第34話 買い出しに出る
お待たせ致しましたー
少なからず……お役に立てました。
あとの事は、乃亜さん達のお仕事だからと……私や国綱さんは、お家に帰ることになりました。
ただし、少し『お買い物』をすることになりましたが。
『んー?』
お店、と言うものに行くのは……多分記憶を失ってからは、初めてですので……新鮮な光景ばかりです。
色鮮やか……存在もたくさん居て……あちこち出入りが激しい場所。
ここは、『スーパー』と言うところだそうです。
「……物珍しい?」
国綱さんは、優しく微笑みながら……積んである赤いものをひょいっと取りました。軽いもので出来た……箱? のようなものです。
『……はい。前は違っていたかもしれませんが。ここで、なにをするんですか?』
「食材が少なくなってきたからね。だから、材料の買い出し」
『……ざいりょう?』
「食事を作るのにも、材料って言うのが大事なんだ」
魔法では出来ないのでしょうか?
しかし……お家で、国綱さんがお料理をされている時を思い出しても、あのオーブンとやら以外に、道具は使っていましたが……魔法はありませんでした。
不思議です。
でも、楽しそうです!
しかし……今の私ではお料理を作るのも食べることも出来ません。なので、見て覚えていこうと決めました!
国綱さんは、棚にあるものを見ながら……手に取ったりもして、箱……カゴに入れていきます。
食材とやらも、色々なのですね? ほとんどが袋に入っています。
『今日は、なにを作るのですか?』
「んー……さっぱりだけど、辛いものも食べたいし。冷麺かな」
『……れいめん?』
「ツルツルしてて、喉越しもいいよ。辛さも自分で作れば調整出来るし」
『……お好きなのですか?』
「今日の気分ではだけど。あ、でも豆腐だけのお好み焼きもいいな」
国綱さんも楽しそうです。
先ほどまでいた警察署で、お仕事をされた時に比べると……とても生き生きとされていらっしゃいます。
お仕事が悪いとは、私だけで言うことは出来ませんが。
『……両方お作りなさるのは?』
だから、少し提案というものをしてみますと。
国綱さんは、なぜか驚いていらっしゃいましたが。
すぐに……笑顔になってくださいました。
「……そうだな。昼飯も食いっぱぐれているし……がっつり食べよう」
今の驚きを……理解することは出来ませんでしたが。
すぐに笑顔になってくださった方が嬉しかったので。
私も……嬉しくなって、国綱さんの後に続きました。
たくさんお買い物と言うのをされ、幾つもの袋にまとめられた食材を……国綱さんは上機嫌で持って、お家に向かうことになりました。お手伝いしたかったですが、足のみの私では落とすと言うことになり……。
早く……せめて、手や腕が戻りたいです!!
次回はまた明日〜




