「未来の結婚相手が、」 その1 「美人すぎる!」
誰にでも特技があるという。
ボクの特技は、なんとなく流行るものに当たること。
好きになったアイドルは、必ずトップアイドルになった。
こっちのゲームと、あっちのゲーム、どっちにしようかなー、っていうときも、ボクが買ったほうは、必ず大ヒットして、シリーズ化した。
部活でも、ボクが選んだものが、その後、国民的スポーツになったりした。
・・・役には立たないけどね。
アイドルに会えたことないし。ゲーム下手だし。スポーツも上達しなかったし。
ともあれ、そんなボクの前に、信じられないくらいの美人が立っていた。
「ああ、×××さん・・・」
プライバシー保護のため、ボクの本名は伏せさせて貰います。
ちなみに、この美人さんは、陽子さんっていうんだって。
「この時空では、初めまして、だけど・・・あたしにとって、×××さんは、5年も一緒に居た、旦那さまなのよ♪」
ロングヘアの、背が高く、おっぱいが胸いっぱいの、テレビでも見たことないくらいの美人に、生まれて初めて抱きつかれ・・・そのまま、ファーストキスを奪われた。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・ちゅっぽんっ!
と、やっと唇が解放される。
「うふぅん、半年ぶりだから、つい情熱的になっちゃった♪ ごめんなさいね、×××さん♪」
「い、いえ・・・あ、ありがとうございました・・・?」
肺の空気まで吸われて、酸欠でクラクラしているボクに、べったりと抱きついたまま、陽子さんは言った。
「お願い、旦那さま。今すぐ、あたしと結婚して♪」
陽子さんは、「未来から来た、あなたの奥さんよ♪」と自己紹介した。
身分証代わりに、
「はい、コレ、未来のケータイ電話♪ ×××さん、機械とか詳しいって言ってたから」
と、見せられた小型の機械が、スイッチ一つで、シュッ、ポンッ、と出たり消えたりする(!)のを見て、ボクは、この陽子さんの話を聞く気になった。
ようするに、今から50年後、ボクは、陽子さんと、年の差婚を、するらしい。
40歳も年の離れた夫婦というのは、未来の世界でも、なかなか珍しいんだそうで。
えー・・・50年後に、40歳差の若い奥さん・・・つまり今は、ボクより、10歳年上のお姉さん? 難しいなあ・・・。
で、まあ、年の差がありつつも、ボクと陽子さんは、仲良く夫婦生活を送っていたらしい。
ところが、問題が一つ。
「・・・やっぱり、子供が出来なくってさぁ」
そりゃあ、そうだろう。50年後、ボクは・・・かなりの年齢になってる。「まだ死んでないの!?」ってビックリする程ではないけど、子供が出来ないのは、そんなに不思議なことじゃないと思う。
「だから、今すぐ、ここで、結婚して欲しいの!」
「どっ、どういうことですか!? 陽子さんは、未来の人なんでしょ?」
「だからぁ、夫婦になってぇ・・・ね? 子供、欲しいからさぁ・・・♪」
「えーっ!?」
「あたし、こう見えても一途だから、浮気とかしたくないの。でも、あなたとだったら、本人なんだから、浮気じゃないもんね~♪」
べたべたと触ってくる。そして「やっぱり違うわ~。若い頃の×××さんが、どういう風にするのか、楽しみ~♪」、と興味津々の陽子さん。
「ま、待って下さい! ちょっと、考えさせて!」
ボクは、強引に引き剥がして、逃げた。
引き剥がすとき、胸いっぱいのおっぱいを触ってしまい、ゴメンなさい!、と心の中で謝りながら。
・・・で。
落ち着いて考えた結果。
ボクは、陽子さんに協力することにした。
自分の奥さんが――・・・陽子さんを信じるという前提で・・・――「子供が出来ない」ことを悩んでいるなら、協力するのは夫の役目だと思ったし、どうせ将来、結婚するなら、まぁ・・・そういうことをしても、悪くない筈。
むしろ、将来の自分のためにも、ちゃんと・・・そういうことを、するべきではないだろうか。
そう決心して、陽子さんの待つ、リビングルームに戻る。
「考えごと、終わった? ねえ、結婚してくれるでしょ?」
はい。
そう答えようとした瞬間。
「待って、×××くん! その女はニセモノよ!」
もう一つの声が、ボクの名前を呼んだのだった。
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『錬金術師の箱庭戦争』
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