第199話 友達の彼氏②
お待たせ致しましたー
ただ、実際に行ってみたら……めちゃくちゃ驚いた。
「ここです」
翠羽ちゃんが案内してくれた、彼氏さんのご実家だと言うお家……ううん、『お屋敷』。
純和風の、日本家屋だった。
仕事が何でも屋って言うから、よくてマンション住まいだと思っていたのに、予想の斜め上を突き抜けたわ。
「……ここ?」
「はい。ここがお家です」
「……お金持ち?」
「うーん。私達と言うより、亡くなった両親の遺産なので」
「……失礼だけど、彼氏……国綱さんの方も?」
「……はい。同じ事故で」
「……そっか」
けど、その遺産の中で大事に暮らしているんだから、翠羽ちゃんはすごい。
国綱さんもどんな人なんだろう? あえて、翠羽ちゃんに画像は見せてもらっていないんだよね?
純和風でも、扉は鍵はオートロックの部分もあって……翠羽ちゃんが打ち込んだら門が自動で開いた。
そして、その向こう側には。
「おかえり、翠羽」
出迎えてくれた男性……を見て、あたしは背筋がピーンと伸びた!
亜人種じゃなくて、人族だけど……目の色は黒じゃなくて赤っぽい。でも、神秘的な色合いが穏やかな微笑みにぴったりで……めちゃんこイケメンさんだった! 翠羽ちゃんとはお似合いだって言えるくらい。
「ただいま戻りました。こちらが、藍羅さんです」
「は、はじめまして!」
「はじめまして、国綱と言います。翠羽と遊んでくれてありがとう」
「い、いえ!」
声までイケボって……どんなけスパダリ感満載なんだ、この人。
翠羽ちゃんはニッコニコだし……好きなんだなあってよくわかる。
幼馴染みとか許嫁とかの詳細は少し聞いてたけど……こりゃ、学校の男子らが翠羽ちゃん狙ってても勝ち目ないわ。リモート授業で雑談出来ないから、復学したての翠羽ちゃんの声を聞いて喜べる男子どもよ……先約はかなり難関だ。諦めた方がいいと思ったわ。
「とりあえず中へ。夕飯とかは……まだ早いから、お茶淹れるよ」
「あ、国綱さん。私が」
「翠羽は藍羅さんを案内してて」
「はい」
ほら、熟年かはわかんないけど……これじゃもう若夫婦よね?
けど、お邪魔していいのなら……友達の家には興味有りだから、入らせてもらおうっと!
次回はまた明日〜




