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異世界帰りの最強魔術師、現実世界でも無双する。 ~唯一魔法が使える俺、なぜか英雄扱いされて困ってます~【26年5月発売】  作者: 茨木野


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01.勇者、魔王を倒して帰還する

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。


『よくぞ我を倒したな、勇者ユージよ』


 目の前に、一匹の黒龍が倒れている。そいつは、この異世界を滅ぼすために存在する魔王――アンラ・マンユ。


 魔王を討つために現実世界から呼び出された存在。それが俺、霧ヶ峰(きりがみね) 悠仁(ゆうじ)だ。


 五年前、俺が十五歳のときに、この世界に召喚された。

 国王から魔王討伐の使命を与えられ……そして今、その使命を果たそうとしている。


『ふむ……我を倒したというのに、喜びの色が見えぬな』

「……まあな」


 この五年、苦しく、つらい道のりだった。

 それを思えば、歓喜よりも――安堵が勝る。


 ようやく、異世界から帰れるのだ。


「悪いな、魔王。俺はお前を殺さないと現実に帰れない。……国王直々に、そんな呪いをかけられてるんだ」


 召喚された際、クソジジイ――もとい、国王から聞かされた。


 この世界には魔王がいて、人々はその脅威におびえている。

 民を救えるのは勇者だけ。そして、魔王を倒さない限り、勇者は元の世界に帰還できない。


 ……ずっと不思議だった。なぜ魔王を倒さないと帰れないのか。


 “帰還方法は魔王しか知らない”という話を聞いたこともある。だが、それもおかしい。なぜ魔王だけが知っている?


 ――答えは簡単だった。そもそも召喚主である国王が、勇者である俺に、家に帰れない呪いをかけていたのだ。


『そうか……つらいな、それは』

「……お前に共感されるとは思わなかったが」


『すべてに合点がいったぞ、勇者ユージ。なぜ仲間を連れていないのか。なぜ、勇者の証たる聖武具を持たぬのか。――この世界の人間に、虐げられていたのだな』


 ……思い出す。五年前の召喚の日。

 国王は、俺にこの世界に呼び出した理由を説明し、その後、聖武具召喚の儀式を行った。


 聖武具。それは異世界勇者に与えられる、唯一無二の武器。


 だが――。


【聖武具がないだと!? この欠陥品め……!】


 なぜか聖武具を持たなかった俺は、「欠陥品」と罵られ、王城から追放された。


 魔王を倒せないと判断されたのだろう。まったく、ひどい話だ。

 帰還不能の呪いをかけられ、聖武具がないだけで見限られ、あげく追放されるなんてな。


『よくぞ、ここまで辿り着いた。よくぞ……この我を倒したものだ』


 魔王は、どこか俺に同情しているように見えた。


『我を倒した褒美を、二つ授けよう』


 魔王の胴体が光を帯びると――。


 ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ……!


 目の前に、目もくらむほどの大量の金貨が出現した。


『これは我がため込んだ財宝。すべて、おぬしにくれてやろう』

「…………そうか」


 だが、こんなものを持っていても意味はない。

 なぜなら――俺は、現実に帰る方法を、ずっと見つけられなかったのだから。


『もう一つの褒美だ』


 黄金の山から、一枚の大きな鏡がふわりと宙に浮かび、俺の前へと現れた。


「……なんだ、これ」

『それは――世界扉《ワールド・ドア》』

「ワールド・ドア……?」


『異世界と現実をつなぐ、超レアな魔道具《マジックアイテム》だ』

「なに!? 異世界と現実を……つなげる……だと?」


『ああ。ただし、使えるのは一度きりだ。なにせ骨董品でな』


 なるほど、鏡面には無数のひび割れが走っていた。

 指で軽く触れただけで壊れてしまいそうだ。


「鑑定」


~~~~~~

世界扉《ワールド・ドア》(SSS)

→異世界と現実をつなぐ魔道具。魔道具師・七福塵《しちふくじん》の最高傑作であり、本人にしか修復できない。

~~~~~~


 ――本物だ。


「…………」


 世界をつなぐ、超レアな魔道具。それを……。


「なんで俺にくれるんだよ」

『言っただろう、褒美だとな。……よく頑張ったな、勇者ユージ。現実に戻り、幸せに暮らせ。こんな、ゴミみたいな世界のことなど忘れて』


 さらさら……と、魔王が魔素《マナ》に変わり始める。死期が近い。


 それでも、俺は。


「大回復《マスター・ヒール》」


 瞬間、魔王の消えかけた肉体が、完全に蘇った。


『ま、魔素化しかけていた我が肉体を……治しただと!? なんじゃこの力は!?』

「俺の魔法だよ」


『ば、馬鹿な……。こんな回復魔法、聞いたこともないぞ!』

「だろうな。でも俺にはできる。……聖武具がなかったおかげでな」


 勇者の力は、本来“聖武具ありき”で設計されている。

 だが、俺はその武具を持たなかった。


 ゆえに――自らを鍛えた。


『そ、そうか……聖武具がなかったからこそ、おぬしは……自身の力を極限まで高めたのだな』

「ああ、そういうことだ」


 結果、魔王すらも殺し、癒やすほどの力を得た。

 ……まあ、“異世界帰還”の魔法だけは、呪いのせいで習得できなかったが。


「修復《リペアー》」


 壊れかけの世界扉《ワールド・ドア》が、完全な状態へと戻る。


『はは……すさまじい。世界最高の魔道具師にしか直せぬ品を、修復してしまうとは』

「さて……アイテムボックス」


 空中に、透明な箱が出現する。魔王がくれた財宝やらなんやらを、ボックスのなかにしまい込んだ。

 

「さて……帰ろうぜ、魔王」

『な、なにを言ってるのだ……!?』


「一緒に、現実に帰らないか? ここにいても、いずれあのクソ王国が召喚した次の勇者に殺されるだろ?」

『そ、それはそうだが……我は魔王ぞ?』


「知ってる。でも、俺の敵じゃない」


 俺にとっての“敵”は、俺を呪いで縛り、五年もの地獄を押し付けた、あの王国だけだ。


「俺はもう勇者じゃない。……だから、お前の敵でもない」

『くっ……ふふふ……あははははっ! おもしろい男よな! わかった!』


 スッと、魔王アンラ・マンユが跪く。


『我は、おぬしの従魔となろう』

「……従魔?」


 たしか、“サーバント”。主の命令に絶対服従する存在だ。


「いいのか?」

『うむ。おぬしの世界で再び魔王など始めても困るであろう?』

「それはな」

『なら、我を縛ってくれ。契約の言葉を』


 俺はゆっくりと右手を掲げた。

 風がうねり、空が震える。

 魔王の金の瞳が細められる。


「――いいぜ。そっちがその気なら、言ってやるよ」


「我が牙は、そなたの爪。

 我が身は、そなたと共に世界を裂く。

 我が知恵は、そなたの標べとならんことを欲する。

 片時も離れず、そなたに尽くすと誓う」


 その瞬間、世界が鳴った。


 契約の言葉に呼応するように、俺の右手に黒き紋様が刻まれる。

 魔王の胸にも、同じ印が浮かび上がり、黒炎となって燃え上がった。


『……成されたな。我が魂は、今やおぬしのもの』


「……これで、お前は俺の従魔だ」


『ああ。連れてっておくれよ、元勇者。そなたが生まれ育った世界に』


 にやりと笑って、俺は世界扉《ワールド・ドア》へと足を向ける。


 手には、莫大な財宝。背には、黒龍の魔王。


 そして――現実世界への帰還が、いま始まる。


【★☆おしらせ☆★」

※1/30(金)


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『奈落の【魔法杖職人】が、自分の作る杖は神話級魔道具だと気付くまで~「魔力ゼロの役立たず」と森に捨てられた元社畜、廃工房で物作りしてたら、いつの間にか世界中の英雄から神職人として崇拝されてた~』


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― 新着の感想 ―
どうせこの後人間同士で殺し合うから無問題やな
いい話だと思うので読み続けます。
いつの間にか魔王は倒されてて、しかも倒した勇者も不明で褒美も暗殺も考えなくてよくて… 王様の独り勝ちか~
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