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第156話 神将らの足止め

お待たせ致しましたー

 我らが、どこまで押し留められるかわからない。


 しかし、我らも向かわねば……主らが、術を完成させることは出来ないのだ。



『…………やるしかないな。朱雀よ』


『…………そうだな。騰蛇(とうだ)



 火の闘将としては同じ属性ではあるが、部類が違う十二神将。我は神をも殺せる焔を持つが、騰蛇は地獄の焔を司る。質としては、どちらも恐ろしいが……騰蛇のを受けたら、死よりも恐ろしい目に遭うだろう。


 それはさておき、眼下で起きている事態だが。


 我らが対処しても、膿だったものは主が術を放ったのに『屍鬼(しき)』として膨れ上がった。厄介極まりない存在となってしまったのだ。甚だ面倒極まりない。


 だが、我らの呪力で対処しようにも騰蛇の焔ですら掠った程度にしかならないとは。これの大元は、余程主や許嫁殿らを狙っているのだろう。


 そんなことはさせぬが、式神程度の我らでは防げるのも限度がある。せめて、主らの呪が完成するまでの時間稼ぎをせねば!!



『主らへは、近寄らせん!』



 騰蛇は腕を振り、同時に黒炎を放ったのだが……屍鬼に当たっても、表面を炙った程度だ。地獄の焔ですら、この程度でしかないのか。


 別方向から、他の十二神将らが術を放っても屍鬼は唸りもなにもなかった。


 平安の頃より、最強と謳われていた我らでも……無力に等しいのか。此奴の前では。



(……だが、なにもしないよりは良い!)



 我も白炎を奮い、少しでも足止めのために動いた。白虎の背で術を研ぎ澄ましていらっしゃる主らのためにも、少しでも時間稼ぎのために!

次回はまた明日〜

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