2013年 5月7日(後半)
しばらく雫と抱き合い、僕は雫に今後についてどうするのか話した。
手術するのか、しないで薬で治療するのかを。
手術をしなくても、薬で治すことも出来るらしいが、治らない確率が手術も高いらしい。
「手術……するの?」
僕がそう言うと、雫を天井を見上げ口を開いた。
「湊は……してほしい?」
僕は……してほしくない。
もし手術に失敗してしまったらと、考えるとやっぱりしてほしくない。
だけど、心のどこかにしてほしいという気持ちもあるのは分かっている。
矛盾しているのはわかっている。
だけど、やっぱり決められない。
「僕は……」
「湊?」
やはり、決められない。
だけど決めないといけない気がする。
今後の雫と僕の大事なことだ。
「してほしい……」
やっぱりしてほしい。
直して二人でまた遊びたいし、一緒に学校にも行きたい。
そして結婚したい。
そのためにはこの決断は間違っていないと思う。
「良かった……。
湊ならそう言うと思ってた。
私は一人じゃ決心出来なかった。
だから、こうして決められたのは湊のおかげ。
本当にありがとっ!湊!」
泣きながら、最高の笑みをしている雫がいた。
雫は強いと、勘違いしていた。
雫だって僕と同じ人間なのに、僕とは違うと考えていた。
雫だって泣いたり、悩んだり、笑ったりする、僕と同じなのに僕は雫の彼氏なのに雫一人に抱えさせてしまった。
「頑張ろうね……雫」
こうして雫は手術を決心した。