第96話 呆然
お待たせ致しましたー
何が……起きたと言うのだろうか。
むーと琥珀がやってきて。
むーが翠羽に触れたら……翠羽の身体が光って、むーが溶けていった。琥珀が今まで以上に泣いた。
何が起きているのだ?
だんだんと、あちこちの身体達が……翠羽に戻っていく。
僕や翠羽が、あれだけ頑張って集めたパーツがいとも簡単に。
だがしかし……むーが代わりに溶けていく。
保険と言っていたが……まさか。
むーは、意思を持った……作られた存在?
いつから?
むーは、翠羽がまだバラバラになる前から……僕らと過ごしてきた。
記憶と身体があった翠羽もそれは知っていたのに。
誰だ?
まさか……事故で死んだ、翠羽の母親?
紅羽さん? 元時蟲の宿主。
僕の蘇芳以上に……ベテランだった能力の持ち主が、この事態を見据えていた?
だったら……納得が出来る。
だけど……でも。
むーを……犠牲にしなくてはいけなかったのが。
今更だけど……僕も辛くて。
翠羽が僕に振り返った時の……泣きそうだけど、真剣な表情に。
僕も、泣いている場合じゃないと……目を擦ってから、頷いた。
今は……一時的に止まった、魍魎の膿をどうにかするために。
僕らは……これを止めなくてはいけない。
すべての存在らを担う、『森羅万象』の能力の一部を持つ僕らが。
止めなくては……存在らが消えてしまうからだ!
次回はまた明日〜




