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00.とあるくろねこの独白
わたしは、ひとりだった。
わたしは、暗い夜のなかで蹲っていた。
蹲り自分で作り出した夜の闇の中で、わたしはひとりだった。
あるとき、絶対的だったわたしの闇は破られた。
それは明るい、明るいひかりだった。
だから私はそれを 太陽 と名付けたの。
でも暗闇に慣れてしまった私は、 つよい つよい ひかり に耐えられなかった。
やがて再び、わたしに静寂の夜が訪れた。
夜に飲まれ、闇に苛まれ、わたしは わたしを見失っていた。
叶わないとわかっていたのに、わたしは願ってた。
ひかり 、 もういちど って …………
願いは あの 夜に 静かに響いた。
今夜と同じ色をした猫の鳴き声とともに。