第143話 夜の学校
お待たせ致しましたー
いやだ……。
いやだ、いやだ!!
なにあれ、なにあれ!?
学校に忘れものをしちゃったから、取りに教室へ行っただけなのに……。
ベトベト。
ぬるぬる。
ぐにゃぐにゃ。
そんな変なモノが、廊下を動き回っていたんだ!?
先生とか見回りの警備員とか、誰もいない。
なんなのあれ?!
魔法?
術?
全然わかんないけど、いやなモノには変わりない。
逃げて逃げて逃げて。
走っているんだけど、絶妙な速さで迫ってきているの。
捕まったら。
触れられたら、終わり。
それが本能的にわかるくらい、いやなモノでしかない!!
絶対、捕まらない!!
私は獣人だから、脚には自信がある。あるのに……なんで微妙に追いつきそうなの!?
あれ何、ほんと何!?
忘れ物だなんて、もうどうだっていい!!
あれに捕まった方が、全然良くない!!
とにかく、正面玄関に向かって走ったんだけど……靴に急いで履き変えてから、出て行けば。
「……た、助かった?」
出口から外に出たら、あの変なモノは外に出れないのか……正面玄関でうろうろしてるだけだった。
安心して、その場でへたり込みかけたがまだあいつとの距離が近い。頑張って、校舎の正門前まで引きずるように歩いたけれど、途中で今更だが頬をつねったりしたが。
痛いって、痛みを強く感じた。
ってことは……あいつは夢でも幻でもない?
なんなわけ??
とりあえず、ゆっくりでもいいから帰ろうと決めて、鞄だけは死守してたからスマホを出すと。
まだ、夕方の六時だった。
あいつと接触しかけて……たったの十五分程度。
実に濃い時間だったわ……。明日学校来たくないけど、来るしかないかとくたくたになりながら、帰宅した翌日。
担任からの一斉送信メールで、急遽休校なのと校舎には行くなとの内容が送られてきた。
と言うことは、私の見た『あれ』のせいでなんかめちゃくちゃになった?
考えたけど、休みならゆっくりしようと親にメールの内容を伝えてから二度寝することにしたわ。
次回はまた明日〜




