第175話 冷静に欠ける
お待たせ致しましたー
翠羽が苦しんで倒れてしまった。
慌てて受け止めたが、彼女はずっと苦しんでいるばかり。
何か術を受けたのか?
その兆候はなかったのに、術を放ったことでかえってきたのだろうか?
どちらにしても、よくはない。
早く……早く処置してあげないと。
「落ち着いてください、国綱さん」
肩に手を置かれたので振り返れば……透明人間なので顔はないが、乃亜さんが真剣な雰囲気で僕の肩に手袋をつけている手を置いてきた。
「……乃亜さん」
「現場の処理は我々に。ひとまず、警察病院へ行きましょう。下手な病院よりよっぽどいいはずです」
「……お願いします」
成人手前とは言っても……僕はまだまだ子どもと変わりないのだろう。翠羽に起こったことひとつで、ここまで心を乱しかけてしまったのだから。
とにかく、翠羽の安全が第一なので……十二神将らには、学校の校舎への処理を手伝うように頼み。僕らは乃亜さんのパトカーで警察病院へ行くこととなった。
すぐ近くとは言えど、その短い距離の中でも翠羽がうめくのに対して、僕の中の焦りはどんどん膨らんでいくのだった。
次回はまた明日〜




