第168話 まだ終わりでない
お待たせ致しましたー
術が当たった瞬間。
あの男の身体が、崩れていきました。
苦痛に歪めた顔以外にも、手足から順に。
ボロボロと崩れていきますが、次第に見えてきた暗い光の何かが浮かんできたのです。
直感ですが、あれは……『魂』でしょう。
昇天は、おそらくしないです。ここまで地に堕ちたのを冥府の主は見逃していないでしょうから。
そう思い、私は跳んだあとに抱き止めてくださった国綱さんの腕の中で見守っていますと。
何かが、その魂の光に手を伸ばしました。
「「あ!?」」
忘れていました、屍鬼。
あの男が復活させた存在です。まさか……あの魂を取り込もうとしている?! そんな事をしたら、どうなるかわかりません!!
「騰蛇!! 焼き払え!!」
『御意』
周囲の環境を気遣う余裕など、私達にはありませんでした。
騰蛇さんの焔で、あの屍鬼ごと焼き払う命令を国綱さんがしたのですが……間に合うかどうか。
私は何も出来ずに見守っていると、忘れかけていた……あの青い男性体が屍鬼の元へ向かっていくのが見えました。
『……させない』
その言葉が聞こえた途端。
私達もですが、校舎一帯といっていいくらいの範囲が強い青の光に包まれていきました。
次回はまた明日〜




