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異世界帰りの最強魔術師、現実世界でも無双する。 ~唯一魔法が使える俺、なぜか英雄扱されて困ってます~【26年5月発売】  作者: 茨木野


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99/105

99.

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

「ふ、ふざけるなぁぁぁぁっ!!」


 みつるが絶叫した。

 彼女の背中から伸びた無数の骨が、まるで機関銃のようにしなる。

 先端が鋭利な刃となり、俺の全身を貫こうと殺到した。


「計算? 相殺? だったら、その計算が追いつかないほどの速度で、すり潰してやるわよぉッ!」


 ドシュッ! ドシュシュシュシュッ!


 骨の槍が空気を引き裂き、雨あられと降り注ぐ。

 同時に、周囲の赤い霧が粘度を増し、俺の体にまとわりつく。

 皮膚が焼け、肉が溶け落ちる感覚。

 物理攻撃と、即死領域の二重奏。

 常人なら、思考する暇もなくミンチになっているだろう。


 だが。


「……五月蝿いな」


 パァァァンッ!


 俺は片手を無造作に振るった。

 ただ、目の前の羽虫を払うかのような動作。

 それだけで、迫りくる骨の槍が、見えない壁に激突したかのように弾け飛んだ。


「な、にィッ!?」

「言っただろう。俺の演算を舐めるなと」


 俺は止まらない。

 一歩、また一歩と、赤い地獄の中を歩く。


 ジュウウウウッ!


 霧が俺の頬を溶かそうとする。

 だが、溶けた端から、光の粒子が傷を埋め、再生していく。

 破壊と創造のサイクルが高速すぎて、傍目には金色の火花が散っているようにしか見えないだろう。


「ひ、ひぃッ……! 来るな! 寄るなぁッ!」


 みつるが半狂乱になって腕を振り回す。

 触手が鞭のように俺の首を狙うが、俺は視線を向けることすらせず、首をわずかに傾けて回避する。

 頬を風が撫でる。

 後ろの鉄骨が轟音と共に両断されたが、俺の歩みには何の影響もない。


「アタシは『才賀』様の寵愛を受けたのよ!? 選ばれた存在なのよ!? なんで……なんでガキ一匹殺せないのよぉぉぉッ!」


 みつるの目から、血の涙が溢れ出す。

 彼女は領域の全魔力を一点に集中させた。

 俺の心臓。

 そこを直接、空間ごと消滅させる最大の呪い。


「消えろぉぉぉぉッ!!」


 ドォォォォォォン!!


 圧縮された「無」が、俺の胸元で炸裂する。

 空間が抉れ、真空の渦が巻き起こる。

 直撃。

 みつるの口元が、醜悪に歪んだ。


「やった……! 見たか! これがアタシの――」


 だが、彼女の勝利宣言は、喉の奥で凍りついた。

 煙が晴れる。

 そこには、服の胸元が少し焦げただけの俺が、退屈そうに立っていたからだ。


「……え?」


 みつるの思考が停止する。

 俺は埃をパンパンと払い、ため息交じりに見上げた。


「今のが最大出力か?」

「あ……あ、あ……」


 みつるがガタガタと震え出し、後ずさる。

 彼女の背中が壁に当たった。

 もう逃げ場はない。

 俺はゆっくりと距離を詰め、彼女の鼻先まで顔を近づける。


「全細胞を強制退化させ、物理攻撃で攪乱し、最後は空間ごと消滅させる。……なるほど、人間にしては頑張った方だ」


 俺はニッコリと笑い、そして冷たく言い放った。


「で?」

「――ッ!?」

「それがどうした。俺を殺すには、あと一億年ほど進化が足りないぞ」


 格が違う。

 次元が違う。

 その事実を突きつけられ、みつるの瞳から戦意の光が消え失せた。

 残ったのは、純粋な恐怖と絶望だけだ。

【おしらせ】

※2/13(金)


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