカ姫の向かうの場所ならわかるかもしれない――」


「へ?」

「そんなことが、わかるんですか!?」


 ホリアがシュレア王子に駆け寄る!!


「私の婚約者に近づかないでください!!」


 ドガ!!


 婚約者に近づく女を察知したのか、先ほど出ていったはずのウルマがものすごい勢いで飛び込んできて、ホリアを弾き飛ばした――!!


「きゅう……」

「まったく、油断も隙もない」


 そう言って、再び出て行くウルマ――


「ジェシカ姫の、向かう場所って、どこですか……?」

 ホリアはやっとのことでそれだけを言った。


「ああ、確かイタンモンメの姫ジェシカの趣味は聖地巡礼だと聞いている――洗脳されたといっても、魔法の洗脳では人間の本質というものはあまり変わらないという――ならば……」


 俺の脳裏に、この国で有名な聖地が浮かんだ――


「聖女の神殿――」


 

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