第194話 神将の見守り
お待たせ致しましたー
『翠羽様はよく食べられる』。
それは、身体的にもだが『時蟲』の宿主だからだろう。
と、我が主の見解ではあるようですが。
たしかに……よく食事を召し上がれられますね。
(……日に日に増していらっしゃるような)
屋敷でもですが、ご自分で作られる量が増えていらっしゃいます。主もよく食べる方ですが、翠羽様も同等くらい。
お互い、異能の宿主であるからでしょうか?
主は我ら十二神将を使役する分、霊力は食事からでも必要としています。しかし、翠羽様はそうではありません。
「いただきます」
姿を見れぬようにしている我の目の前で……男でも食べるのが困難だと思われる、海鮮丼に箸を伸ばしていらっしゃいました。
友だという獣人の女子は普通の量を注文していたが、翠羽様が挑戦されるという品に驚きを隠せていないでいましたが。
「……翠羽ちゃん。そんなにも大丈夫?」
「大丈夫です。お腹ぺこぺこですので!」
「制限時間付きだけど、いけそう?」
「んー。咀嚼を考えますと、少し……店長さん。お金は払いますので、ゆっくり食べていいですか?」
「ほーう? お嬢さん食い切れるん?」
「食べられますねー」
のほほんとした会話ではありますが。
この方の苦難を考えれば、主が心配なされるくらいに穏やかな日常すぎます。
それを見守る手助けを我らが成せれば……翠羽様も『普通』の存在にはなれることでしょう。
主が望まれていたこと……幾らか過保護な箇所はあるけれど、それも致し方のない範囲です。あの悲惨な気持ちに駆られた主を、我らとて二度と見たくありません。
身体をバラバラにさせられ、記憶を失い。
我らの力及ばずな事態には……二度とあってはいけません。
ですから、ゆっくりでもたくさん召し上がっていらっしゃる翠羽様の許容量は……我とて驚きを隠せませんでした。どこに入っていかれるのでしょう……。
次回はまた明日〜




