95.
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
俺は駅ビルへと走る。
だが、さすがにこの惨状を放置して行くわけにはいかなかった。
足元には、泡を吹いて倒れているサラリーマン、白目を剥いたOL、そして痙攣する野良猫。
俺の殺気に当てられた犠牲者たちだ。
「……さすがに、やりすぎたか」
死んではいないが、このまま放置すれば、目覚めた時に集団パニックになる。
それに、「謎の集団昏倒事件」として警察が動けば、俺の行動も制限されるだろう。
ここは、綺麗にしておくべきだ。
俺は足を止め、片手を掲げる。
広範囲の精神治癒魔法で、ショック状態の脳をケアしてやるしかない。
魔力を練り上げようとした、その時だ。
『待て待て。何をしておる』
魔王が呆れた声を出した。
『これから敵地……それも、新宿駅という魔窟に挑むのじゃぞ? そんな一般人の介護のために、貴重な魔力を消費してどうする』
「じゃあどうするんだよ。このまま放置して行けってか?」
『剣を使え』
「は?」
『【反則剣】を一振りすれば済む話じゃろうが』
俺は眉をひそめる。
こいつ、ボケたのか?
「おいおい、冗談だろ? こいつらが倒れてるのは、魔法やスキルのせいじゃないぞ?」
俺は倒れている男を爪先でつつく。
「俺が放った『殺気』……つまり、純粋な生物的恐怖本能によって、脳が防衛反応を起こしてシャットダウンしただけだ。いわば、凄まじいメンチを切られてビビって気絶したのと同じだ」
『うむ、そうじゃな』
「反則剣の能力は『異能の無効化』だ。魔法や、システムに介入するようなチート能力を打ち消す剣だろ? こんな物理的な現象、治せるわけがない」
理屈に合わない。
物理で殴って気絶させた相手を、魔法無効化の剣で治せるか? 治せるわけがない。
『いいから、振ってみろ』
「はぁ……時間の無駄だぞ」
俺は渋々、反則剣を抜いた。
俺はそれを、倒れている群衆に向けて、適当に薙ぎ払った。
ブンッ。
剣圧すらない、ただの素振り。
だが、その瞬間。
「……あれ?」
「ん? 私、なんで寝て……」
「やだ、終電!?」
ムクリ、ムクリ。
倒れていた人々が、まるで魔法が解けたかのように一斉に起き上がった。
誰も彼も、俺の殺気を受けた記憶が抜け落ちているのか、何食わぬ顔で歩き出し、あるいはスマホを見始めている。
俺は剣を持ったまま硬直した。
「……なんでや!」
思わず関西弁が出た。
「おかしいだろ! 今のただの『威圧』だぞ!? 異能関係ないだろ! なんで治るんだよ!?」
『ふん、騒がしいやつじゃ』
脳内で、魔王がやれやれと首を振る気配がする。
『よいか? 貴様の存在そのものが、この平和な日本においては『反則』であり『バグ』なんじゃよ』
「は?」
『バグ的存在が引き起こした不具合は、システム上はすべて『エラー』として処理される。ゆえに、その剣で『なかったこと』にできる。……まあ、そういうことにしておけ』
なんだその、ふんわりとしたガバガバ判定は。
俺の殺気はシステムエラー扱いかよ。
「……納得いかん」
『世の中、理屈で説明できんことの方が多いんじゃよ。ほれ、道は開けたぞ』
魔王は「はいはい、次つぎ」とばかりに話を打ち切った。
釈然としないものを感じるが、確かに群衆は元通りになり、俺を気にする様子もなく雑踏へと消えていく。
俺は剣を消し、走り出す。
巨大な駅ビルの入り口へと飛び込んだ。
【おしらせ】
※2/2(月)
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