第181話 目にする
お待たせ致しましたー
なにです……?
これらは、なにですか……?
記憶?
『私』の記憶ですか……?
だとしたら、これは……。
『私』が幽体になる前の……?
戻っていなかった……記憶?
『……手に入れた、時蟲を!』
あの男の声が……聞こえてきました。
消滅したはずなのに……けれど、雑音が混じった声です。それすら、記憶なのかもしれません。
であれば、お母さんが言っていたように、この記憶は私が受け止めなくてはいけないでしょう。
気味が悪いですが……バラバラになった身体を見てますと、青く光っていました。
『……広がる。永遠に、我らのために』
男がそう告げると……後ろに控えていたらしい、存在らの方に、私の身体のパーツ達が……浮かんで、運ばれていきました。
これで、魍魎らは私の身体を所持していたのでしょう。
ですが……何故こんなことを?
私の力を得たいのであれば、殺して宿主を自分のモノにすれば?
それが出来なかったのでしょうか?
『……やはり、時蟲の本体は出てこぬか』
あの男が、他の存在らが退室してから……血の海の上でそんなことをつぶやきました。
私の憶測は、少し当たっていたようです。
次回はまた明日〜




