2013年 5月8日(前半)
感想を下さった
>黒薔薇姫様
>七宮ハル様
後日、修正させていただきます♪
五月八日。
昨日、雫は手術を決心した。
それは僕と一緒に決めたことだ。
決して僕は雫を一人にしない、そう決めたから。
雫の手術は五月十七日、つまり今日から十日後に行われることになった。
雫は心臓の近くに腫瘍があることがわかり、それが心臓を圧迫しているので危険な状態にあるらしい。
その腫瘍を切り取る手術が十日後に行われる。
成功率は半分以下という厳しいが、治る可能性も十分ある。
ただし失敗してしまった場合、腫瘍は二度と取れなくなってしまい、死んでしまう可能性が高まってしまい、後は薬に頼るしかなくなってしまう。
このことはまだ雫は知らない。
教えない方がいいと思ったからだ。
雫には普通に接して、簡単な手術だと言っておいた。
その方が安心できるかと思ったからだ。
病院がそろそろ開く時間なので、僕は家を出た。
雫の病室に入るとまだ雫は眠っていた。
雫の寝顔を見るのは初めてで、その顔はとても綺麗だった。
とても病気を持っているようには見えない。
顔をのぞき込んでいると雫が目を覚ました。
「おはよう、雫。
いい天気だよ」
僕は精一杯の作り笑いをした。
心から笑えない、それは雫も同じだろう。
「…………。
おはよう…………」
雫は眠そうな顔をして、僕に挨拶をした。
どうやら朝は苦手らしい。
今まで見たことのない、雫が見れたので少し嬉しい。
雫は朝食は食べ、ベッドに座った。
その顔は天井を向いている。
手術を決めたとはいえ、命がかかった手術。
緊張や不安が無いはずがない。
そんな中、手術がいつやるかを僕は雫に伝えることにした。