第198話 友達の彼氏①
お待たせ致しましたー
どんな人なんだろう。
今タピオカでむせっている翠羽ちゃんが、見栄を張らずにさらっと惚気るくらい……大好きな人のことだ。
まあ、こんなにも美少女の相手だから……弩級のイケメンの可能性があるわ。人間か異種族かはわからないけれど。
ただ、純粋な興味だ。
好奇心と言ってもいいが、翠羽ちゃんの保護者兼彼氏さんを見てみたい。
仕事をしているってことは、年上なのは確実。成人年齢かしら? 今の成人年齢って、人間でも異種族でも十八に引き下げられたから。飲酒年齢は二十歳のままだけど。
とりあえず、翠羽ちゃんの背中をさすり、息が整ってから聞いてみることにした。
「翠羽ちゃん、ちょっといーい?」
「はい?」
涙目も可愛いけど、目的を忘れちゃいけないわ!
「翠羽ちゃんが大丈夫なら……今度お家にお邪魔していーい?」
「……お家にですか?」
「もちろん、彼氏さんにもオッケーもらえたらだけど」
どうかな? と言うと、翠羽ちゃんは少し考え込んでしまった。事情持ちだし、難しいかなと思っていると……彼女は『はい』と返事をくれた。
「そうですね。国綱さんが大丈夫だと仰ってくれましたら」
「! ありがとう」
学校の皆には悪いけど、高校のアイドル的存在の翠羽ちゃんの家に行けるかもしれない!
そして、彼氏さんを拝めるかもしれないわ!
翠羽ちゃんはスマホでメッセージを彼氏さんに送ると、すぐに返事が来たようで。
「よかったら、お夕飯ついでに来ませんかって」
「行く行く!」
うちのオカンには遅くなるって言ってあるし、ほんと都合良すぎる!!
次回はまた明日〜




