2013年 5月8日(中編)
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雫の病室に入り、僕は手術の日程を教えることにした。
五月十八日、つまり今日から十日後に腫瘍を取り除く手術が行われる。
「雫……」
「何?」
雫の表情は少しだけ軟らかくなっていた。
僕が前に言ったことで雫の心が軽くなってくれたのだろうか。
もしもそうだったら嬉しい。
「手術の日程が決まったよ」
僕のその言葉に雫は顔をこちらに向けた。
少し心配そうな顔、決して学校では見せない顔。
最近ではそんな雫の顔をよく見るようになってしまった。
僕はいつも心から笑っている雫でいてほしい。
「十日後だよ」
「十日後……」
早くもないし遅くもない、その分では考えるには最適な時間だと僕は思う。
だけど、僕と雫は違う。
死の可能性がある病気を抱えている雫にはどのように考えて、この十日間で足りるのかわからない。
「それで、湊」
「何?」
「私の病気は何なの?」
答えたくはない。
だけど、雫には嘘をつきたくはない。
ここで嘘をついてしまったら、僕の心に永遠に残ってしまうかもしれない。
真実を言ったら、雫がどんな気持ちになってしまうかわからない。
だけど、真実を言わないといけない。
本当に雫を信じているなら尚更、嘘はつけない。
だから僕は真実を言うことにした。
「雫の病気は心臓病……
心臓の近くに腫瘍があるらしいんだ。
早くその腫瘍を切り取らないと命に関わるらしい」
言うのがつらかった。
雫がどんな反応をするのが怖かった。
雫は僕にこんな反応をしたのだった。