第48話 力の見せ合い
お待たせ致しましたー
ひっぱられる!?
そう感じました。
赤く光った、右足がぐいぐいと白い布の存在の方へ、行こうとしています!?
どうしましょう。
私はなにも出来ません。
と思ったのですが。
国綱さんが前に出てきて……私の足に触れてくださいました!
【止まれ】
強い言葉のあとに、国綱さんのお綺麗な瞳が光り……足の光が消えてしまいました。
ひっぱられるのもなくなりました。
「ふふ。足掻きますか」
白い布は、相変わらずねっとりした言い方でした。
困っているようにも見えず……残念がってもいません。
何をしたいのでしょうか?
「……足掻くも何も。この足はこの子のものだ」
国綱さんは、怒っていらっしゃいます。
白い布の方に向き直り……血を軽く手で拭いていました。手がべっとり血の色です。あとでしっかり治しましょう。
「……ふふふ。その子の? ひとつ戻しただけでそう言いますか?」
「そちらにあるのもだ。……何がしたい? この子を利用してまで」
「ふふ。決まっていますよ。冥土の土産がてら、それくらいはお教えしましょう」
「……僕は殺されない」
『……私もさせません』
随分と物騒なことを言いますので、私達は否定の言葉を口にしましたが。
白い布はなおもくすくす笑っているだけです。
「……森羅万象。それを壊すことですよ」
そう言って、手を横に振ると……細い何かがたくさん飛んできました。
それを……危険と思った私は。
【……いね】
口に出た、あの声と共に国綱さんの前に出ると。
飛んできたものが……私の前でくるっと向きを変えて。
白い布の方に戻って行きました。
「……ふふふ。なるほど」
またさっと手を振ると……あと少しで当たるところで、飛んでいたものを消しました。器用なようですね。
次回はまた明日〜




