2013年 5月6日(中編)
中編まであってごめんなさい。
後編に続きます。
いつの間にか手術が終わっていたので、僕は急いで手術室のドアを開けた。
「雫っ!!!」
手術室の中には、既に誰もおらず僕の声だけが手術室に響き渡った。
「誰もいない……?」
僕は急いで、ナースに雫の病室を聞いた。
ナースが僕の顔を見て、少しビックリしていたが、今まで同じような人を見てきたのか、ナースはすぐに雫の病室を教えてくれた。
僕は雫の病室まで、死ぬ気で走った。
少しでも早く雫の顔を見るために。
生きている雫を見るために。
そう思いながら走っていると、雫の病室に着いた。
だが、僕はそのドアを中々開けることが出来なかった。
僕には雫が死んだ、という現実が目の前に現れたら、それを現実として受け止められず、自殺してしまうかもしれない。
「…………」
僕は開けることを決心し、ゆっくりとドアを開けた。
そこにはベッドに横たわっている雫と、数人の医師。
「先生!
雫はどうなんですか!?」
自分でも信じられないくらい、叫んでいた。
今まで生きてきた中で、これほど叫んだことは無いだろう。
医師達の顔は少し暗い気がした。
それが僕の見間違えだったのかはわからない。
だが、その理由はすぐにわかった。
「椎名 雫さんの、命はとりとめました。
ですが……」
ですが……?
喜んでいいのかわからない。
その、(ですが……)が気になってしょうがない。
とりあえず、僕はその(ですが……)を聞いてみた。
「……ですが、なんですか?」
医師は、僕に絶望は与える言葉を言った。