第169話 終わる前
お待たせ致しましたー
目の前の出来事が、まるで……スローモーションのように思えました。
復活した屍鬼の動きも、玉から飛び出たあの男性体がそれを止めようとする動きも。
私達警察は、ただ見守ることしか出来ず……それらに手出しすることは叶わず。
上空にいる国綱さん達も、それは同じだったようです。ただし、十二神将の一角には命じたのか、辺りは焔に飲まれていましたが。
(ですが……何が)
この光景を、私は『好機』としか思えませんでした。
決して悪いことではありません。
むしろ、良いことだと思います。
何故なら、男性体が屍鬼に向かった途端……屍鬼は崩れ堕ちているのですから。
『あ゛ああああああぁあああ゛あああああ!!?』
耳を貫いてしまうような、轟音が辺り一帯に響き渡りますが……その程度なら、私達でもまだ耐えられます。
崩れていく、屍鬼の身体はですが……下に落ちるかと思いきや、塵のように崩れては消えていき、地面の上などには落ちませんでした。
さらなる被害が出る前で、良かったです。
これなら、復興作業も然程難しくはないでしょう。
光は、ゆっくりと消えていき……屍鬼も姿形がありませんでした。
次回はまた明日〜




